お客様と工事店にとって
最良のリフォーム環境を生み出したい
優良工事店ネットワークが立ち上げられたのは、2004年のことです。
起業のきっかけやその当時からの理念や苦労を、創業者のひとり堤 猛が語ります。
大手リフォーム会社の
仕事のやり方に悩む日々
優良工事店ネットワークは、私ともうひとりの2名で立ち上げた企業です。私たちは元々、大手リフォーム会社で営業マンとして働いていました。家づくりが本当に好きで住宅リフォーム業界に入り、入社2年目にはそれぞれ営業所長に昇進できました。
しかし、ある時から自分たちの仕事に疑問を抱くようになりました。例えば広告費や人件費を回収するため、かなりの金額を上乗せした見積書をお客様にお渡しすること。営業所長であるのに自分自身の知識・経験不足で、お客様や下請けの工事店さんに多大な迷惑をかけること。またコストカットや利益上乗せなどの実情を純粋で希望にあふれる新入社員に教えるのも苦痛でなりませんでした。
「やりたかったリフォームやリノベーションは本当にこれなのか?」
悩むうちに、仕事に対して「人の役に立っている」という自信と誇りすら持てなくなった私たち。「このままでは自分たちの仕事で誰も幸せになれない」と眠れない日々が続きました。
お客様のと工事店の双方が
満足と利益を得られるリフォームを
最良のリフォームとは何だろうか?
仕事を終えた後、私たちは毎日のように深夜まで語り合いました。そして辿り着いた答えは、「お客様には“最少の費用”で“最大の満足”を得てほしい」「工事店には温かい気持ちで質の高い工事をしてほしい」というものでした。これが、現在の優良工事店ネットワークのシステムの基盤です。
消費者と優良な工事店を直接結びつけることで中間マージンがなくなれば、消費者の負担が軽減され、工事店も仕事に見合った適正な利益を確保できます。リフォーム会社からのコストカットの締め付けがなければ、手抜き工事もなくなり、結果的に工事のクオリティが向上します。本当に必要な消費者と工事店の利益が両立できるのです。
「この仕組みであれば、今のリフォーム・リノベーション環境を改善できるかもしれない」「外壁塗装ももっと低価格でできるかもしれない」。確信はなかったものの、この瞬間、私たちの中に明確な社会的使命が生まれました。
開業から2カ月
困難な船出が続きました
しかし、会社に在籍しながらの実現はできません。使命感だけを頼りに退職を決意。安定した職業を捨て、苦渋の選択で辞表を書きました。
退職した翌日。安アパートの一室に事務所をかまえた私たち。早速、腕が良い外壁塗装の職人や工事店を訪問し、事業への参加を呼びかけました。しかし、行く先々で聞かされる返事は「下請け専門の私たちが君たちと一緒に出過ぎた真似をしたら、上から睨まれるよ……」。元請け・下請けという建築業界独特の慣習と構造が足かせとなっていたのです。
また、私たちが掲げた「リフォーム・リノベーションをしたお客様からの評価によって、工事店の紹介順位を決定する」という大原則も工事店にとっては相当の自信と覚悟が必要だったようです。お客様に安心していただくための譲れないルールが裏目にでたのです。
その後、2か月たっても参加してくれる工事店はゼロのまま。「想いは必ず伝わる」と頑張ってきましたが、収入もなく貯金も底をつきかけ、精神的にも限界が近づいてきました。
5軒の工務店の参加で
やっと走り出した私たち
訪問先も無くなりアパートの一室で今後のことを話し合っていると、一本の電話が鳴りました。以前、訪問した工務店の社⻑さんからです。すると「利益を何重にも上乗せする今のリフォーム業界はやっぱり異常だと思う。それに君たちが言うとおり、我々工務店の評価はお客様が決めるものだ。やっと元請けに転身する踏ん切りがついたよ。私にできることがあればぜひ、力になりたい!」。 遂に想いが届いた…。私たちはふたりで飛び上がって喜びました。
この社⻑さんはその後すぐ、知り合いの工務店を紹介して下さり、4社が新たに参加を決定してくれました。それにしても「実績」とは不思議なものです。この5社の参加をきっかけに参加希望の工事店が増え続け、今までの苦労が嘘のように。私たちが蒔き続けた種がようやく芽吹き始めたのです。そして小さな芽が段々と成⻑し、しっかりと根を張っていく。そんな予感に私たちは胸を熱くしました。
優良工事店ネットワークは
福岡から全国へ
これが、優良工事店ネットワークが誕生した当時のお話です。私たちの社会的使命は今も昔も変わらず、お客様と工事店に不利益が生じるリフォーム環境を、両者直接の取引によって改善し、双方の利益を実現することです。
優良工事店ネットワークは2004年の開業依頼、お客様からは非常に高い評価をいただき、職人さんや工事店からも大変喜ばれています。今、「優良工事店ネットワークを立ち上げて本当に良かった」と心の底から思える環境を構築できました。「下請けから元請けに転身して活躍する工務店の増加」は業界内でも話題で、ひとつの時流として注目されています。
福岡県から始まった私たちの小さな取り組みは全国へと広がり、活動エリアも着実に拡大しています。これからも初心を忘れず、「リフォーム環境の改善推進」を合言葉に、私たちにしかできない価値ある活動を通じて社会に貢献し続けていく所存です。