中年女性に対する憧れ…。

先日乗ったバスの中でのこと。

前の席に座っていた中年の女性二人が何やら大いに盛り上がっていました。

てっきり知り合いかと思いきや、片方の女性が降りる時に一言。

「お名前もお聞きしませんでしたが、どうぞお元気で~」。

あれだけ親しげに話していたのに初対面だったのです。

このような光景を私は至る所でよく目にします。

おそらく中年の女性同士が仲良くなる速度は、

幼稚園児同士のそれを遥かに凌ぐと思われます。

 

私は人見知りなので、初対面の人と旧知の間柄のように親しく会話ができる女性達が

とてもうらやましく、思わずその能力に憧れてしまいます。

その一方で、私に限らず世の男性は総じてこれが苦手のような気がします。

そのせいか、これと同じことを男性がやるだけで妙に「粋」に見える時があります。

取引先の社長さんは先月古希を迎えられたばかりなのですが、

その歳に見えないくらい若々しくおおらかな方です。

ある時、その社長さんと喫茶店に行き勘定を済ませて、

私は店の外で待っていたのですが、社長さんがなかなか出てきません。

気になって中をのぞいてみると、

社長さんはレジの店員さん数人と楽しそうに談笑していました。

いったい何をあんなに楽しそうに話しているのだろうと思い、

店に戻って聞き耳を立ててみると

「ここの店員さんはみんな感じのいい人ばかりだね~」

とお店の人を褒めたり、自分のドジな話をしたりして店の人を笑わせていました。

それから数日後に社長さんとこのお店に行ったところ、

「あっ、いらっしゃいませ~!」

と、にこやかに迎えられました。

「あっ」がついているのです。

店員さん達は社長さんの顔を覚えていて、二度目の来店でもう常連の扱いだったのです。

よくよく注意して見ていると、社長さんは駐車場の警備をしているガードマンにも、

コンビニの店員さんや高速道路の料金所の方にも、元気いっぱいに満面の笑みで

「ありがとう~!」と言っています。

そしてちょっと時間があればいつの間にか談笑しているのです。

本当に些細で何でもないやり取りかもしれませんが、

さり気なく相手の心を明るくして誰とでもすぐに仲良くなれる社長さんを

私は尊敬してやみません。

社長さんはおそらく根っからの人好きなのでしょうが、

常に心に余裕があるのだと思います。

食事を終えたらさっさと帰る、コンビニでは必要な物を買うだけ、

ガードマンや料金所の方には目もくれないといった感じでは、

見ず知らずの人に話しかける気にはなれません。

それに一口に話しかけると言っても、

相手がどういう人かを見極めなければ何を話すかも決められません。

雑談の内容も、お天気、地元ネタ、最新ニュース、趣味など

広範囲のジャンルに渡ってある程度の蓄積がないと、

初対面の人との雑談はなかなか難しいものです。

私にはいくつもハードルがあるように思えることを、

普通にさりげなくやってのける社長さんは、

私から見て本当に「粋なおじさま」です。

私も何でもない一言で人の心を明るくできる、

そんな暖かみのあるかっこいい大人になりたいものです。