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執筆:二級建築士 安藤勉
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「転倒対策はまだ早い」
そう考えている50代・60代の方は少なくありません。
確かに、多くの方はまだ元気に生活されています。
しかし、家の中での転倒は、高齢になってから突然起きるものではありません。
実際には、
- 毎日通る場所
- 何度も繰り返す動作
- 小さな段差
などが積み重なり、思わぬつまずきにつながることがあります。
だからこそ大切なのは、「困ってから直す」のではなく、「元気なうちに確認しておく」ことです。
今回は、家の中で転びやすい場所や、50代・60代から始めたい住まいの安全対策について解説します。
家の中の転倒はどこで起きやすい?
家の中には、意外と転びやすい場所があります。
例えば、
- 玄関
- 階段
- 廊下
- 浴室
- トイレ
- 寝室
などです。
どれも毎日使う場所ばかりです。
危険な場所というよりも、慣れている場所だからこそ油断しやすいのが特徴です。
まずは、毎日何度も通る場所から確認してみましょう。
玄関は意外な転倒ポイント
玄関は、
- 靴を脱ぐ
- 靴を履く
- 荷物を持つ
といった動作が重なる場所です。
特に上がり框(かまち)の段差が高い住宅では、バランスを崩しやすくなることがあります。
また、買い物帰りに荷物を持った状態では足元への注意が向きにくくなります。
今は問題なくても、将来を考えて一度確認しておきたい場所です。
階段は「何を持っているか」も重要
階段は転倒が気になる場所の一つです。
しかし、単に階段が危険なのではありません。
例えば、
- 洗濯物を持っている
- 掃除機を運んでいる
- 荷物を抱えている
という状態になると、足元が見えにくくなります。
そのため、
「階段を使う回数」
だけでなく、
「何を持って上り下りしているか」
も確認してみましょう。
浴室と脱衣所は毎日使うからこそ注意したい
浴室まわりは水で滑りやすく、足元も不安定になりやすい場所です。
特に、
- 浴室入口の段差
- 脱衣所との境目
- 濡れた床
などは確認しておきたいポイントです。
築年数の古い住宅では、浴室入口に段差が残っていることもあります。
毎日使う場所だからこそ、改善効果を感じやすい場所でもあります。
転びやすいのは大きな段差だけではない
転倒というと、大きな段差をイメージするかもしれません。
しかし実際には、
- カーペットの端
- 敷居
- 電源コード
- 床材の切り替わり部分
などの小さな段差も原因になります。
毎日見慣れているため気付きにくいのですが、こうした場所ほど無意識につまずいてしまうことがあります。
家の中を歩きながら、一度足元を確認してみることをおすすめします。
夜の動線も確認しておきたい
日中は問題なくても、夜になると状況は変わります。
例えば、
- 寝室からトイレまでの移動
- 夜間の階段利用
- 暗い廊下の移動
などです。
特に夜中は照明を付けなかったり、寝起きで注意力が低下していたりすることがあります。
夜によく通る場所は、明るさや障害物の有無も確認しておきましょう。
動線が複雑だと転倒リスクも増える
転倒の原因は段差だけではありません。
家の中の移動が多くなることも影響します。
例えば、
- 日用品を遠くへ取りに行く
- 洗濯物を持って何度も階段を使う
- 掃除用品を各部屋へ運ぶ
といったケースです。
移動距離が増えれば、その分つまずく可能性も増えます。
そのため、
- 収納場所を見直す
- よく使う物を近くに置く
- 家事動線を整理する
ことも安全対策につながります。
転倒対策はリフォームだけではない
安全対策というと大掛かりな工事を想像する方もいます。
しかし、まずは簡単にできることもあります。
例えば、
- 不要な物を片付ける
- 電源コードを整理する
- 照明を明るくする
- 家具配置を見直す
などです。
こうした工夫だけでも、家の中の安全性は改善できます。
その上で必要があれば、段差や動線の改善を検討するとよいでしょう。
元気なうちに確認したい場所チェックリスト
住まいの安全対策として、次の場所を一度確認してみましょう。
- 玄関の段差は高くないか
- 階段を荷物を持って使っていないか
- 浴室入口に段差はないか
- 夜のトイレ動線は安全か
- 廊下に障害物はないか
- よく使う収納は取り出しやすいか
- カーペットや敷居につまずきやすくないか
今のうちに確認しておくことで、将来の暮らしやすさにつながります。
「まだ大丈夫」のうちに考えることが大切
50代・60代は、多くの方がまだ元気に生活されています。
だからこそ、「まだ先で大丈夫」と先延ばしするのではなく、「元気な今」住まいを見直すことに意味があります。
小さな改善の積み重ねが、10年後、20年後の安心につながります。
まとめ
家の中で転びやすい場所は、特別な場所ではありません。
- 玄関
- 階段
- 浴室
- 廊下
- 寝室
など、毎日使う場所に転倒の原因が隠れていることがあります。
また、
- 小さな段差
- 夜間の動線
- 荷物を持った移動
- 複雑な家事動線
も見直したいポイントです。
50代・60代からの住まいづくりでは、「まだ大丈夫」と考えるのではなく、元気なうちから安全性を確認しておくことが大切です。
大掛かりなリフォームをしなくても、整理整頓や収納の見直し、動線の改善によって暮らしやすさは向上します。
将来も安心して暮らすために、一度ご自宅の段差や動線をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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