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階段の幅を広くできる?狭い階段を拡張する方法と注意点

【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
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「古い家なので、階段の幅が狭くて上り下りしにくい」
「階段の横の壁を壊せば、もう少し広くできる?」
「大きな家具を2階へ運べるようにしたい」

このように、階段の狭さを改善したいと考える方もいるでしょう。

階段の幅は、周囲の壁や柱の状態によっては、今より広くできる場合があります。

ただし、壁を撤去するだけで階段そのものが広くなるとは限りません。

踏板や階段を支える部材を変更したり、階段全体をつくり直したりする必要がある場合もあります。

この記事では、狭い階段を広げる方法と、工事前に確認したい注意点を解説します。

階段の幅を広げる3つの方法

階段を広げるには、主に次の3つの方法があります。

1. 階段横の壁を撤去する

階段の片側にある壁を撤去し、隣の廊下や部屋のスペースを利用する方法です。

ただし、壁を取り除くだけでは、足を載せる踏板の幅は変わりません。

実際に階段を広げるには、踏板を交換したり、階段を支える部材を変更したりする工事が必要になる場合があります。

また、撤去する壁が建物を支えている場合は、構造上の制約があります。

2. 隣の収納や廊下を取り込む

階段の隣に押入れや収納、廊下などがある場合は、その一部を階段スペースに変更できる可能性があります。

例えば、階段横の収納を撤去し、その場所まで階段を広げる方法です。

ただし、収納との間に柱や耐力壁がある場合は、希望する幅まで広げられないことがあります。

また、階段を広げた結果、廊下や隣の部屋が使いにくくならないか確認する必要があります。

3. 階段全体をつくり直す

既存の階段を部分的に変更できない場合は、階段を撤去して新しくつくり直す方法があります。

階段全体をつくり直せば、踏板の幅だけでなく、手すりや階段の形状も見直せます。

ただし、周囲の壁や床、踊り場などの改修が必要になる場合があります。

また、階段全体をつくり直しても、建物の構造上、希望する幅を確保できるとは限りません。

階段を広げられないのはどんな場合?

階段の幅を変更する際、特に問題になるのが、壁や柱の構造です。

階段横に耐力壁がある

耐力壁とは、地震や風による力に抵抗する壁のことです。

階段横の壁に筋交いなどが入っている場合、そのまま撤去すると建物の強度に影響するおそれがあります。

補強によって対応できる場合もありますが、住宅全体の構造を確認する必要があります。

撤去できない柱がある

階段の周囲には、2階や屋根を支える柱が設けられていることがあります。

こうした柱は、階段を広げるために自由に撤去できません。

柱を残して階段を拡張できる場合もありますが、途中だけ幅が狭くなると使いにくいため、階段全体の寸法を確認する必要があります。

階段を支える部材を変更できない

木製階段には、踏板を支える側板などの部材が使われています。

これらが壁や柱に固定されている場合、踏板だけを長いものに交換できるとは限りません。

階段をどのように支えているか確認し、安全に拡張できる方法を検討します。

階段の幅は何cm必要?建築基準法の基準

建築基準法施行令第23条では、一般的な戸建て住宅の屋内階段について、次の寸法基準が定められています。

項目法令上の代表的な基準
階段の幅75cm以上
蹴上げ(1段の高さ)23cm以下
踏面(足を載せる奥行き)15cm以上

※住宅内階段の代表的な基準です。寸法の測定方法や例外規定があります。

ただし、幅75cmあれば、誰にとっても使いやすいわけではありません。

荷物を持って上り下りする場合や、大きな家具を運ぶ場合は、狭く感じることがあります。

また、手すりが壁から張り出していると、実際に通れる幅は狭くなります。

手すりについては、一定の範囲を階段幅の計算上除外できる規定がありますが、実際の通行スペースとは別に考える必要があります。

リフォームでは、法令上の寸法だけでなく、手すりを含めた実際に通れる幅を確認しましょう。

階段の幅を広げるときの注意点

階段の途中や踊り場も広げる必要がある

階段の下部だけ広げても、途中や2階の降り口が狭ければ、使いやすさは十分に改善されません。

特に、大きな家具を運ぶことが目的なら、曲がり角や踊り場の広さも重要です。

家具の大きさによっては、階段の幅が十分でも方向転換できない場合があります。

壁を撤去したら転落防止が必要

階段横の壁を撤去して開放的にする場合は、手すりや転落防止用の柵などが必要になることがあります。

また、階段を安全に上り下りできるよう、身体を支える手すりも確保しなければなりません。

階段を広くするために、安全性を損なわないことが大切です。

階段全体の架け替えでは建築確認が必要になる場合がある

2025年4月から、2階建て木造戸建て住宅などでは、主要構造部の大規模な修繕・模様替えに建築確認手続きが必要となっています。

国土交通省は、階段の架け替え工事を対象となる例として挙げています。

そのため、階段全体をつくり直す場合は、建築士などに建築確認の要否を確認してもらいましょう。

一方、手すりの交換や部分的な改修が、必ず建築確認の対象になるわけではありません。

階段の幅を広げるリフォームの費用は何で変わる?

費用は、階段のどこまでを変更するかによって大きく変わります。

主に費用に影響するのは、次のような工事です。

  • 階段横の壁の撤去と補修
  • 柱や耐力壁の補強
  • 踏板や階段を支える部材の交換
  • 階段全体の解体・架け替え
  • 手すりや転落防止柵の設置
  • 床・壁・天井の補修

例えば、階段横の壁を一部変更する場合と、階段全体を撤去してつくり直す場合では、必要な工事が異なります。

また、古い住宅では解体後に木材の傷みが見つかり、追加の補修が必要になることもあります。

見積もりでは、階段本体だけでなく、構造補強や内装補修まで含まれているか確認しましょう。

階段を広げられない場合の改善方法

建物の構造上、階段の幅を広げられない場合でも、別の方法で不便さを改善できることがあります。

手すりの形や位置を見直す

手すりが大きく張り出している場合は、形状や取り付け位置を変更することで、通りやすくなる可能性があります。

ただし、安全に身体を支えられる位置や強度を確保することが前提です。

階段の曲がり角を改善する

家具を運びにくい場合は、階段全体を広げるのではなく、曲がり角の周囲にある壁を一部変更する方法もあります。

ただし、構造上重要な壁や柱は簡単に撤去できません。

家具の搬入方法を変える

大きな家具の搬入が目的なら、家具を分解したり、組み立て式の家具を選んだりする方法もあります。

条件が合えば、専門業者による窓からの搬入も検討できます。

階段を改修する前に、別の搬入方法で解決できないか確認しましょう。

階段を広げる前に確認したいこと

リフォーム会社に相談する際は、次の点を確認しましょう。

  1. 現在の階段の幅と、実際に通れる幅は何cmか
  2. 何cmまで広げたいのか
  3. 階段横の壁や柱を変更できるか
  4. 階段本体をつくり直す必要があるか
  5. 踊り場や2階の廊下も十分な幅を確保できるか
  6. 建築確認申請が必要になるか

特に、なぜ階段を広げたいのかを伝えることが重要です。

上り下りを楽にしたい場合と、大きな家具を運びたい場合では、適した改善方法が異なります。

✓ 会社選びで大切なこと

実際にリフォームを進めるときは、どの会社に依頼するかも大切です。

会社選びでまず確認したい4つのポイントをまとめています。

階段の幅を広げるリフォームのよくある質問

Q1. 階段の幅を75cmから90cmに広げることはできますか?

周囲に拡張できるスペースがあり、構造上の問題がなければ可能です。

ただし、15cmの空きスペースがあれば必ず広げられるわけではありません。

壁や柱、階段を支える部材の位置によっては、階段全体をつくり直す必要があります。

Q2. 階段の横の壁を壊すだけで広くできますか?

壁を撤去すると開放感は生まれますが、踏板の幅は変わりません。

実際に階段を広げるには、踏板や階段を支える部材の変更が必要になる場合があります。

また、耐力壁や重要な柱がある場合は、撤去できないこともあります。

Q3. 階段の幅を広げれば、大きな家具を2階に運べますか?

階段が広くなれば、運びやすくなる場合があります。

ただし、曲がり角や踊り場、2階の廊下が狭いと、家具を運べないことがあります。

搬入したい家具の寸法を確認し、階段だけでなく、搬入経路全体を調べる必要があります。

まとめ|階段を広げるには、壁と階段本体の構造確認が必要

階段の幅は、周囲の壁や収納を変更したり、階段をつくり直したりすることで広げられる場合があります。

ただし、耐力壁や柱がある場合は、建物の強度に影響するため、自由に撤去できません。

また、壁を取り除くだけでは踏板の幅が変わらないことにも注意が必要です。

まずは現在の階段の幅を測り、どの部分が狭くて困っているのか整理しましょう。

そのうえで、階段を広げる工事が必要なのか、手すりや周囲の壁を見直すことで改善できないかを比較することが大切です。

リフォーム会社に依頼する際は、建物の構造を確認し、安全性を保ちながらどこまで広げられるか説明してもらいましょう。

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