【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
大きな地震が発生すると、
「我が家は地震に耐えられるの?」
「築年数が古いけど大丈夫?」
「耐震診断を頼む前に確認できることはある?」
と不安になる方も多いのではないでしょうか。
住宅の耐震性は専門的な診断が必要ですが、その前に自分で確認できるポイントもあります。
特に、
- 築年数が古い住宅
- 大きなリフォームをしていない住宅
- 過去に地震被害を受けた住宅
は、一度状態を確認しておくことが大切です。
この記事では、プロへ相談する前に確認したい「自分でできる耐震チェック10項目」を建築士がわかりやすく解説します。
まず確認したいのは住宅の築年数
最初に確認したいのが、住宅が建てられた時期です。
現在の耐震基準は、1981年(昭和56年)に大きく見直されました。
それ以前に建てられた住宅は、現在の基準と比べて耐震性が不足している可能性があります。
ただし、築年数だけで耐震性が決まるわけではありません。
増改築の有無や建物の状態も確認する必要があります。
耐震チェック① 基礎にひび割れがないか
住宅の土台となる基礎を確認しましょう。
チェックするポイントは、
- 大きなひび割れがある
- ひびが広がっている
- コンクリートが欠けている
- 鉄筋が見えている
などです。
細かなひび割れでも、幅や状態によっては確認が必要です。
特に基礎のひび割れは、建物全体の安全性に関わる場合があります。
耐震チェック② 外壁に大きなひび割れがないか
外壁のひび割れも確認しましょう。
注意したいのは、
- 窓まわりの斜めのひび
- 長く伸びたひび
- 幅の大きなひび
です。
外壁のひび割れは、雨水の侵入だけでなく、建物の動きが原因の場合もあります。
耐震チェック③ 建物が傾いていないか
住宅の傾きも確認ポイントです。
簡単な確認方法として、
- ドアが勝手に開く
- 引き戸が自然に動く
- 床にビー玉を置くと転がる
などがあります。
ただし、これだけで耐震性を判断することはできません。
気になる場合は専門家へ相談しましょう。
耐震チェック④ ドアや窓が開けにくくないか
以前は問題なく開閉できた建具が、
- 閉まりにくい
- 枠に当たる
- 隙間ができる
場合は、建物のゆがみが関係していることがあります。
特に地震後や大きな揺れを経験した後は確認しましょう。
耐震チェック⑤ 壁の量が少なくないか
木造住宅では、壁が建物を支える重要な役割をしています。
確認したいのは、
- 大きな窓が多い
- 一部屋が広い
- 壁を撤去するリフォームをした
住宅です。
壁を減らすリフォームを行った場合、耐震性への影響を確認する必要があります。
耐震チェック⑥ 屋根が重くないか
屋根の重さも耐震性に影響します。
一般的に、建物の上部が重いほど地震時の揺れは大きくなります。
例えば、
- 古い瓦屋根
- 重い屋根材
を使用している住宅では、耐震改修の際に屋根の軽量化を検討する場合があります。
耐震チェック⑦ シロアリ被害がないか
木造住宅では、シロアリ被害も注意が必要です。
確認する場所は、
- 床下
- 柱の根元
- 土台部分
です。
木材が傷んでいると、本来の耐震性能を発揮できない可能性があります。
耐震チェック⑧ 過去に大きなリフォームをしていないか
以下のような工事をした場合は確認が必要です。
- 壁を撤去した
- 間取りを変更した
- 大きな窓を設置した
- 増築した
リフォーム内容によっては、耐震性に影響する場合があります。
耐震チェック⑨ 雨漏り跡がないか
雨漏りは住宅の劣化を進めます。
確認する場所は、
- 天井のシミ
- 壁の変色
- 小屋裏
- 柱周辺
です。
雨漏りによって木材が傷んでいる場合、補修が必要になることがあります。
耐震チェック⑩ 地震後に変化がないか
過去の地震後に、
- 新しいひび割れが出た
- 建具が閉まらなくなった
- 床が傾いた
- 壁に隙間ができた
などの変化があれば注意しましょう。
小さな変化でも記録しておくことが大切です。
自分で確認した後は専門家へ相談する
セルフチェックは、住宅の状態を知るきっかけになります。
しかし、耐震性を正確に判断するには、
- 基礎の状態
- 壁の配置
- 接合部
- 建物全体のバランス
などを確認する必要があります。
気になる点がある場合は、耐震診断や専門家への相談を検討しましょう。
耐震リフォームは必要な部分から検討する
耐震対策は、必ずしも大規模な工事が必要とは限りません。
住宅の状態によって、
- 基礎補強
- 壁の補強
- 屋根の軽量化
- 金物の追加
など、必要な工事は異なります。
大切なのは、不安だからとすぐに大規模工事をするのではなく、住宅の状態を確認して必要な対策を行うことです。
信頼できる工事会社は調査結果をもとに提案する
耐震リフォームでは、工事内容よりも「本当に必要な工事なのか」を見極めることが重要です。
信頼できる工事会社は、
- 現状を確認する
- 必要な工事だけ提案する
- 費用や効果を説明する
- 不要な工事を勧めない
という対応をします。
耐震性への不安をあおり、高額な工事だけを勧める会社には注意しましょう。
まとめ
自宅の耐震性が気になる場合は、まず自分で確認できる範囲からチェックしてみましょう。
確認したいポイントは、
- 築年数
- 基礎のひび割れ
- 外壁の状態
- 建物の傾き
- 建具の変化
- 壁の量
- 屋根の重さ
- シロアリ被害
- リフォーム履歴
- 地震後の変化
です。
ただし、セルフチェックだけで耐震性を判断することはできません。
気になる症状がある場合は、専門家に相談し、住宅の状態に合った対策を検討しましょう。
安心して暮らし続けるためには、信頼できる工事会社選びが大切です。
会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行