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執筆:二級建築士 安藤勉
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「この家、窓が多すぎるのでは?」
50代・60代になると、以前は気にならなかった窓の存在が負担になることがあります。
- 冬は窓の近くが寒い。
- 夏は日差しが強い。
- 掃除する場所も増える。
- 家具を置きたい場所に窓がある。
だからといって、窓を減らせば暮らしやすくなるとは限りません。
大切なのは、窓の数ではなく「これからもその窓を使うのか」を第一に考えることです。
窓のリフォームも「全部変える」から考えるのではなく、今後の暮らしに必要な窓を見極めることをおすすめしています。
窓が多いこと自体が問題ではない
窓には、いくつもの役割があります。
・部屋を明るくする
・外の景色を見る
・風を通す
・庭やデッキへ出入りする
・日差しを取り入れる、または遮る
そのため、単純に「窓が多い=悪い」とは言えません。
問題になるのは、現在の暮らしではほとんど使っていないのに、掃除や暑さ・寒さなどの負担だけが残っている窓です。
特に50代・60代では、10年後にその部屋をどう使っているかまで考えると判断しやすくなります。
残した方がいい窓は?
まずは「なくす窓」ではなく「残したい窓」から考えます。
毎日使う窓
リビングや寝室など、毎日過ごす場所の窓は、採光や換気、外とのつながりを確認します。
窓をなくしたことで部屋が暗くなれば、別の不満が生まれることもあります。
景色を楽しむ窓
庭や緑が見える窓なら、単なる採光以上の役割があります。
これから家で過ごす時間が増えるなら、外の景色を楽しめる窓は残す価値があります。
将来使う部屋の窓
今は使っていない部屋でも、将来は寝室や趣味の部屋などに使うかもしれません。
「今使っていないから」という理由だけでふさがないことが重要です。
ふさいだり小さくしたりしてもよい窓は?
反対に、次のような窓は見直す候補になります。
ほとんど開けない窓
長年ほとんど開けていない窓なら、本当に必要なのかを考えてみます。
ただし、機械換気の有無や部屋の換気方法は確認しておきましょう。
掃除が負担になっている窓
高い位置にある窓や、大きくて手入れしにくい窓は、年齢とともに負担が増えます。
「窓があるから掃除しなければならない」という状態なら、小さくすることも選択肢です。
家具を置きたい場所にある窓
意外と見落としやすいのが家具との関係です。
「ここに収納を置きたいのに窓がある」「ベッドを置くと窓が使いにくい」という場合は、窓の位置や大きさを見直すことで部屋が使いやすくなることがあります。
ほとんど使わない部屋の窓
今後も使う予定がない部屋なら、窓を残す必要性を一度考えてみてもよいでしょう。
ただし、採光や換気など別の役割がないか確認してから判断します。
「窓をふさぐ」前に断熱も検討する
窓の不満が「寒い」「暑い」という場合、必ずしも窓をふさぐ必要はありません。
内窓を設置する、ガラスを交換する、外窓を交換するなど、窓を残したまま断熱性能を高める方法もあります。
2026年の住宅省エネ関連事業でも、内窓設置やガラス交換、外窓交換など開口部の断熱改修が助成金の対象になっています。
つまり、「窓が多いから減らす」ではなく、「窓は必要だが、性能が足りない」というケースもあるのです。
窓を減らすか迷ったら、この5つで判断
迷ったら、窓ごとに次の5つの質問を投げかけてみましょう。
- 今も毎日のように使っているか
- 明るさを確保するために必要か
- 景色や庭を見るために必要か
- 10年後もその部屋を使うか
- なくした場合、別の方法で補えるか
5つすべてに「必要」と答えられない窓ほど、見直す候補になります。
ただし、窓をふさぐ工事は元に戻すのが簡単ではありません。
実際に工事するときは、「完全にふさぐ」「小さくする」「内窓を付ける」「ガラスやサッシを交換する」など、複数の方法を比較してください。
50代・60代は「減らす」より「負担を減らす」発想も
これからのリフォームでは、窓の数を減らすことだけが正解ではありません。
「開け閉めしやすくする」
「掃除しやすくする」
「暑さ・寒さを抑える」
「家具を置きやすくする」
という方法でも、窓の負担は減らせます。
たとえば、高い位置にあって掃除が大変な窓については、こちらの記事も参考になります。
また、冬の寒さが気になる場合は、窓だけでなく寝室や洗面所など、家の中の温度差も一緒に確認しましょう。
リフォームでは「なくす窓」から決めない
窓のリフォームで失敗しやすいのは、「この窓はいらない」と先に決めてしまうことです。
先に決めたいのは、これからも使いたい窓です。役割が重なっている窓、使わない窓、負担になっている窓を見直します。
「窓を減らしたら何が困るか?」まで確認してから工事を決めると、リフォーム後の後悔を減らせます。
優良工事店ネットワークでは、これまで20年以上にわたり住まいの相談を受けた経験から、「その工事が本当に必要なのか」という視点を大切にしています。
まずは、これから10年、20年と暮らす家で「どの窓を使い続けたいのか」を家族で整理してみてください。
まとめ
窓が多すぎると感じても、すぐに減らす必要はありません。
大切なのは、窓ごとの役割を見直すことです。
・毎日使う窓は残す
・採光や景色に必要な窓も確認する
・使っていない窓は見直す
・寒さや暑さなら断熱改修も比較する
・掃除や家具配置の負担も判断材料にする
・10年後の暮らしを考えて決める
「窓を減らす」のではなく、
「これからの暮らしに合わない窓を見直す」
この考え方で進めると、必要な窓までなくしてしまう失敗を防ぎやすくなります。
よくある質問
Q. 窓をふさいで壁にするリフォームはできますか?
できます。ただし、採光や換気、外壁との取り合いなどを確認する必要があります。構造や建物の条件によっても工事方法が変わるため、現地調査を受けて判断しましょう。
Q. 窓を小さくすると寒さは改善しますか?
窓の面積を小さくすることで、熱の出入りを抑えられる場合があります。ただし、内窓や高断熱ガラスなど、窓を残したまま断熱性能を高める方法もあります。
Q. 家中の窓を全部リフォームした方がいいですか?
必ずしもそうとは限りません。国土交通省も、省エネ改修について一部の窓だけを改修するケースを対象として示しています。家の中で特に寒い・暑い・結露する部屋から優先する考え方もあります。
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