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執筆:二級建築士 安藤勉
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50代になると、
「そろそろ家をリフォームしたほうがいいかな?」
と考える機会が増えてきます。
一方で、
「定年までまだ収入があるから、今のうちに工事したほうがいい?」
「退職して時間ができてから、ゆっくり考えたほうがいい?」
と迷う方もいるでしょう。
リフォームには、定年前に行う場合と退職後に行う場合、それぞれにメリットがあります。
大切なのは、「定年前が正解」「退職後が正解」と決めつけないことです。
工事の内容や家計、これからの暮らしを考えて、タイミングを決めることが大切です。
定年前にリフォームするメリット
定年前に工事をする大きなメリットは、現在の収入を活用できることです。
リフォームには、まとまった費用が必要になることがあります。
収入があるうちなら、貯蓄から費用を出すのか、ローンを利用するのかなど、資金計画を立てやすくなります。
また、大がかりな工事では、体力があるうちに済ませられるというメリットもあります。
例えば、
- 間取りを変更する
- 浴室を移動する
- 断熱工事をする
- 1階中心の生活に変える
などは、工事の規模が大きくなる場合があります。
「まだ元気だから後でいい」と先延ばしにするのではなく、工事に時間や体力が必要なものは早めに検討することも大切です。
退職後にリフォームするメリット
一方、退職後に工事をするメリットは、家で過ごす時間が増えてから住まいを見直せることです。
会社員の頃は、朝早く家を出て夜に帰る生活だったかもしれません。
しかし、退職すると家で過ごす時間が大きく変わります。
すると、
「日中、この部屋は暗い」
「キッチンが使いにくい」
「掃除する場所が多すぎる」
「2階をほとんど使わなくなった」
など、これまで気づかなかった不便が見えてくることがあります。
実際の生活を経験してからリフォームすることで、必要な工事と不要な工事を判断しやすくなるでしょう。
「収入があるうち」と「時間があるとき」の違い
定年前と退職後では、それぞれ重視したいポイントが違います。
定年前
お金と体力を重視
- 収入がある
- 資金計画を立てやすい
- 大きな工事にも対応しやすい
- 工事後も働きながら生活できる
退職後
時間と実際の暮らしを重視
- 家で過ごす時間が増える
- 不便な場所が分かりやすい
- 暮らしに合わせて計画できる
- リフォームについてじっくり考えられる
この違いを理解すると、自分に合ったタイミングを考えやすくなります。
大きなリフォームは早めに検討する
すべての工事を定年後まで待つ必要はありません。
特に、工事の規模が大きいものは、早めに検討しておくと安心です。
例えば、
- 浴室の位置を変える
- トイレを移動する
- 間取りを変更する
- 断熱性能を高める
- 1階中心の間取りにする
などです。
これらは、単純な設備交換よりも工事期間や費用が大きくなる可能性があります。
「いつかやろう」と考えているなら、定年前から情報収集を始めておきましょう。
実際に工事をするのは数年後でも構いません。
退職後の暮らしを見てからでもよい工事
一方、退職後の生活を確認してから決めてもよいリフォームもあります。
例えば、
- 収納の見直し
- 趣味の部屋づくり
- 家具の配置変更
- 内装の変更
- 空いた部屋の活用
などです。
退職してから家で過ごす時間が増えると、必要なものが変わる可能性があります。
そのため、急いで工事するより、実際の暮らしを経験してから決めたほうが失敗しにくい場合があります。
退職後の収入も考えておく
退職後にリフォームする場合は、工事費だけでなく、その後の生活費も考えておく必要があります。
リフォームにお金を使いすぎて、
「老後の生活費が足りなくなった」
ということになっては困ります。
工事費だけを見るのではなく、
- 生活費
- 医療や介護に備えるお金
- 車の買い替えなどの費用
- 住宅の維持費
- 今後必要になる修繕費
なども含めて考えましょう。
特に大きなリフォームでは、工事費を払った後の家計に無理がないかを確認することが重要です。
リフォームローンを使うなら早めの検討も
リフォーム費用をローンで支払う場合は、年齢によって返済条件などが変わる可能性があります。
そのため、
「退職してからローンを組めばいい」
と簡単に考えないほうがよいでしょう。
利用する場合は、借入期間や毎月の返済額だけでなく、退職後の収入も含めて無理のない計画を立てることが大切です。
具体的な条件は金融機関に確認しましょう。
「定年まで待つ」ことで工事費が増えることも
リフォームを先延ばしにしている間に、家の劣化が進むこともあります。
例えば、
「浴室が古くなってきた」
「外壁の傷みが気になる」
「雨漏りが心配」
といった問題を放置していると、単純な修繕だけでは済まなくなる可能性があります。
特に、雨漏りや水漏れなど、住宅を傷める可能性がある問題は、定年を待つ理由にはなりません。
必要な修繕は、年齢に関係なく早めに対応することが基本です。
50代から情報収集を始める
「まだリフォームする予定はない」
という方も、50代になったら情報収集を始めておくと安心です。
例えば、
「今の家で不便な場所はどこか」
「10年後もこの間取りで暮らせるか」
「定年後はどの部屋を使うのか」
などを考えてみましょう。
実際の工事を急ぐ必要はありません。
早めに考えておけば、必要になったときに慌てずに判断できます。
夫婦でリフォームの希望を話し合う
夫婦で暮らしている場合、それぞれが不便に感じる場所は違うかもしれません。
夫は、「2階の書斎を残したい」
妻は、「1階だけで生活できるようにしたい」
ということもあります。
リフォームを決める前に、
- これからどこで暮らしたいか
- どんなことを楽しみたいか
- 残したい部屋はあるか
- 不要になった部屋はあるか
- 将来不便になりそうな場所はどこか
を話し合ってみましょう。
家族の希望を整理してから工事内容を決めることが大切です。
「今やる工事」と「後でいい工事」を分ける
リフォームを一度にすべて行う必要はありません。
【今すぐリフォーム】
・雨漏りなどの必要な修繕
・浴室など老朽化した設備
・大規模な間取り変更
・断熱など住宅性能に関わる工事
【後でもよいリフォーム】
・家具の買い替え
・収納の整理
・趣味のスペースづくり
・内装の模様替え
このように、優先順位をつける方法があります。
予算に限りがある場合も、優先順位をつければ計画しやすくなります。
定年前と退職後、どちらが向いている?
結局のところ、どちらか一方が正解というわけではありません。
【定年前に向いている人】
✅収入があるうちに工事したい
✅大きな工事を考えている
✅体力があるうちに済ませたい
✅退職後の暮らしを早めに整えたい
【退職後に向いている人】
✅退職後の生活を見てから決めたい
✅家で過ごす時間が増えてから考えたい
✅趣味や生活スタイルに合わせたい
✅急いで工事する必要がない
このように、自分たちの状況に合わせて判断しましょう。
リフォームの時期は「年齢」だけで決めない
「50代だからリフォームする」
「60代だからリフォームする」
と年齢だけで決める必要はありません。
重要なのは、
- 家の状態
- 家計
- 体力
- これからの暮らし
の4つです。
例えば、家の劣化が進んでいるなら、定年まで待つ必要はありません。
反対に、家の状態が良く、現在も不便がないなら、退職後の生活を見てから考えてもよいでしょう。
まとめ
定年前にリフォームするか、退職後にするか。
どちらにもメリットがあります。
定年前なら、収入があるうちに資金計画を立てやすく、大きな工事を体力のあるうちに行えるメリットがあります。
一方、退職後なら、家で過ごす時間が増えた実際の生活をもとに、必要なリフォームを考えられます。
大切なのは、すべての工事を同じタイミングで行おうとしないことです。
・雨漏りや水漏れなど、早めの対応が必要なものは先延ばしにしない。
・大規模な工事は、資金や体力を考えて早めに計画する。
・暮らしてみないと分からない部分は、退職後まで待つ。
このように、工事ごとにタイミングを分ける方法もあります。
50代になったら、すぐにリフォームを始めるのではなく、
「これからどんな家で暮らしたいか」
を夫婦で話し合ってみましょう。
収入がある定年前にするのか、時間に余裕ができた退職後にするのか。
家の状態と家計、そしてこれからの暮らしを考えながら、無理のないタイミングを選ぶことが大切です。
リフォームを検討するときは、複数の業者から話を聞き、工事内容や費用だけでなく、必要性についても比較してみましょう。
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