諦めなければ夢は叶う?

実は、以前から疑問に思っていたことがあります。

それは、一流のスポーツ選手やミュージシャンがよく口にする

「諦めなければ夢は叶う」「努力し続ければ夢は叶う」という言葉です。

子どもたちに向けたメッセージなのでしょうが、かねてから「無責任な言葉だなあ…」と感じていました。

 

諦めずに努力したからと言って必ずしも夢が叶うわけでないことくらい、いい歳をした大人なら誰もが知っています。

現実には大いに夢を見て大いに努力を続けたところで、負けたり失敗したりすることの方が圧倒的に多いはずです。

 

その時に「一度や二度の挫折で諦めるな」ということを言いたいのかもしれませんが、挫折のタイミングでは、それ以外にも大切な選択肢があるように思います。

私は、それを「諦め」「妥協」だと考えています。これらは一見否定的な意味にとられがちですが、決してそうではありません。

 

今までの目標を諦めることによって、また妥協することによって、これまで考えもしなかった道が新たに見えてくることは意外に多いように思います。例えばスポーツ選手の中には、ピッチャーからバッターに転向した人もいれば、陸上からサッカーに転向して成功した人もたくさんいます。

 

中にはスポーツ選手からタレントや実業家に転向して成功した人もいます。彼らは夢を諦めたり妥協することで新たな道を切り開いていますし、おそらく成功を収めた人の大半が、何らかの軌道修正を経験して今に至っているはずです。

 

一つの目標に向かって努力を続けることは、もちろん大切です。しかし、その目標を諦めないことだけが全てではありません。一つの目標に頑なに固執し続けるのではなく、時には現実を直視し目標を軌道修正することも必要です。

 

「諦めなければ夢は叶う」という綺麗事よりは、夢や目標を臨機応変に修正しながら努力を積み重ねていくことの大切さを、現実的な人生の切り開き方として、堂々と子どもたちに教えていくべきだと、私は個人的に考えています。

 

また、努力することには「自分の力量を知る」という意義もあるのかもしれません。何の努力もせずに夢を諦めてしまうと本当に何も残りません。

 

そればかりか「あの時やっていれば…」などと考え、グズグズと夢の抜け殻みたいなものに付きまとわれるかもしれません。しかし精一杯努力を積み重ねてきた上で挫折したのであれば、きっぱりと諦めて次の目標に向かって歩き出すことができるような気がします。

 

私の人生も改めて振り返ってみますと、挫折と諦めと妥協の連続だったように思います。正直あまり経験したくないものばかりですが、こういったものを経験しながら、人は少しずつ成長していくのかもしれませんね。