マイホームを新築後、駐車場や門扉を設置し、庭木を植える外構工事を行います。10数年経過すると門扉が劣化して動かなくなったり、庭木が大きくなるなど、定期的な剪定やメンテナンスだけでは追い付かず、外構リフォーム工事が必要になります。ここでは、外構リフォームの基礎知識、費用や相場、施工事例、業者選びのポイントをご紹介します。
この記事の目次
外構リフォームの基礎知識
外構は、門扉や生け垣、塀、カーポートやテラス、フェンスなど家のまわりにある構造物のことです。庭や駐車場、玄関までのアプローチなども外構と呼ばれることがあります。
外構とエクステリアの違い
エクステリアは、家の中にあるソファや家具などを表すインテリアの対義語で、家の外にある物置やウッドデッキの他、ガーデニング用の設備建材、外まわりの空間全体をエクステリアと呼んでいます。
外構は建物まわりの構造物で、エクステリアは建物まわりの構造物や空間、環境のことなので、大きな違いはありません。
外構リフォームのポイントと費用相場
室内のリフォームや外壁塗装に比べると外構リフォームは後回しにすることが多いのが現状です。しかし、門扉や庭をリニューアルするだけで住まいの印象が大きく変わります。家に帰ったときはもちろん、リビングや和室など室内から眺める風景が心地よく、疲れを癒す空間であれば最高です。ここでは外構リフォームで気をつけたいポイントを解説します。
外構リフォームは快適、安全、防犯の3つで考える
外構リフォームは、快適性、安全性、防犯性を高めるために行う工事です。
住環境を快適に
日々部屋の掃除はもちろん、玄関までは掃除されると思いますが、庭の掃除やお手入れはおろそかになりがちです。不用品置き場になることもしばしば。使わなくなったものを処分し、庭をキレイにすると住環境が快適になります。また、庭に四季の変化を楽しむ木々を植えると、季節ごとに違う姿を鑑賞できます。住環境を整えることでストレスが減り、快適な暮らしをつくることができます。
安全について
住環境の安全性についても考えましょう。小さなお子様がいらっしゃる場合、玄関から急に飛び出して道に出てしまう可能性を考え、門扉を設置します。ご年配の方と同居の場合は、道路から玄関までスムーズに歩くために手すりを付けたり、スロープを設置したりします。また、古いブロック塀は倒れる危険性が高いため、軽量の目隠しフェンスなどへリフォームがオススメです。
防犯について
空き巣被害に合わないために、庭木や雑草、庭の手入れをしていても死角のある庭は狙われやすくなります。防犯砂利を敷き詰めたり、人感センサー付きライトや防犯カメラの導入の他、外からの視線を遮らないデザインのフェンスを付けるなど対策をオススメします。
外構リフォームの費用相場と工事日数
外構リフォームは、タイルを1枚張り替える小さな工事から庭を駐車場へ改修など大規模な工事まで様々です。また、外構工事は、天気に左右されることが多く、工事日数中に雨が降ると工事がストップしてしまうことも多々あります。ここでは外構リフォームの相場と工事日数の目安を解説します。
施工別の早見表
施工内容 | 費用相場 | 工事日数 |
---|---|---|
玄関までのアプローチ・階段リフォーム | 18~60万円 | 1週間~2週間 |
門扉と門柱のリフォーム | 12~45万円 | 1日~6日 |
手すり取付・スロープ工事 | 8~50万円 | 1~4日 |
ブロック塀リフォーム | 20~30万円 | 5日~1週間 |
フェンス設置工事 | 30~60万円 | 5日~1週間 |
ウッドデッキリフォーム | 30~50万円 | 4~5日 |
玄関までのアプローチ・階段リフォーム
外構リフォームの中で最も優先順位の高い工事がアプローチリフォームです。アプローチは毎日使う場所です。全面道路から玄関までのアプローチに高低差がある場合は、階段を設け、高低差が無い場合はスロープを設けています。アプローチは、タイルや自然石を張ったり、コンクリート打ちや洗い出しなどで仕上げます。アプローチに使われる素材は多種多様でデザインも様々です。見た目のデザインも重要ですが、安全性やメンテナンスについても考えながらプランを決めましょう。
門扉と門柱のリフォーム
門扉は、片開きと両開きのタイプ、最近は引戸タイプが人気です。駐車スペースには、伸縮するアコーディオンの他、跳ね上げ式の門扉もあります。門柱は、コンクリートブロックで作られたものからタイル仕上げのもの、左官仕上げや表札やポスト、インターホン、照明から宅配ボックスまで多機能な門柱もあります。
アルミ製の門扉交換であれば1日でリフォームできますが、門柱は解体から基礎部分を作り、ブロックなど門柱の下地になる部分や仕上材を張るための準備などが必要です。モルタルが乾くまでに時間が掛かるため、完成までには日数が必要です。
手すり取付・スロープ工事
ご高齢の方と同居の場合は、玄関までスムーズに歩けるように手すりを取り付け、階段など段差がある場合は滑りにくい素材に変えたり、車いすを利用される場合はスロープへリフォームします。手すりや段差解消といったバリアフリーリフォームは介護保険制度で補助金が利用できます。
ブロック塀リフォーム
これまでは道路やお隣との間にブロック塀で仕上げることが一般的でした。しかしブロック塀は、経年劣化によって新築時よりも強度が弱くなり、大規模な地震が発生した場合は倒壊する恐れがあります。ブロック塀が傾いたり、ひび割れを発見したら早めにリフォームしましょう。ブロック塀の撤去に補助金の補助を設けている自治体がありますので自宅のリフォームが適用になるか?役所に問い合わせてみましょう。ブロック塀のリフォームは、軽量な目隠しフェンスがオススメです。
フェンス設置工事
フェンスは、外部からの侵入や目隠しのために設置します。フェンスは、アルミで形成されたものからスチール、人工木や樹脂でできたもの、洋風な鋳物まで様々な種類があります。フェンスは風の影響を受けやすいため、フェンス本体の高さが制限されています。高さが足りない場合は、地面からコンクリートブロックを積み、その上にフェンスを設置します。
ウッドデッキリフォーム
戸建て住宅の外構リフォームで人気なのがウッドデッキの設置です。ウッドデッキは、リビングや居間など室内と庭をつなぐくつろぎスペースとして使われています。ウッドデッキの素材は、天然木と樹脂製の人工木があります。天然木は、防腐剤など定期的なメンテナンスが必要ですが、人工木は清掃以外のメンテナンスは不要です。
予算別外構リフォームの施工事例
10万円以下の外構リフォーム
10万円以下の外構リフォームの事例を写真付きで紹介します。カーポート屋根の張り替えや門扉の交換など外構リフォームの中でも比較的小規模なリフォームの部類になります。
カーポートの屋根は、一般的にポリカーボネートや塩化ビニールの波板などプラスチックの素材が張られています。塩化ビニールの波板は、コストが安く加工しやすいのが特徴ですが耐用年数が3年~5年と短いため、最近のカーポート屋根はポリカーボネート製が多くなりました。
ポリカーボネートの屋根は、弾力があり衝撃にも強く耐用年数は10年~15年と言われていますが、台風や災害などで割れてしまえば張り替えが必要です。ポリカーボネートには、太陽熱を反射、吸収してくれるものもあります。
入口の伸縮門扉を取替た事例です。伸縮門扉は、アコーディオンのように折りたためることができます。伸縮ゲートは、自家用車の出入口に設置されることが多く、キャスターが付いたものからレール付のものがあります。幅の狭いタイプは、片側におさまるタイプですが、幅広のものは両側におさまるタイプのため高額になります。
門柱に埋め込まれたポストを交換した施工事例です。埋め込みポストは、郵便物や新聞の投函口だけを表側に出すものと、ボックス本体が見えるタイプがあります。埋め込みポストは、まわりの塀やブロックはそのままで、本体のみ交換できます。
門柱は太陽光と雨風が直接あたり、道路や地面からの跳ね返りによって塗装が剥がれやすく、コケや雨だれが発生しやすい環境のため、定期的なメンテナンスが必要です。門柱の塗り替えは、高圧洗浄で汚れやカビなどを落とし、ひび割れがあれば補修工事を行います。塗装しない部分を保護するために養生を行い、塗装で仕上げます。
10万円~25万円の外構リフォーム
10万円~25万円の外構リフォームは、玄関までのアプローチ階段のリフォームや、門柱の袖壁改修、バルコニーの交換など様々です。外構工事の事例を写真付きでご紹介します。
古くなった和風の袖壁と埋め込みポストを取り替えた事例です。笠木瓦と塗り壁の和風の雰囲気から石張のシンプルなデザインになりました。自然石であれば、塗り替え不要でメンテナンスが楽になります。
道路から門扉までのアプローチ階段をリフォームした事例です。元々は100角のタイル貼りでしたが、段鼻にレンガを設け、蹴上や踏面はモルタル金ゴテ仕上げに一新。レンガ色とモルタル色がはっきりと区別できるので安全性が向上しています。
両開きの門扉を交換した施工事例です。毎日開閉する門扉は、使っているうちに根元の丁番が劣化し、調整してもきちんと閉まらなくなります。門扉の丁番が門柱に埋め込まれていた場合は、内側に新たに門柱を立てて扉を取り付けます。門扉に使われる素材はアルミ、ステンレスの他、人工木など種類が多く、デザインも多種多様です。耐久性や家の外観とのバランスを考えながら決めましょう。
戸建て住宅の木製バルコニーを撤去し、アルミ製の後付けバルコニーへリフォームした事例です。木製のバルコニーは、定期的に防腐剤などのメンテナンスが必要ですが、アルミ製のバルコニーはメンテナンスフリーです。バルコニーには屋根テラスを追加し、雨が降っても洗濯物が干せるようになりました。
25万円~50万円の外構リフォーム
25万円~50万円の外構リフォームは、目隠しフェンスの交換、カーポートを取り替えた事例を紹介します。
リビングの正面にあった竹垣目隠しフェンスを人工木の目隠しフェンスへリフォームした事例です。和風住宅にぴったりな竹垣は風情がありますが、年数が経つと雨や紫外線によって劣化し、どうしても見た目が悪くなってしまいます。木粉を配合した人工木は、色変わりが少なく、耐久性に優れています。洋風、和風の住宅にも合う素材です。
風雪被害でカーポートが壊れてしまったカーポートを交換した事例です。大雪によって被害を受けた場合、加入している火災保険を使ってカーポートの修理ができる可能性があります。まずは被害を受けた箇所を写真に撮り、火災保険の契約内容を確認しましょう。
50万円~100万円の外構リフォーム
50万円~100万円の外構リフォームは、玄関ポーチと門扉の交換、外階段の交換など複合的なリフォーム事例です。
駐車場の伸縮門扉と玄関までのアプローチタイルの張り替え、門柱と門扉の交換リフォームの事例です。カーゲートと門柱、片開きの門扉のカラーを落ち着いたシルバーグレーへ統一。コンクリートブロック製の門柱は、多機能な門柱へリフォームしました。多機能門柱は、表札やインターホンの他、ポストや照明などが付いた便利な商品です。
門柱と門扉のデザインに合わせアプローチをリニューアルした事例です。元々はコンクリートブロック製だった門柱を解体し、アンティークなレンガで仕上げました。門扉に付いていたポストは、門柱に埋め込み、両開きだった門扉を使い勝手の良い親子タイプへ取り替えています。玄関までの床と袖壁も統一感のあるカラーでコーディネートされています。
100万円の外構リフォーム
100万円を超える外構リフォームの事例をまとめています。大掛かりなリフォームは仕上がるまでに時間が掛かりますが、見違えるほどに快適になります。
洋風住宅の庭をオープンガーデンにリニューアルした施工事例です。元々出窓だった部分を解体し、開放感のある全開口の折りたたみ窓へリフォームし、テラス屋根とウッドデッキを新設しています。リビングから直接庭に出られるようになって便利になりました。
玄関アプローチを全面リフォームした事例です。塗り壁仕上げの塀は、年月が経つと黒い筋や汚れが目立ってしまうので撤去しました。
これまでは駐車場から一度道路に出てアプローチ階段に向かっていましたが、塀を撤去したことで、駐車場から直接玄関まで向かうことができるようになりました。死角が無くなり、オープンなアプローチになっています。
リビングの前にあった植栽を撤去し、外部からの視線を遮るために目隠しフェンスを設置することでプライバシーを守っています。袖壁と階段の蹴上部分のアンティークなレンガの雰囲気に合う門扉がアクセントになっています。
ブロック塀と門扉を解体し、駐車場を増設した事例です。駐車場にはアルミ製のカーポートを設け、道路との境界には、埋め込み式のチェーンポールを設置しています。駐車場の土間はコンクリート金ゴテで仕上げ、玄関までのアプローチは、インターロッキングを敷き詰めています。
外構リフォームの費用を抑える方法
外構リフォームすると10数年以上使い続けることがほとんどです。折角お金をかけてリフォームしたはずが使い勝手が悪くなってしまっては無駄になってしまいます。同じリフォーム内容でも工夫をすればリフォーム費用を節約できます。ここでは、外構リフォームの費用を抑える方法をまとめています。
優先順位を考え商品や素材を決める
アンティークな素材や、機能が充実したエクステリア商品は、定価が高く、特殊なサイズオーダー品は、さらに高額になります。外構リフォームの費用を抑えるには、同等品で安いものがないか?調べてみましょう。当初の予算をオーバーした場合は、リフォームの優先順位を家族でしっかり考えプランを決めましょう。プロにコスト削減のアドバイスを相談も有効なテクニックです。
自宅の外構をDIYで節約
近年、外構リフォームで使われる商品が近くのホームセンターで買えるようになりました。デザインや種類も豊富で、YouTubeで勉強し、DIYでリフォームされる方が増えています。必要な道具と商品を揃え、時間をかければ花壇やガーデニング、アプローチにレンガやタイルを貼ることは可能です。カーポートやフェンスなどは安全性を考えるとプロに依頼することをオススメします。
外構リフォームの業者選びのポイント
外構リフォームの依頼先は、家を建てたハウスメーカーや工務店、地元のリフォーム会社など様々です。外構のリフォームで失敗しないためには業者選びが重要になります。ここでは、外構のリフォームの業者選びのポイントをまとめています。
外構リフォームの実績豊富な会社へ依頼する
外構リフォームは、数ある素材の中から自宅に合うカラーやデザインをまとめ、仕上げる工事です。外構リフォームの中でも、カーポートやテラスが得意な業者や、ガーデニングや庭関係に強い業者もいます。ホームページで自分好みのリフォーム事例を集めながら外構リフォームの実績が豊富な工務店やリフォーム会社へ依頼しましょう。
担当者の対応が丁寧でわかりやすいか?
信頼できる担当者は誠実で説明もわかりやすいのが特徴です。数ある商品の中からお客様の立場で使い勝手を考えながら提案してくれます。見積書、契約内容、工事の流れや、保証についてもわかりやすく説明してくれます。
工事後のアフターフォローや保証が充実しているか
リフォーム後、しばらく快適に使えていても、年数が経過すると不具合が出てくることがあります。メンテナンスの方法がわからなくなったときに、相談できるリフォーム会社がオススメです。地元の工務店やリフォーム会社であれば小回りがきいて安心です。
まとめ
外構リフォームのポイントや施工事例を元に費用相場、リフォーム業者選びについて紹介しました。外構リフォームで失敗しないためには、信頼できる工務店やリフォーム会社に依頼することが最も重要です。
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