子どもが生まれました!

結婚して十年目、ようやく授かった待望の我が子は女の子でした。

妻も私も大の子ども好きなのですが、なかなか子宝に恵まれず、十年の間に子どもを欲しいと思うことそのものが、次第に苦痛になっていきました。それだけに子どもの誕生は、これまで生きた中でも一番の喜びでした。

 

妊娠が分かったときは、あまりの嬉しさに妻と抱き合って号泣しました。しかしその時、妻は四十歳。高齢出産となりますし、妻は元々体が弱く、妊娠後も体重がなかなか増えませんでした。

 

それだけでなく妊娠中期から肉や魚を一切食べられなくなるなど様々な体質の変化もあり、私の心配は募っていきました。妻の体は大丈夫か、こんな食生活で子どもはちゃんと育つのだろうか…。期待と不安の中で、私は「どうか無事に生まれてくれますように!」と、ひたすら祈ることしかできませんでした。

 

また、何が起きるかわからない状況だったため、会社のスタッフにも最後の最後まで妊娠のことは話せませんでした。結局、子どもが生まれて数日後の朝礼での事後報告となりましたが、それまで何の素振りも見せていなかったので、みんな最初は何のことやら理解できなかったようです。一呼吸おいてから

 

「おめでとうございます!」の声が上がりました。

 

終わってみれば、私の心配をよそに分娩時間2時間という超安産だったため、私は出産に立ち会うことができませんでした。知らせを聞いて大急ぎで病院に駆けつけると、そこには初めて子どもを抱いている妻の姿があり、それを見た瞬間に私は胸が一杯になりました。

 

妻は決して口にはしませんでしたが、おそらく高年齢出産のリスクをしっかり理解した上で、どんなことがあっても受け入れようと覚悟していたのだと思います。その強さと、愛おしそうに子どもを見る柔らかな眼差しは、すっかり母親のものでした。

 

一方の私はと言うと、不思議と未だに父親としての実感が沸いてきませんが、子どもの誕生によって妻への感謝の気持ちはより一層大きくなりました。

出産時はもちろんですが、妊娠後の様々な体質の変化に耐え身をすり減らすようにして子どもをはぐくみながら過ごしてきた妻の姿を間近に見ていただけに、無事に子どもを産んでくれた妻への感謝と尊敬の気持ちは、これからも決して忘れることはないでしょう。

 

最近は「イクメン」という言葉をよく耳にしますが、インターネット上に「育児をする男はイクメンなどではなく、父親である」という言葉がありました。本当にそのとおりだと思います。私は夫としてのキャリアは十年ですが、父親としては新人です。

 

子どもがいる妻の夫としてもまた新人です。いよいよこれから子育てが始まりますが、共に四十歳を超えた私たち夫婦にとって、初めての子育ては想像以上に大変なものだと思います。十分な覚悟を胸に、しっかりと妻を支えながら家事に育児に奮闘するつもりです。

 

その中で自然と父親としての実感も沸いてくるのだと思います。子育てに迷った時などは、皆様のお知恵をお借りすることもあるかと思いますが、どうぞよろしくお願い致します。