玄関の引き戸を開き戸にリフォームできる?費用相場と注意点を建築士が解説

「玄関の引き戸を開き戸に変えることはできる?」
「費用はどのくらいかかる?」

玄関の引き戸は、条件が合えば開き戸へ変更できます。既存の枠を活かすカバー工法で対応できれば、工期や費用を抑えられる場合もあります。

ただし、玄関前のスペースや現在の間口、ドアを開いたときの動線などによっては、開き戸にすることでかえって使いにくくなることもあります。

この記事では、玄関の引き戸を開き戸へ変更するときの費用相場や工事方法、リフォーム前に確認しておきたいポイントを、建築士の立場から分かりやすく解説します。

記事監修者

安藤

建築士の安藤です。リフォーム業界歴20年。住まいを通じ、豊かな暮らしをお届けいたします!!ゆうネット公式YouTubeでリフォームお役立ち情報も配信中。

玄関ドアをリフォームで引き戸から開き戸に変更できる?

玄関ドアを「引き戸」から「開き戸」に取り換えられるのでしょうか?

結論から言えば可能です。工事方法によっては、最短1日で交換することもできます。ただし、どんな引き戸でも開き戸に取り換えられるわけではありません。

ここでは、引き戸を開き戸に変更するときの注意点と、開き戸にできないケースについて確認していきましょう。

引き戸から開き戸へ変更する際の注意点

引き戸を開き戸にする場合は、玄関の外側に「ドアを開くためのスペース」が必要です。

横にスライドする引き戸と違い、開き戸は手前に大きく開くため、周囲に障害物がないか確認しなければなりません。

たとえば、玄関前の階段が近すぎたり、外灯やポストがドアに当たったりする場合は、引き戸のほうが使い勝手が良いでしょう。

リフォーム前に、開き戸を全開にしても邪魔にならないか、動作をシミュレーションしておきましょう。

引き戸から開き戸にできない・難しいケース

選びたい開き戸の横幅や、今の引き戸付近の状態によっては、引き戸から開き戸への変更が難しい場合があります。

一般的な引き戸は、横幅が広いです。同じ場所に一般的な開き戸を入れようとすると、引き戸より幅が狭いためサイズが合いません。

また、引き戸の前に自転車などを置いている場合は、開き戸にすると開閉できなくなってしまいます。

引き戸を開き戸に取り換える場合は、玄関スペースに障害物がないことを確認し、横幅の合うものを選びましょう。

引き戸から開き戸へ変える前に確認したい5つのポイント

引き戸から開き戸への変更では、「取り付けられるか」だけでなく、変更したあとに使いやすいかを確認することが大切です。

現場を見る際には、特に次の5点を確認します。

1.玄関前にドアを開くスペースがあるか

引き戸は横に動きますが、開き戸は前後に大きく動きます。玄関前に階段や門扉、ポストなどが近い場合は、ドアの開閉に支障が出ないか確認が必要です。

2.現在の間口に合う開き戸があるか

引き戸は一般的に開口部が広いため、1枚の開き戸では納まりにくいことがあります。その場合は、袖付きドアや親子ドアなどを使って調整します。

3.ドアを開いたときに人の動線を邪魔しないか

玄関前の通路が狭い場合や、家族が頻繁に通る場所では、ドアを開けたときに通行しにくくならないかも確認しましょう。

4.現在の枠を利用できるか

既存の枠を利用できれば、カバー工法で施工できる可能性があります。一方、枠や周囲の壁の状態によっては、撤去や補修を伴う工事が必要になります。

5.将来の使いやすさも考える

開き戸は断熱性や防犯性、デザインの選択肢が多い一方、車いすや歩行補助具を使う場合は、引き戸の方が開閉しやすいことがあります。将来の暮らし方まで考えて選ぶことも大切です。

建築士からひとこと

引き戸から開き戸への変更は、できるかどうかだけで判断しない方がよいリフォームです。

住宅によっては、開き戸へ変更するよりも、現在と同じ引き戸タイプの新しい商品へ交換した方が、使い勝手を保ちながら断熱性や防犯性を改善できる場合もあります。

「開き戸にできるか」とあわせて、「開き戸にすることが本当に暮らしやすさにつながるか」を確認してもらうと安心です。

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玄関ドアを引き戸から開き戸に交換するリフォーム費用の相場

玄関ドアを引き戸から開き戸に交換できることが分かったところで、多くの方が不安に感じるのが費用でしょう。

工事方法によって金額に差が出るため、違いを知っておくことが大切です。ここでは、引き戸から開き戸に交換する際の費用相場をご紹介します。

ただし、下記はあくまで目安であり、現場の状況や商品グレードにより金額は変動します。

  • カバー工法の場合:25~50万円
  • はつり工法の場合:50~100万円

それぞれ詳しく解説しましょう。

カバー工法の場合

カバー工法の費用相場は、25~50万円が目安です。

カバー工法は、今あるドア枠を残してその上に新しいドア枠をかぶせる工事方法です。枠や壁を壊す手間がなく、費用を大きく抑えられます。

最短1日で工事が終わるため、防犯面でも安心です。費用と時間を節約したい方は、まずはこのカバー工法が可能かリフォーム会社に聞いてみましょう。

はつり工法の場合

はつり工法の費用相場は、50~100万円が目安です。

はつり工法は今のドア枠を壁から削り出し、新しいドア枠を取り付ける工事方法です。ドア枠の解体撤去費だけでなく、そのあとの壁や床の補修工事に手間と費用がかかります。

玄関ドアのサイズを最大限大きくしたい場合や、玄関ドアの位置を調整したい場合は、はつり工法が向いています。

価格が高くなる要因

玄関ドアリフォームの工事費は、工事方法以外の条件で高くなることがあります。

たとえば凝ったデザインのドアを採用すると、価格が上がる傾向があります。断熱性能の高いドアや、便利なスマートキー(電子錠)を採用した場合も価格が上がります。

予算オーバーを防ぎたい場合は、自分にとって本当に必要な機能だけに絞り込むと良いでしょう。

なお玄関ドアのリフォームでは、断熱性の高いドアを選ぶと補助金制度を利用できる場合があります。できるだけ費用を抑えたい方は、リフォーム会社に最新の情報を確認してみましょう。

参考:環境省「断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ2026事業)について」

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玄関ドアを交換すると何が良くなる?得られる効果まとめ

古いドアを新しくすると、見た目がきれいになるだけでなく、毎日の暮らしがとても快適になります。とくに最新の技術が詰まったドアは、家族の健康や安全を守る強い味方になってくれるでしょう。

ここでは、玄関ドアのリフォームで得られる効果をご紹介します。

  • 断熱性と気密性が上がり寒さ対策・暑さ対策になる
  • 防犯性の高い鍵の導入で侵入対策を強化できる
  • スマートキーを導入すると施錠・解錠がしやすくなる

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

断熱性と気密性が上がり寒さ対策・暑さ対策になる

最新の開き戸は断熱性(熱の出入りが少ない)や気密性(隙間が少ない)が高いため、玄関まわりに冷気や熱気が入り込みにくくなります。魔法瓶を想像していただくと良いでしょう。

保温能力が高くなると、冷暖房の効きがよくなります。玄関をはじめ、さまざまなお部屋の保温能力を高めると、少ない光熱費で家を冷やしたり温めたりできるようになります。

年中快適な温度で過ごしたい方にとって、断熱性の高い玄関ドアへの交換は費用対効果を感じやすいリフォームといえるでしょう。

防犯性の高い鍵の導入で侵入対策を強化できる

最新の玄関ドア錠は、ピッキング(針金のような道具で鍵を開けること)への対策が万全です。複雑な形状のディンプルキーや、上下二つの鍵(ツーロック)が標準装備されています。

ディンプルキーツーロック

泥棒は解錠に時間がかかる玄関ドアを嫌がるため、ディンプルキーとツーロックは侵入の大きな抑止力になります。

家族の安全と大切な財産を守りたい方は、防犯性能の高いドアへの交換をご検討ください。割れにくい窓や、人を感知して点灯するライトを組み合わせれば、防犯性の高い住まいを実現できるでしょう。

スマートキー(電子錠)を導入すると施錠・解錠がしやすくなる

玄関ドアの鍵をスマートキーにすると、玄関の出入りがラクになります。

たとえば以下のようなスマートキーがあります。

  • タグキー、カードキー:ドアに近づけると解錠できる
  • リモコンキー:携帯しておくとドアのボタンで解錠できる
  • 顔認証キー:リモコンキーを携帯してドアの前に立つと解錠できる
  • スマートフォン連動キー:専用アプリで施錠・解錠ができる

スマートキーがあれば、カバンの中から小さな鍵を探し出したり、暗い中で鍵を鍵穴に差し込んだりする手間がなくなります。

玄関ドアの施錠・解錠をラクにしたい方は、リフォーム時にスマートキーの採用をご検討ください。

交換前に知っておきたい「引き戸・開き戸」のメリット・デメリット

玄関ドアを最新の開き戸に変えると、断熱性や防犯性の向上など、さまざまなメリットが期待できます。ただし、引き戸にも使い勝手の良さという強みがあり、開き戸に替えることで不便を感じるケースもあります。

玄関リフォームで後悔しないためには、引き戸と開き戸それぞれの特徴を把握したうえで、自分の暮らしに合った選択をすることが大切です。

ここでは、引き戸と開き戸のメリット・デメリットを整理してご紹介します。

引き戸のメリット

引き戸は横にスライドして開閉するため、前後のスペースを取りません。玄関前が狭い場合でも使いやすく、車いすやベビーカーでも通りやすい点が特長です。

重い荷物を持っているときや、強い風が吹いているときでも、安定して開閉できます。出入りのしやすさや省スペース性を重視する場合は、引き戸が有力な選択肢となるでしょう。

引き戸のデメリット

引き戸は、構造上どうしても隙間ができやすいです。レールの上を滑らせるために、扉と枠の間に遊び(ゆとり)が必要になるからです。その隙間から、わずかに外の暖気や冷気が入り込みます。

また、扉の隙間から工具を差し込まれるなど、防犯面では開き戸より不利になるケースがあります。近年は防犯性能が向上した製品も増えていますが、断熱性や防犯性を重視する場合は、開き戸のほうが安心感は高いでしょう。

開き戸のメリット

開き戸は密閉性が高く、断熱性に優れています。ゴムパッキンなどで扉と枠をしっかり密閉できるため、隙間風を防ぎやすいのが特長です。

また色やデザインの選択肢も豊富で、洋風・モダンな外観に合わせやすい点も魅力的でしょう。

玄関の暑さ・寒さを改善したい方や、外観の印象を一新したい方には、開き戸への交換をおすすめします。

開き戸のデメリット

開き戸は、ドアを開く際に前後の動作スペースが必要です。扉が弧を描いて動くため、自分の立ち位置を調整しなければなりません。

また風が強い日は、扉が勢いよく開閉することがあり、扱いに気を遣う場面もあります。

重い荷物を持っていると、開けるのが少し手間に感じる場合もあります。出入りのしやすさを求める方は、引き戸のほうが向いているかもしれません。

開き戸の選び方を5ポイントで解説

引き戸と開き戸の特徴を踏まえ、「開き戸が良さそう」と感じたら、次は具体的なドア選びです。

玄関ドアは種類が多く、何を基準に選べば良いか迷いがちですが、ポイントを押さえれば判断しやすくなります。

ここでは、開き戸選びで失敗しないための5つの視点をご紹介します。

  1. タイプを選ぶ
  2. 機能を選ぶ
  3. 素材を選ぶ
  4. メーカーを選ぶ
  5. デザインを選ぶ

それぞれ、詳しく解説しましょう。

1.タイプを選ぶ(両袖、片袖親子、両開きなど)

まずは、今の引き戸の横幅に合わせられる「扉のタイプ」を選びましょう。引き戸は幅が広いため、一枚扉の開き戸では引き戸を外したあとのスペースを埋めることができません。

そのため、袖(扉の横に設けられたパネル)のある開き戸を選ぶか、以下のような2枚の扉が付いた開き戸を選ぶ必要があります。

親子扉両開き扉
大小2枚の扉で構成され、普段は大きい親扉を使う左右対称で、2枚の同じ大きさの扉で構成されたドア

デザインや開き方を考慮して、生活の中で使いやすそうなものを選んでください。可能であれば、メーカーのショールームで体感してみることをおすすめします。

2.機能を選ぶ(スマートキー、通風、採光、防火・耐火など)

必要な機能を絞って選ぶことで、満足度が高まります。

スマートキーがあれば解錠がラクになり、通風機能付きなら鍵を閉めたまま風を通せます。玄関まわりを明るくしたい場合は、採光タイプを選ぶと良いでしょう。

また、地域によって燃えにくい性能が必須となる場合もあるので、自治体あるいはリフォーム会社に確認しておくことをおすすめします (例:防火地域など)。

ただ、欲しい機能を全て取り入れると、必要以上に価格が上がってしまう点に注意が必要です。自分の暮らしに必要な機能を選んで採用しましょう。

3.素材を選ぶ(木製、アルミ製など)

玄関ドアの素材は、耐久性とメンテナンス性で選ぶのが基本です。

木製ドアは温かみがあり、北欧風や南欧風の家にマッチしますが、定期的なお手入れが欠かせません。また防火対策が必要な地域(防火地域・準防火地域)では、使えない場合があります。

一方でアルミ製は雨や紫外線に強く、長期間きれいな状態を保ちやすいのが特徴です。木製のような風合いはありませんが、リアルな木目調のシートを貼った製品はあります。

見た目とお手入れの手間のバランス、そして求められる防火性能を考えて素材を選びましょう。

4.メーカーを選ぶ(LIXIL、YKK AP、三協アルミなど)

たくさん利用されている実績のあるメーカーを選ぶと、性能や保証面で安心です。

たとえば「LIXIL」「YKK AP」「三協アルミ」は、断熱性や防犯性に優れた玄関ドアを数多く展開しています。商品数が多いため、条件に合うドアを選びやすい点もメリットです。

またリフォーム会社が得意とするメーカーを聞いておくことも大切です。施工に慣れているためミスが少なく、製品代の割引率が高い可能性もあります。

工事は終わってからの安心も大切です。玄関ドアの商品保証だけでなく、施工部分の保証内容や、不具合が起きた場合の連絡先も契約前に確認しておきましょう。
→ リフォームの工事保証で確認したいポイントを見る

5.デザインを選ぶ(洋風、和風など)

玄関ドアのデザインは、家全体の印象を大きく左右します。家の外観に合わないデザインを選ぶと、違和感が出てしまうのでご注意ください。

たとえば和風住宅には、落ち着いた色味や格子デザインのドアがマッチします。洋風住宅には、木目調やモダンなデザインがなじみやすいでしょう。

カタログだけで判断せず、施工事例もチェックして、家全体との調和を確認することをおすすめします。

玄関ドアのリフォームをどこに頼むか迷った方へ


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玄関ドアのリフォーム(引き戸から開き戸へ)でよくある疑問【Q&A】

Q1:開き戸は「通行のしやすさ(バリアフリー)」が損なわれませんか?

使い方によって、開き戸は「通行しにくい」と感じる場合があります。たとえば車いすでの通行が、その代表例です。

引き戸は横に滑らせて開閉するため、車いすでも無理なく開閉しやすい特徴があります。一方、開き戸はドアを押したり引いたりする動作が必要で、回転スペースも求められます。

親子ドアで開口を広げたり、段差を解消したりする工夫で改善は可能ですが、操作性では引き戸のほうが有利です。

Q2:カバー工法にすると開口部が狭くなりませんか?

カバー工法では、開口部が数センチ程度狭くなることがあります。既存の枠の上から新しい枠を取り付けるため、左右や上部がわずかに狭くなります。

ただし、日常の出入りに支障が出るケースは多くありません。もともと引き戸の開口は十分なスペースがあるので、新しい開き戸の幅にはほとんど影響しません。

気になる場合は、実寸でどの程度狭くなるか、リフォーム会社に提示してもらいましょう。

Q3:開き戸にしても風通しや採光は確保できますか?

商品を選べば、風通しや明るさを確保できます。

開き戸には、ドアを閉めたまま風を通せる通風タイプや、採光窓付きのものがあります。防犯面にも配慮されているため、安心して使用できるでしょう。

通風機能や採光窓の有無は、商品選びの段階でしっかり確認しておくことが大切です。

Q4:玄関ドアをリフォームするタイミングの目安はありますか?

傷みや不便さを感じ始めたときが、ひとつの目安になります。

「開閉が重い」「ガタつきがある」「鍵がかかりにくい」「隙間風や結露が増えた」と感じる場合は、ドアの老朽化が進んでいるサインです。

築20~30年を超える住宅では、断熱性や防犯性の向上を目的に交換する方も増えています。

「故障かな?」「使いづらくなってきたな……」と感じたら、リフォーム会社に相談して、早めに点検してもらうのがおすすめです。

Q5:開き戸から引き戸への変更も可能ですか?

条件が合えば、開き戸から引き戸へ変更することも可能です。

ただし、引き戸は横幅を広く必要とするため、今の開き戸の横幅(開口寸法)や壁の構造によっては対応できません。

また、レール設置やドア枠設置に調整が必要となり、工事内容が増える場合もあります。

開き戸を引き戸に取り換えたいと感じたら、交換工事が可能か、リフォーム会社に確認してもらいましょう。

まとめ:玄関ドアを引き戸から開き戸にリフォームして快適に!

玄関ドアを引き戸から開き戸へリフォームすることで、断熱性や防犯性が向上します。玄関ドアをおしゃれなものに取り換えることで、玄関の雰囲気も明るくできるでしょう。

この記事でご紹介した引き戸と開き戸のメリット・デメリット、そして扉選びのポイントを参考に、ぜひ理想の玄関ドアリフォームを実現させてください。

玄関リフォームの会社選びで迷っている方へ

玄関ドアのリフォームでは、商品や価格だけでなく、工事方法の説明、見積書の内容、工事後の保証まで確認して会社を選ぶことが大切です。

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