外壁の種類を知ってリフォームに備えましょう

お住まいの外観を美しく保つだけでなく、快適な暮しのためにも重要な外壁。壁材にもいろいろな種類があり、それぞれ特徴もメンテナンスの方法も違います。どのような外壁があるのか、素材や特徴、メンテナンスの時期や方法についてご説明します。

外壁リフォームの必要性

お住まいの外壁の劣化は、見た目が悪くなるだけではなく家屋の強度に重大な影響があります。外壁そのものの強度が落ちますし、雨水が侵入して建物内部の木材や金属に大きなダメージを与えることにも繋がります。お金がかかるからと放置しておくと、おおがかりな工事になってしまう可能性も。
逆に外壁の塗り替え、張り替えなどメンテナンスをすれば大切なわが家を守ることができます。最近では外壁を塗り替える塗料にも断熱や遮熱の効果が高いものなどがあります。外壁を張り替える際、断熱工事をすることで冷暖房費が節約にもつながります。

外壁の種類について

モルタル・サイディング・ALC・タイル。
以上の4種類が、使用される主な外壁材です。
日本の住宅はモルタル壁が多かったのですが、現在はサイディング壁が主流となっています。新築住宅の場合、その70%ほどはサイディング壁になっているようです。
ALCはマンションや3階建て以上の建物で使われる壁材ですが、住宅での使用も増えてきています。
タイルを外壁に使うと重厚な風格で、耐久性が高く風雨や日光にさらされても長持ちします。

4種類の中でも代表的なのは、モルタルとサイディングです。
では、それぞれの壁材のメリットとデメリットを見ていきましょう。

モルタル壁

モルタルとはセメントに砂を混ぜたもので、それを壁に塗ります。
ただ塗っただけでは味気ないので、コテやローラーなどで表面に模様をつけて塗ります。
壁にあわせて施工するため、壁自体に凹凸があったりアーチ部分があるような複雑なデザインにも柔軟に対応し、モルタルにタイルを貼ることもできます。

モルタル壁のメンテナンスのポイントはヒビ割れ(クラック)です。
経年劣化や地盤沈下、地震の揺れなどによって、ヒビ割れ(クラック)が起きやすい材質です。モルタルがヒビ割れた場合、ヒビの度合いによっても施工方法は変わりますが、軽微なヒビはコーキング(シーリング)を注入し補修します。大きなヒビ割れの場合は一度ひび割れた部分をカット(Vカット)し、溝の中にコーキング材充填していきます。モルタル材とコーキング材が密着しやすいようにプライマーを塗ることを忘れてはいけません。幅1mm以上のヒビは雨水が侵入して家屋を痛める原因になりますので、しっかり補修しましょう。

外壁はメンテナンスすることはほとんどありませんが、汚れが気になることもあります。汚れが目立つ箇所は中性洗剤を薄めて綺麗にします。ブラシなどで強くこすると塗装が傷ついたり、表面の模様を削ってしまうので注意が必要です。
表面にコケやカビが生えてきたら高圧洗浄で除去しましょう。
外壁を触ってこすると手に白い粉がつくと(チョーキングといいます)、表面の塗装が劣化していますので塗り替えが必要です。外壁に使われる塗料もいろいろですが、代表的なシリコン塗料の耐用年数が10年ほどなのでそれを目安に塗り替えるのがオススメです。素材としてのモルタルそのものは長持ちすると言われますが、ヒビ割れや塗装の劣化が起きたらリフォームが必要になります。

主流サイディングについて

サイディングは、板状のボードを壁面に並べて施工する壁材です。
ボードの素材には窯業(ようぎょう)系、金属系、木質系、樹脂系といった種類があり、現在最も多く使われているのは窯業系です。
サイディングは様々なデザインのものが販売されており選択の幅が広く、また施工しやすく比較的安価です。

窯業系サイディングボードは、セメントを主原料に板状に成形したものです。防火性、耐震性、遮音性に優れています。しかし、熱を蓄えやすい性質があり夏場は表面温度が60度くらいまで熱くなることがあります。また逆に寒冷地では凍害の恐れもあります。

金属系サイディングはアルミニウムやステンレスなどが使われ、ヒビ割れや紫外線に強い特徴があります。また軽量なので壁自体に負担がかかりません。ガルバリウム鋼板という素材もあります。
木質系サイディングは天然の木材を加工したもので、断熱性が高く風合いに魅力があります。他のサイディングよりお手入れの手間はかかります。
樹脂系サイディングは塩化ビニル樹脂を原料とし、劣化や変色がほとんどありません。凍害や塩害にも高い耐久性があります。しかし、まだ樹脂系サイディングは知名度が低く商品のバリエーションが少ない状態です。

サイディングのメンテナンス

サイディングのメンテナンスのポイントはシーリングです。
板状のボードのつなぎ目に充填されているシーリングが劣化すると、そこから雨水が浸入して腐食やサビの原因となります。シーリング剤は耐久性が高いものが出てきていますが、それでも耐用年数は10年ほどと言われています。
サイディング材は塗装します。10年ほどで塗り替えるのが良いでしょう。表面の塗装が劣化すると素材の腐食、錆が起こります。ヒビ割れが少ない窯業系サイディングも、劣化するとヒビ、反りが発生しやすくなります。
サイディングもモルタルと同様に10年を目安にメンテナンスするのがオススメです。

ただし、樹脂系サイディングは原料に顔料を練り込んで色を着けているので、塗装の劣化の心配はありません。また?ぎ目がなくシーリングも不要です。耐用年数は30年と言われています。

日頃のお手入れは、モルタルと同様に水洗いが基本です。シーリング部分をブラシでこすって傷つけないように注意が必要です。
サイディングのリフォームには「重ね張り工法」と「張り替え工法」があります。
「重ね張り工法」は現在の壁の上から新しい壁を重ねて張る工法です。耐震強度を高める効果もありますが、現在のサイディングの劣化が酷い場合は張り替える必要があります。そうなると手間もコストも大きくなるので、早めにメンテナンスするのが経済的です。

ALCについて

ALCとは軽量気泡コンクリートとも呼ばれる外壁パネルです。
珪石、セメントなどを原料とし、軽石のように水に浮くほど軽い素材なので建物自体、壁面に負担をかけません。地震や火災に強い特質もあり、万が一の火災でも有毒なガスや煙を出しません。東京スカイツリーの上層部にも使用される信頼性の高い壁材です。
メンテナンスは、モルタルやサイディングと同様に塗装の耐用年数10年を目安に塗り替えが必要になります。
またヒビ割れが起こった場合にもメンテナンスが必要です。

タイルについて

土や石といった天然素材を高温で焼き固めたタイルは、耐久性に優れた素材です。
強い日差しや風雨にも強く、特に耐水性に優れています。また天然素材ならではの風合いがあり、色褪せもしにくく美観にも優れます。
タイルそのものが重く、しっかりした壁面を下地にしなければならないので、壁自体の構造強度と耐震強度が必要になります。古い建築基準の時代に建てられた住宅にはタイルは不向きです。
30年以上も長持ちすると言われますが、タイルの脱落はがれが起きることも。最近では軽量のタイルや、はがれ防止の工法も工夫されたものも発売されています。
ただ他の壁材に比べ、タイル外壁は費用が高く、サイディング壁と比較して100万円以上も高くなることもあります。

まとめ

いろいろな外壁に特徴とメンテナンスについて説明しました。
外壁をリフォームするとお住まいのイメージが大きく変わってリフレッシュできます。モルタルを塗り替える、モルタル壁をサイディングに張り替える、サイディングを交換するなど、いろいろなパターンがあります。また、複数の壁材を組み合わせる方法もあります。コストがかかるタイルも、部分的に使って外壁のアクセントにする方法もあります。
実際にリフォームを依頼するときは、建築知識の豊富な信頼できる業者にご相談しましょう。きっと満足できる外壁リフォームができると思います。

リフォーム成功ガイドに戻る

冊子請求・工事店紹介、その他リフォームのご相談

お気軽にお問い合わせ下さい