洗面所は、家族全員が毎日必ず使う場所です。洗面化粧台で水を頻繁に使ったり、風呂上りの湿気や水気が溜まりやすいため、キッチンやトイレなどの水まわりよりも劣化が早い傾向です。
劣化を放置しておくと、壁や床の下地が傷んで大がかりなリフォームが必要になる可能性があります。ここでは、洗面所リフォーム工事の費用や相場、工事日数、費用別の施工事例、業者選びのポイントをご紹介します。
洗面所リフォームの費用相場と工事日数
洗面所リフォームは、洗面化粧台の取替、壁や床の張替え、収納、暖房機の設置、断熱工事、まるごとリフォームなど様々です。リフォーム費用の相場と工事日数の目安を一覧にしています。ここで紹介する金額や工事日数はあくまで一般的な目安です。実際にリフォームする費用や工事日数は、お住まいの状況によって異なります。
施工別の早見表
施工内容 | 費用相場 | 工事日数 |
---|---|---|
洗面化粧台取替 | 7~30万円 | 半日~2日 |
洗面所の床貼り替え | 3~6万円 | 1~2日 |
洗面所の壁紙貼り替え | 3~5万円 | 1~2日 |
洗面所暖房機の設置 | 7~20万円 | 1日 |
洗面所収納の設置 | 4~12万円 | 半日~2日 |
洗面所まるごとリフォーム | 30~60万円 | 2~5日 |
洗面所スペースを拡張 | 50~200万円 | 5~10日 |
ここからは、各洗面所リフォームのポイントを解説します。
洗面化粧台取替
洗面化粧台は、一般的に洗面ボウルと水栓、収納ボックスが一体になった下台と、鏡と棚と照明器具が一体になったミラーキャビネットで構成されています。洗面化粧台を取り替えるには、既存の洗面化粧台を外し、新しい洗面化粧台を設置します。元々の水やお湯、排水管の位置が変わっている場合は、新しい洗面化粧台に合わせて移動が必要です。
最新の洗面化粧台は、洗面ボウルが広く、凸凹が少ない形状です。汚れにくい上に、使い勝手が良くお掃除が簡単です。環境に配慮した節水型のシャワー水栓、収納が充実したタイプも多くあります。
洗面所に余裕があれば、収納たっぷりな大きなサイズの洗面化粧台にリフォームが可能です。デザイン性の高いこだわりの洗面ボウルやカウンターへリフォームもできます。
洗面室は脱衣室を兼ねていることが多く、タオルや化粧品、歯ブラシや洗剤など、様々な日用品のストックが必要な場所です。家族構成やペットに合わせて自宅にピッタリな洗面化粧台を選びましょう。洗面台リフォームの際、不用品を処分しても良いでしょう。
洗面所の床貼り替え
洗面所の床は、風呂上りの水滴や湯気によって常に湿度が高い状態です。お手入れしていても気付かないうちに下地材が傷んでしまうケースも多くあります。床材がめくれたり、ブカブカしてきたら張り替えをオススメします。
床を貼り替えるには、古くなった床材を剥がしたり解体し、新しい床材を張ります。床材の下地板や根太が悪くなっていたら、新品に交換します。既存の洗面化粧台がまだ使える場合は、一度外し、床材を貼り替えた後に復旧します。
洗面脱衣室に使われる床材は、クッションフロア(CFシート)やフローリング、タイルやコルク床など様々です。床材は水に強く滑りにくい素材がオススメです。
洗面所の壁紙貼り替え
洗面所の壁は、洗面化粧台から水が跳ねたり、浴室からの湿気によってカビが生えやすい環境です。防水性が高いビニールクロスを貼っていても他の部屋に比べ継ぎ目がめくれやすくなります。壁紙を貼り替えるなら、汚れに強く、抗菌加工された壁紙がオススメです。
壁紙をリフォームするには、古くなったクロスを剥がし、クロスの下地を調整し、新しい壁紙を貼ります。洗面化粧台や洗濯機がある場合は、一旦外し、クロスを貼り替えた後に復旧します。
防水性の高い耐水クロスの他、よく水が跳ねる洗面化粧台の横壁にパネルを張ると耐久性が向上し、メンテナンスが楽です。壁紙を貼り替えるときは天井のクロスも一緒に貼り替えをオススメします。
洗面所暖房機の設置
洗面所は、家の北側に配置されていることが多く、日当たりが悪く寒さを感じやすい場所です。
リビングは暖かいのに、寒さを我慢しながら洗顔や化粧など身支度をするのは億劫になってしまいます。急激な温度変化により血圧が上下し、心臓や血管の病気を引き起こすヒートショックなどの健康被害も発生します。
洗面所の壁や天井に暖房機を設置すれば快適です。暖房機はガスでお湯を沸かして温風を出すタイプ、遠赤外線、温風を出す電気式などがあります。パネルヒーターや据え置き型の暖房器具は家電量販店で買うことができますが、壁に取り付けるタイプ、天井埋め込み型の暖房機であれば洗面脱衣室がスッキリします。
洗面所収納の設置
洗面所は、タオルや化粧品、歯ブラシや洗剤など、様々な日用品のストックが必要な場所です。洗面化粧台の収納スペースだけでは不足しがちです。洗面化粧台や洗濯機の上に収納棚や吊戸棚を付けると買い置きした日用品を収納できます。吊戸棚を取り付けるには、棚を固定する壁に下地があるか確認が必要です。
洗面脱衣室の床に床下収納庫を作ると点検口にもなり便利ですが、湿気がこもりやすい場所ですので、ストックするものが限られます。
洗面所収納リフォームの前に、洗面所にある日用品を全て出して、分別し、使っていない備品は思い切って処分されることをオススメします。
洗面所まるごとリフォーム
洗面所をまるごとリフォームするには、ある程度費用が掛かりますが、リフォーム後は快適な空間になります。洗面化粧台の交換、床や壁、天井の張り替えるだけでもキレイになりますが、断熱や収納、換気や配管のリフォームも検討されることをオススメします。
築30年以上経過すると、お風呂からの湯気、洗面台の水はねによって湿気が下地にまわり、床がブカブカしたり、壁紙の裏側が黒ずんできます。床材やクロスの下地板はもちろん、水やお湯の配管、排水管も劣化します。知らないうちに水漏れが発生したり、配管が割れて床下に溜まったりすることもあります。
古い家は、壁や床下に断熱材が無い家が多く、窓ガラスも断熱性能が低い単板ガラスがほとんどです。洗面脱衣室をまるごとリフォームするときは、予算があれば断熱材を入れたり、内窓やペアガラスなど断熱性能を高めると快適になります。
洗面所スペースを拡張
洗面所は家の北側に配置されることが多く、古い家ほど狭くスペース不足になることがあります。洗面所に隣接する部屋や収納を解体、もしくは増築が可能であれば洗面所スペースを拡張することができます。
洗面脱衣室と隣の部屋の間には、柱や筋交いなど家の重要な構造材が入っていることがありますので、解体しても問題ないか?素人では判断が難しいので建築のプロに確認してもらいましょう。
洗面台や洗濯機、収納、家事スペースを確保しつつ、生活動線も考えながら間取りを決め、リフォームすると快適な空間になります。
洗面所リフォームで失敗しないポイント
一度洗面所をリフォームすると10年以上使い続けることがほとんどです。折角お金をかけてリフォームしたはずが使い勝手が悪くなってしまっては無駄になってしまいます。ここでは、洗面所リフォームで失敗しないポイントをまとめています。
洗面所の不満点を洗い出す
毎日使う洗面所を快適にするには、見積依頼の前に現在の不満点、改善したい点を洗い出し、まとめましょう。パートナーや家族にも聞いておくと参考になります。
リフォームの優先順位を決める
不満点や改善したいことを一覧にすると本当にしたいリフォームが見える化できます。一覧の中からリフォームの優先順位を決めますが「費用がどれだけ必要か?」わからない場合は、建築のプロに見積りを依頼しましょう。洗面所のリフォーム経験が豊富な担当者であれば、的確なアドバイスや提案を頂けるはずです。
イメージできなければ実物を触って確認する
見積りや、メーカーのカタログだけではリフォーム後のイメージを掴むことは難しいので、近くに洗面化粧台が触れるショールームがあれば実物を確認しましょう。床材、壁材なども実物と同じ素材で作られたサンプル帳で確認しましょう。耐久性や、お手入れ方法についても確認しましょう。
予算別洗面所リフォームの施工事例
洗面所リフォームの事例を予算別に紹介します。工事日数や施工前と施工後の写真付きです。
ご自宅の洗面所リフォームの前に参考にしてください。
10万円以下の洗面所リフォーム
10万円以下の洗面所リフォーム事例を一覧にしています。リーズナブルな洗面化粧台の取替え、収納の設置、壁と床の貼り替え工事であれば10万円以下でリフォームが可能です。
リーズナブルな洗面化粧台の取替事例です。コンパクトなミラーと収納の無い洗面器でしたが、大きなミラーと収納付の洗面化粧台へ取替えました。これまで床に置いていた日用品もスッキリ収納できます。
洗濯機の上に収納を設置したリフォーム事例です。これまでは市販品の棚を取り付けていましたが、使い勝手の良い可動棚に取り替えました。洗濯機の上の空間を有効活用できました。
洗面脱衣室の壁クロスと床クッションフロアを貼り替えたリフォーム事例です。壁紙をホワイト系に変えたことで室内がとても明るくなりました。クッションフロアは、耐水性に優れ、メンテナンスも簡単なので洗面室の床にはよく使われる素材です。
10万円~30万円の洗面所リフォーム
10万円~30万円の洗面所リフォーム事例を一覧にしています。スタンダードクラスの洗面化粧台の取替え、壁紙と床の貼り替えと洗面化粧台の取替えた事例を紹介します。
スタンダードクラスの洗面化粧台のリフォーム事例です。リフォーム前に比べ洗面ボウルが大きくフラットになり、シャワーホースも隠れるデザインで使い勝手が格段に向上しました。1面鏡だったミラーを収納付の3面鏡タイプに取替えています。
洗面脱衣室の壁クロスと床を貼り替え、洗面化粧台を取り替えたリフォーム事例です。陶器の洗面ボウルから洗面カウンターと洗面ボウルが一体になったことで継ぎ目が無くなりお手入れが楽になりました。洗面化粧台と洗濯機の間にはトールタイプの大容量の収納を設置しています。
30万円~50万円の洗面所リフォーム
30万円~50万円の洗面所リフォーム事例を紹介します。ハイグレードクラスの洗面化粧台を取替えた施工事例です。
間口の広いカウンタータイプの洗面化粧台をリフォームした事例です。リフォーム前よりも幅は狭くなりましたが、トール型の収納に加え、ミラーの裏側や、洗面カウンター下にも大容量の収納が付いたため、収納力はアップしています。洗面化粧台と収納の扉をシックなカラーを選ばれたので、全体的に落ち着きのある雰囲気になりました。
50万円以上の洗面所リフォーム
50万円を超える洗面所リフォームの事例を紹介します。
洗面化粧台、床、壁、天井を解体撤去し、断熱材を敷き込み、壁紙や床材を全面リフォームしました。古くなった給水や給湯配管、排水管もリニューアル。一般的な間口75cmの洗面化粧台と大容量の収納を設置しています。壁紙も洗面化粧台も白で統一しているため、とても明るくなりました。
洗面所リフォームの費用を抑える方法
一度洗面所をリフォームすると10年以上使い続けることがほとんどです。折角お金をかけてリフォームしたはずが使い勝手が悪くなってしまっては無駄になってしまいます。ここでは、洗面所リフォームの費用を抑える方法をまとめています。
洗面化粧台や内装を比較検討する
洗面室のリフォームの中で最も金額を締めるのが洗面台です。キレイな扉やこだわりのデザイン、機能が充実した洗面化粧台は定価が高くなります。高級グレード品になると割引率も低くなります。リフォーム費用を抑えるには、商品のグレードを下げたり、他メーカーで同等品を探したりしながら比較検討してみてください。
壁や天井もまとめてリフォームする
洗面化粧台の取替え、壁や天井の貼り替えなどを別々に行うと割高になります。リフォーム費用を抑えるには、洗面化粧台の取替と壁紙や天井、床材をまとめてリフォームするとトータルコストが安くなります。
定期的に点検する
洗面所は、毎日使う場所です。洗面化粧台で水を頻繁に使い、風呂上りの湿気や水気が溜まりやすいため、キッチンやトイレなどの水まわりよりも劣化が早い傾向です。劣化を放置しておくと、壁や床の下地が傷んで大がかりなリフォームが必要になります。水やお湯の配管から水漏れがないか?排水管から漏水がないか?定期的に点検しましょう。
洗面所リフォームの業者選びのポイント
洗面所リフォームの依頼先は、家を建てたハウスメーカーや工務店、地元のリフォーム会社、最近では家電量販店やホームセンターなど様々です。洗面所のリフォームで失敗しないためには業者選びが重要になります。ここでは、洗面所のリフォームの業者選びのポイントをまとめています。
実積豊富なリフォーム会社を選ぶ
洗面所のリフォーム実績が豊富な業者であれば、プロとして的確なアドバイスや提案をしてくれます。見積り依頼の際は、過去の施工実績をホームページや担当者に聞いて確認しましょう。
担当者の対応が丁寧でわかりやすいか?
信頼できる担当者は誠実で説明もわかりやすいのが特徴です。数ある商品の中からお客様の立場で使い勝手を考えながら提案してくれます。見積書、契約内容、工事の流れや、保証についてもわかりやすく説明してくれます。
工事後のアフターフォローや保証が充実しているか
洗面台のリフォーム後、しばらく快適に使えていても、年数が経過すると不具合が出てくることがあります。また、操作方法や、メンテナンス方法がわからなくなったときに、相談できるリフォーム会社がオススメです。地元の工務店やリフォーム会社であれば小回りがきいて安心です。
まとめ
洗面所リフォームのポイントや施工事例を元に費用相場、リフォーム業者選びについて紹介しました。洗面脱衣室は、家族全員が毎日必ず使う重要な部屋です。洗面所リフォームで失敗しないためには、信頼できる工務店やリフォーム会社に依頼することが最も重要です。
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