【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
子どもが独立したり、退職して家で過ごす時間が増えたりすると、夫婦2人の暮らし方も少しずつ変わってきます。
これまでは仕事などで、それぞれ別の場所で過ごす時間が長かったのに、退職後は一日を通して同じ家にいることも増えてきます。
コロナ禍でも、在宅勤務などによって夫婦が一緒に家で過ごす時間が増え、「コロナ離婚」という言葉まで話題になりました。
もちろん、一緒にいる時間が増えたからといって、夫婦仲が悪くなるわけではありません。
ただ、どれだけ仲の良い夫婦でも、自分一人で過ごせる「居場所」があることは大切です。
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社選びや、お客様からの住まいに関するご相談に携わってきました。
その中でも、子どもの独立や退職などをきっかけに、「これから夫婦2人でどう暮らすか」を考え始める方は少なくありません。
- テレビを見たい
- 本を読みたい
- パソコンを使いたい
- 趣味に集中したい
そんなとき、自分だけで落ち着いて過ごせる場所があると、夫婦2人の暮らしはずっと心地よくなります。
退職後こそ、夫婦それぞれに「自分の居場所」を
退職後は、夫婦が家の中で一緒に過ごす時間が長くなります。
すると、これまであまり気にならなかった、
- テレビや音楽の音
- 電話やオンライン通話
- 読書や昼寝の時間
- 趣味の違い
- 冷暖房の好み
などが、少し気になることもあります。
これは夫婦仲の問題というより、それぞれに自分の時間を過ごせる場所があるかどうかという問題です。
リビングやダイニングなど、夫婦で一緒に過ごす場所とは別に、少し一人になれる場所がある。
それだけでも、家での過ごしやすさは大きく変わります。
夫婦それぞれに個室は必要?3帖ほどの「自分の居場所」でも十分
「夫婦それぞれに部屋をつくる」と聞くと、6帖ほどの個室を一人一部屋用意するような、大掛かりなリフォームを想像するかもしれません。
しかし、自分の居場所として考えるなら、必ずしもそこまで広い部屋は必要ありません。
3帖ほどのスペースがあれば、机と椅子、本棚などを置いて、自分の時間を過ごす場所をつくることができます。
たとえば、
- 読書をする
- パソコンを使う
- 趣味を楽しむ
- 音楽を聴く
- 一人でゆっくりお茶を飲む
といった使い方なら、大きな部屋でなくても十分です。
また、必ずしも壁とドアで囲った「個室」にする必要もありません。
ドアを設けず、壁や家具などでゆるく仕切るだけでも、自分の居場所はつくれます。
大切なのは部屋の広さや形ではなく、「ここは自分の場所」と思える空間があることです。
70㎡ほどの2LDKマンションでも、もう一つ居場所をつくれることがあります
「うちはマンションだから、これ以上部屋は増やせない」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、たとえば70㎡ほどの2LDKマンションでも、現在の間取りによっては、LDKや既存の居室を見直して、3帖ほどの小さなスペースをもう一つつくれることがあります。
完全な個室が必要でなければ、LDKの一角などを仕切って、自分専用の場所にする方法もあります。
つまり、
「2LDKだから2部屋しかつくれない」
と考える必要はありません。
6帖の部屋をもう一つ増やすのは難しくても、3帖ほどの小さな個室や、ゆるく仕切ったスペースであれば、間取りの工夫でつくれる場合があります。
もちろん、窓の位置や換気、エアコン、マンションの構造などによって、できることは変わります。
だからこそ、「あと一部屋必要か」ではなく、
「これから夫婦2人で、家の中でどう過ごしたいか」
から考えてみることが大切です。
空いた子ども部屋や和室があれば、まず使い方を見直す
子どもが独立して部屋が空いているなら、そのまま「子ども部屋」として残しておく必要はありません。
夫の趣味部屋にしたり、妻の読書や手仕事の場所にしたり、夫婦それぞれの居場所として使うこともできます。
使わなくなった和室や納戸があれば、そこを小さな個人スペースに変える方法もあります。
大掛かりに間取りを変えなくても、今ある部屋の役割を変えるだけで、自分の居場所ができることもあります。
子どもがいた頃の家族構成に合わせた部屋の使い方を、そのまま続ける必要はありません。
夫婦2人の暮らしになったのであれば、家の使い方も今の生活に合わせて変えてよいのです。
「一緒に過ごす場所」と「自分の場所」の両方がある家へ
夫婦2人の家だからといって、すべての時間を同じ場所で過ごす必要はありません。
一緒に食事をしたり、テレビを見たりするリビングがある。
その一方で、それぞれが好きなことをして過ごせる自分の場所もある。
「一緒に過ごす場所」と「一人で過ごせる場所」の両方があることが、これからの夫婦2人暮らしには大切です。
リフォームというと、キッチンを新しくしたり、LDKを広くしたりすることに目が向きがちです。
しかし50代・60代からは、
「これから、この家でどんな時間を過ごしたいか」
というところから間取りを考えてみてもよいと思います。
その答えによっては、大きなリフォームをしなくても、小さな「自分の居場所」をつくるだけで、これからの暮らしがずっと心地よくなるかもしれません。
よくある質問
Q1.3帖ほどのスペースでも、落ち着ける居場所になりますか?
十分に考えられます。
机や椅子、本棚などを置ける3帖ほどの広さがあれば、読書やパソコン、趣味など、自分の時間を過ごすスペースとして使えます。
また、必ずしも壁とドアで完全に囲う必要はありません。
ドアを設けず、壁や家具などでゆるく仕切るだけでも、「自分の居場所」はつくれます。
限られた広さの中では、完全な個室を増やすことよりも、自分だけのスペースをどう確保するかという考え方も大切です。
Q2.小さな個室にもエアコンは必要ですか?
使い方や部屋の位置によって変わります。
長時間過ごす場所であれば、夏や冬の室温も考えておく必要があります。
一方、完全な個室にせず、隣の部屋とつながるようにつくれば、既存の空調を利用できる場合もあります。
部屋を仕切るときは、広さだけでなく、風の通り方や空調まで含めて考えることが大切です。
Q3.マンションで小さな個室やスペースを増やすときの注意点はありますか?
窓や換気、エアコンの位置、マンションの構造や管理規約などを確認する必要があります。
また、「一部屋増やすこと」だけを優先すると、リビングなどほかの場所が狭くなり、かえって暮らしにくくなることもあります。
家全体の広さの中で、共有する場所とそれぞれの居場所をどう配分するかを考えることが大切です。
まとめ
退職後は、夫婦で家にいる時間が増えるからこそ、それぞれが自分の時間を過ごせる「居場所」を持つことが大切です。
自分の居場所は、必ずしも6帖ほどの個室である必要はありません。
3帖ほどのスペースでも十分考えられますし、ドアを設けず、壁や家具でゆるく仕切る方法もあります。
70㎡ほどの2LDKマンションでも、今の間取りや部屋の使い方を見直せば、新しい居場所をつくれる場合があります。
これから夫婦2人で暮らしていくなら、
「何部屋あるか」ではなく、「一緒に過ごす場所」と「それぞれが自分の時間を過ごせる場所」があるか。
そんな視点から、これからの住まいを考えてみてはいかがでしょうか。
無料冊子をご希望の方へ
リフォームを考え始めた方に向けて、会社選びや見積りの見方など、失敗を防ぐために知っておきたいポイントを無料冊子「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行