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執筆:二級建築士 安藤勉
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収納が足りないとき、壁一面を収納にできれば、部屋が片付きそうですよね。
造作収納なら、部屋の寸法やしまいたい物に合わせて、収納を設計できます。
ただし、壁一面を収納にすると、必ず部屋が使いやすくなるとは限りません。
奥行きが深すぎると室内が狭くなり、収納する物を決めずにつくると、使いにくい棚が増えてしまうこともあります。
この記事では、壁一面を収納にする方法と、部屋の広さを損なわず使いやすくするための考え方を紹介します。
壁一面を収納にすることはできる?
壁一面を使って、床から天井まで収納を設けることは可能です。
例えば、リビングなら本や日用品、寝室なら衣類や寝具、仕事部屋なら書類や道具など、部屋の用途に合わせた収納をつくれます。
壁面収納には、主に次の方法があります。
- 既製品の収納家具を設置する
- メーカーのシステム収納を取り付ける
- 寸法や用途に合わせて造作収納をつくる
造作収納は、設置する場所や収納したい物に合わせて寸法や棚の配置を決められるのが特徴です。既製品では合わない壁の幅や高さにも対応しやすくなります。
ただし、造作すれば必ず使いやすくなるわけではありません。何をしまうのか、どのように使うのかを先に決めることが大切です。
造作収納をつくると部屋は狭くなる?
造作収納を設置すると、室内側に出っ張る分だけ、使える空間が小さくなる場合があります。
特に注意したいのが、収納の奥行きです。
奥行きが深い収納は多くの物をしまえますが、その分、通路や家具を置けるスペースが減ります。
また、壁一面が大きな収納になると、実際の広さ以上に圧迫感を覚えることもあります。
一方、収納を一か所にまとめることで、部屋のあちこちに置いていた家具を減らせる場合もあります。
つまり、収納を設置した分だけ部屋が狭くなるとは限りません。
大切なのは、収納をつくることで何が変わるのか、部屋全体で考えることです。
部屋を狭く感じさせない収納のつくり方
1. 収納する物に合わせて奥行きを決める
壁一面を収納にするときは、最初に奥行きを決めるのではなく、しまう物から考えましょう。
例えば、本や小物が中心なら、深い収納が必要とは限りません。
一方、衣類をハンガーに掛けて収納する場合は、ハンガーの幅や衣類の厚みを考えた奥行きが必要です。
収納量を増やすために奥行きを深くしすぎると、物が奥に入り込んで取り出しにくくなることもあります。
収納したい物の寸法を確認し、必要な奥行きを決めましょう。
2. 天井まで収納するか、腰の高さまでにするか考える
壁面収納は、天井近くまで高さを確保する方法だけではありません。
床から天井まで収納すれば収納量を増やせますが、高い場所は物を取り出しにくくなります。
一方、腰の高さまでの収納なら、上部を飾り棚や作業スペースとして使える場合があります。
使用頻度の高い物は手の届く範囲に置き、あまり使わない物は上部に収納するなど、使い方に合わせて高さを決めましょう。
3. 壁や床になじむデザインを選ぶ
収納の色や形も、部屋の印象を左右します。
例えば、壁と近い色でまとめると、収納が目立ちにくくなります。
扉のない棚や一部をオープンにした収納なら、壁一面が大きな箱のように見える印象を和らげられます。
ただし、オープン収納は物が見えるため、整理整頓や掃除の手間が増えることもあります。
見た目だけでなく、日常的に片付けやすいかどうかも考えて選びましょう。
造作収納をつくる前に確認したい3つのこと
1. 壁に収納を取り付けられるか
壁面収納は、収納本体や収納物の重さを支えられるように設置する必要があります。
壁の下地や補強の状況によっては、取り付け前に補強工事が必要になる場合があります。
また、壁の内部には柱や配線などがあるため、希望する位置にそのまま設置できるとは限りません。
工事前に壁の状態を確認してもらいましょう。
2. テレビやコンセントの位置は問題ないか
リビングの壁一面を収納にする場合、テレビやコンセント、インターネット機器などの位置も重要です。
収納を設置した後で配線が使いにくくなったり、機器を置く場所がなくなったりすると不便です。
テレビを組み込む場合は、画面の高さや配線の通し方、機器の放熱にも配慮しましょう。
3. 将来も使いやすいか
造作収納は、設置場所や寸法が固定されるため、完成後に簡単に移動することはできません。
今の持ち物だけを基準にすると、暮らし方が変わったときに使いにくくなる可能性があります。
棚の高さを変えられる可動棚を取り入れるなど、収納の使い方を変更できる余地も考えておきましょう。
造作収納と既製品、どちらを選ぶ?
造作収納と既製品には、それぞれ特徴があります。
造作収納は、壁の幅や高さ、収納する物に合わせて設計しやすい方法です。一方で、設計や材料、施工内容によって費用が変わり、既製品より高くなる場合があります。
既製品やシステム収納は、寸法や仕様が合えば、造作するより手間や費用を抑えられる可能性があります。
そのため、最初から造作収納に決める必要はありません。
「既製品では寸法が合わない」「テレビや家電を組み込みたい」「収納の形を細かく決めたい」など、造作する理由があるかを考えてみましょう。
収納を増やすこと自体が目的なら、家具の配置変更や既製品の活用で解決できる場合もあります。
まとめ
壁一面を収納にすることは可能で、造作収納なら部屋の寸法や使い方に合わせた計画ができます。
ただし、奥行きや高さによっては部屋が狭く感じられたり、収納した物を取り出しにくくなったりすることがあります。
工事前には、次の点を確認しましょう。
- 何を、どれくらい収納したいか
- 収納の奥行きや高さは適切か
- 設置後も家具や人が動くスペースを確保できるか
- 壁の補強や配線の変更が必要か
- 既製品では希望を満たせないか
収納は、大きくつくれば便利になるわけではありません。
今ある家具や持ち物、日常の動きまで考え、必要な収納を必要な場所につくることが大切です。
リフォームを相談するときは、希望する収納を設置できるかだけでなく、ほかの方法も含めて提案してくれる会社を選びましょう。
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