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執筆:二級建築士 安藤勉
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「キッチンが狭くて作業しにくい」
「隣の部屋を取り込んで、もっと広いキッチンにしたい」
キッチンが狭く感じるときは、間取り変更をして今よりもキッチンを広く使うリフォームをすれば快適な空間になります。
ただし、壁を取り除くだけでは終わりません。
壁の構造、キッチンや収納、冷蔵庫の位置、給排水、換気などを確認する必要があります。
隣の部屋までキッチンを広げる3つの方法
隣の部屋を使ってキッチンを広げる場合、主に次のような方法があります。
①隣の部屋と一体化する
もっとも考えやすいのが、隣室を丸ごと取り込んでキッチンスペースにする方法です。
壁や間仕切りをなくすと、視線が通りやすくなり、収納や家事スペースとしても使えます。
キッチンだけでなく、ダイニングとのつながりも考えると、より使いやすい間取りになります。
ただし、取り除く壁が建物を支えている場合は、撤去が困難です。
柱や耐力壁を残し、構造に応じた補強の検討が必要になります。
②隣の部屋の一部を取り込む
隣の部室の一部をキッチンスペースにする方法もあります。
たとえば、キッチンに接している洋室や、収納部屋になった客間の一部を取り込む方法です。
キッチンの作業スペースを広げたり、収納を増やしたりできます。
隣室をすべてなくす必要はありません。
「キッチンをあと少し広くしたい」という場合は、一部だけ取り込む方法も選択肢になります。
③ キッチンの位置や向きを変える
隣の部屋との間の壁がどうしても壊せない場合は、壁をのこしながらキッチンの位置や向きを変える方法もあります。
例えば、壁付けキッチンから対面式に変更すると、隣室とのつながりを生かした間取りにできます。
「隣の部屋を使えば広くなる」だけでなく、広げた後にキッチンをどう配置するかまで考えることが大切です。
キッチンを広げられるかは「壁」だけでは決まらない
キッチンを隣の部屋まで広げるために、最初に確認したいのが壁の状態ですが、壁以外にも確認することがあります。
特に重要なのは次の4つです。
| 確認すること | なぜ重要か |
| 柱・構造 | 撤去できない構造部分があるため |
| 給排水 | キッチンの位置変更で配管工事が必要になるため |
| 換気 | レンジフードの排気経路を確保する必要があるため |
| 電気・ガス | コンロや家電の位置変更に関係するため |
キッチンを広げる工事では、壁の中や床下、天井裏の確認が必要です。
特に排水は、勾配(こうばい)を取らなければなりません。戸建ての場合は、排水桝の位置、マンションであれば共用部の立管の位置が重要になります。
家の状態によっては、床を部分的に上げるなど、別の工事が必要になる場合もあります。キッチンの移動では、排水経路や床下のスペースが重要な確認項目です。
「隣の部屋を全部なくす」必要はない
キッチンを広くしたいからといって、隣室をすべてキッチンスペースにする必要はありません。
例えば、隣室の一部を使って、
- キッチンの収納を増やす
- 冷蔵庫や食品庫として活用する
- 作業スペースを確保する
- 残りのスペースは収納部屋として活用
といった方法も考えられます。
ここで大切なのは、「何畳のキッチンにしたいか」だけで考えないことです。
「作業台が狭い」
「収納が足りない」
「冷蔵庫の周りが狭い」
「二人で料理すると動きにくい」
など、今困っていることを整理してから広げる範囲を決めると、必要以上の間取り変更を避けやすくなります。
広げる前に「キッチンが使いやすくなるか」を確認する
面積が広くなれば、必ず使いやすくなるとは限りません。
例えば、キッチンを大きくした結果、冷蔵庫までの距離が長くなったり、収納まで回り込む必要が出たりすることがあります。
そのため、現地調査では「広くできるか」だけでなく、次のことも確認します。
広げた後のキッチン動線をチェック
「冷蔵庫、シンク、コンロまで移動しやすいか」
「料理をしている人の後ろを家族が通れるか」
「食器を収納する場所まで遠くならないか」
など、普段の動きを想像しましょう。
収納の位置
隣の部屋を取り込んで面積が増えても、収納の位置が悪ければ使いにくくなることがあります。
収納量だけでなく、どこで何を使うのかまで考えることが大切です。
将来の使い方
今は広いキッチンが必要でも、将来は夫婦2人で使う可能性も考えられます。
反対に、今後家族が集まる機会が多いなら、キッチンだけでなくダイニングとのつながりを重視した方が使いやすい場合もあります。
「広くすること」そのものを目的にせず、これからの暮らし方まで考えておくと、間取りを決めやすくなります。
見積りを取るときは「リフォームしたい理由」を伝える
リフォーム会社に見積りを依頼するときは、ただ「広くしたい」と伝えるのではなく、「キッチンを広くしたい理由」を伝えましょう。
「子どもや孫が帰省したときに、みんなで楽しく料理したい」
「調理家電が増えたので、スペースを広げたい」
理由は様々ですが、キッチンが広くなったら問題が解決するとは限りません。
見積もりを依頼するときは、現状の不満点と、改善したいこと、今後どのように使いたいか?を伝えるとリフォーム会社もプランしやすくなります。
マンションは管理規約も確認する
マンションの場合は、戸建てとは違い、管理規約によってできる工事が限られています。
また、排水や換気の経路によっては、希望する位置にキッチンの設置が難しいこともあります。
そのため、マンションでは間取り図だけを見て「ここまで広げられる」と判断しないことが大切です。
戸建てもマンションも、最終的な工事の可否は現地の状態を確認してもらいましょう。
まとめ|まずはキッチンを広げる理由を整理する
ほとんどの住宅で、隣の部屋までキッチンを広げることが可能です。
しかしながら、キッチンを広げることがリフォームの目的ではありません。
まずは、現状で使い勝手が悪いところや、不満点、改善点の整理が必要です。情報を整理すると、本当にやりたいリフォームが見えてきます。
リフォーム会社にキッチンを広げたい理由を伝えると、現場調査では、できること、できない理由を答えてくれるはずです。もしかしたら、別の方法で解決するかもしれません。
キッチンの間取り変更は、豊富なリフォーム経験が必要な工事です。
相見積りで比較検討するときは、これまでのリフォーム実績が豊富なリフォーム会社や工務店に相談しましょう。
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