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執筆:二級建築士 安藤勉
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50代・60代になると、夫婦2人暮らしの時間が長くなってきます。
その中で、
「今の家で老後も暮らせるだろうか」
と考える方も増えてきます。
ただ、住まいの将来を考えるときに見落としがちなのが、
夫婦は必ずしも同じように年齢を重ねるわけではない
ということです。
今は2人とも元気でも、
- どちらかが膝を痛める
- 病気で体力が落ちる
- 階段が負担になる
- 車の運転が難しくなる
といった変化が先に訪れることもあります。
そのため、夫婦2人暮らしの住まいは、「今の暮らしやすさ」だけでなく、「将来の変化への対応」も考えておくことが大切です。
夫婦の体力や健康状態は同じではない
夫婦は年齢が近いことが多いものの、体力や健康状態まで同じとは限りません。
例えば、
- 階段が気になり始める時期
- 足腰の状態
- 持病の有無
- 日常生活で感じる負担
は人によって異なります。
そのため、
「自分はまだ大丈夫だから」
ではなく、
「もしどちらかが少し不自由になったら」
という視点で住まいを見ることも大切です。
将来を考えたリフォームは、介護のためではなく、暮らしを続けやすくするための備えでもあります。
1階だけで生活できる準備はある?
将来を考えるうえで確認したいのが、1階だけで生活できる可能性です。
もちろん今すぐ生活スタイルを変える必要はありません。
ただ、
- 寝室として使える部屋があるか
- トイレが近いか
- 浴室へ移動しやすいか
を確認しておくことは大切です。
例えば、現在は寝室が2階でも、将来的に1階の和室や空き部屋を活用できるなら選択肢が広がります。
元気なうちから確認しておくことで、必要になったときも慌てずに対応しやすくなります。
一人でも家事を続けやすい家か考えてみる
夫婦で暮らしていると、家事を自然に分担していることがあります。
しかし将来、
どちらかの体力が低下すると、一方が家事を担う場面も出てきます。
そこで確認したいのが、
- 洗濯動線
- キッチンの使いやすさ
- 収納の位置
- 買い物後の片付け
などです。
例えば、
洗濯機は1階
↓
物干し場は2階
という間取りでは、一人で続けるのが大変になることがあります。
今の家事動線を見直しておくことは、将来の安心にもつながります。
階段は元気なうちに考えておきたい
夫婦2人暮らしの住宅で、最も相談が多いのが階段です。
今は何でもない階段でも、
- 洗濯物を持って移動する
- 掃除機を運ぶ
- 夜中にトイレへ行く
といった動作が負担になることがあります。
大切なのは、
「階段を使えなくなったらどうするか」
ではなく、
「階段に頼りすぎない暮らしができるか」
を考えることです。
生活の中心をまとめるだけでも、将来の負担を減らせる場合があります。
今の便利さより将来の使いやすさを考える
リフォームを考えるとき、
最新設備や見た目に目が向きがちです。
もちろん快適性も重要です。
しかし50代・60代からは、
- 移動しやすいか
- 家事を続けやすいか
- 掃除しやすいか
- 収納を使いやすいか
といった使いやすさも考えたいポイントです。
将来の暮らしやすさにつながる改善は、今の生活にとっても役立つことが少なくありません。
浴室やトイレも見直しておきたい
体力の変化が現れやすいのは、毎日使う水回りです。
例えば、
- 浴室の出入り
- 脱衣所の広さ
- トイレまでの距離
- 夜間の移動
などです。
現在は不便を感じていなくても、将来的には使いやすさの差が大きく表れることがあります。
そのため、浴室やトイレは老朽化だけでなく、使いやすさの視点でも確認しておきましょう。
夫婦で話し合っておきたいこと
住まいの将来は、一人では決められません。
だからこそ、
- 将来どこで寝るのか
- 何歳頃まで2階を使うのか
- 家事をどう分担するのか
- 車を使わなくなったらどうするのか
などを一度話してみることをおすすめします。
実際には、自分が思っている不安と、パートナーが感じている不安が違うこともあります。
リフォームの前に、お互いの考えを確認しておくことも大切です。
まとめ
夫婦2人暮らしの住まいを考えるときは、「今の暮らしやすさ」だけでなく、「将来の変化」も考えておくことが大切です。
夫婦は同じように年齢を重ねるとは限りません。
だからこそ、
- 一人でも家事を続けやすいか
- 1階だけで生活できるか
- 階段に頼りすぎていないか
- 浴室やトイレは使いやすいか
を確認しておきましょう。
大切なのは、特別な家をつくることではありません。
どちらかの体力や健康状態が変化しても、無理なく暮らし続けられる家を目指すことです。
元気な今だからこそ、これからの暮らしについて夫婦で話し合いながら、住まいを見直してみてはいかがでしょうか。
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