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執筆:二級建築士 安藤勉
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築35年になると、「この家はあと何年住めるのだろう」「建て替えた方がいいのかな」と考え始める方も多いでしょう。
結論からいうと、築35年は建て替えを考える時期ではなく、まず住まいの状態を正しく把握することが大切です。
これまで適切なメンテナンスを続けてきた住宅であれば、築35年を超えても十分住み続けられるケースは少なくありません。
一方で、外壁や屋根、防水、配管などのメンテナンスを長期間行っていない住宅では、建物を支える部分の劣化が進んでいることもあります。
また、住宅設備も交換時期が重なりやすく、「どこまで直せばよいのか分からない」と悩む方も増える時期です。
大切なのは、築年数だけで建て替えや全面リフォームを決めるのではなく、建物の状態やこれからの暮らし方に合わせて優先順位を考えることです。
この記事では、築35年で確認したいメンテナンス箇所や、建て替えとリフォームを考える際の判断基準、長く安心して住み続けるためのポイントをわかりやすく解説します。
まずは、築35年が住宅にとってどのような節目なのかを見ていきましょう。
築35年は「建て替え」ではなく住まいの状態を確認する時期
築35年になると、「もう建て替えた方がいいのでは?」と思われることがあります。
しかし、築35年という年数だけで建て替えが必要とはいえません。
これまで定期的にメンテナンスを行ってきた住宅であれば、築40年、50年と住み続けているケースも数多くあります。
反対に、長年メンテナンスをしていなかった住宅では、築35年より前でも大規模な修繕が必要になることがあります。つまり、大切なのは築年数ではなく、「現在の建物の状態」です。
築35年は、この先も住み続けるために何が必要なのかを総合的に確認するタイミングといえるでしょう。
なぜ築35年が重要なの?
住宅は35年間、雨や紫外線、風、地震、湿気など、さまざまな影響を受け続けています。
外壁や屋根はもちろん、基礎や床下、配管、防水など、普段は見えない部分にも劣化が進んでいる可能性があります。
また、住宅設備は一度交換していても、その設備自体が再び交換時期を迎えていることも少なくありません。
さらに、この時期は家族構成や暮らし方も変わりやすく、
- 階段の上り下りが負担になった
- 冬場の寒さが気になる
- 掃除をもっと楽にしたい
といった理由から、住みやすさを改善するリフォームを検討する方も増えてきます。
築35年は、「修理するか」「交換するか」だけでなく、「これからどんな暮らしをしたいか」まで考えることが大切な時期です。
築35年で優先して確認したいメンテナンス
築35年では、次のような場所を重点的に確認しましょう。
- 外壁のひび割れや塗膜の劣化
- シーリング(コーキング)の劣化
- 屋根材や防水シートの状態
- ベランダ・バルコニーの防水
- 基礎のひび割れや不同沈下
- 給水管・排水管の劣化や漏水
- 床下のシロアリ被害や木材の腐食
- 給湯器・換気設備・分電盤など住宅設備
- キッチン・浴室・トイレ・洗面台の状態
- 窓や玄関ドアの断熱性・気密性
特に注意したいのは、建物の構造に関わる部分です。
外壁や屋根の劣化を放置すると雨漏りにつながり、床下の腐食やシロアリ被害を招くことがあります。
また、配管は壁や床の中で劣化が進んでいる場合があり、水漏れが起きると修理範囲が広くなることもあります。
築35年では、「設備が古いから交換する」という考え方ではなく、「建物全体を長持ちさせるために何が必要か」という視点で点検を受けることが重要です。
工事内容が多くなりやすく、費用も高額になる時期だからこそ、契約前に見積りを詳しく確認しておくことをおすすめします。
工事項目や数量、使用する材料、追加費用が発生する条件まで理解しておくことで、複数の見積りを比較しやすくなります。
すぐにメンテナンスした方がよい場所・まだ使える場所
築35年になると、住宅全体の老朽化が進んでいる可能性があります。
しかし、すべてを一度にリフォームする必要はありません。
優先順位を決めるポイントは、「建物の寿命に関わる工事」「安全に暮らすための工事」「生活を快適にする工事」の順番で考えることです。
まずは、住宅を長持ちさせるために欠かせない部分から対応し、その後に設備や内装を見直すと、無駄な出費を抑えやすくなります。
優先してメンテナンスしたい場所
次のような症状が見られる場合は、早めに点検や補修・交換を検討しましょう。
- 外壁の大きなひび割れや塗膜の剥がれ
- シーリング(コーキング)の劣化や隙間
- 屋根材の割れやズレ、雨漏りの跡
- ベランダ・バルコニー防水の劣化
- 基礎の大きなひび割れや不同沈下
- 給水管・排水管からの漏水
- 床下のシロアリ被害や木材の腐食
- 給湯器や分電盤など設備の老朽化
- 窓や玄関ドアの開閉不良
これらは住宅の安全性や耐久性に関わる部分です。
特に雨漏りや漏水は、柱や土台、断熱材まで傷める原因になります。
被害が広がる前に対応することで、将来的な修繕費用を抑えやすくなります。
状態によってはまだ使える場所
一方で、次のような設備は正常に使用できていれば、急いで交換する必要はありません。
- キッチン
- ユニットバス
- トイレ
- 洗面化粧台
- 室内ドア
- 収納設備
- 壁紙やフローリング
これらは、築35年の住宅でも途中で交換されていることが多くあります。
そのため、「家は築35年だから設備も35年使っている」とは限りません。
設備ごとの設置時期や故障状況を確認し、修理で対応できるのか、交換した方がよいのかを判断することが大切です。
築35年でリフォームを考えるときの判断基準
築35年では、「あと何年住みたいか」を考えることが、リフォーム計画を立てるうえで重要になります。
迷ったときは、次の3つのポイントを基準にすると判断しやすくなります。
① 建物の耐久性を最優先に考える
まず優先したいのは、住宅を長持ちさせるための工事です。
外壁・屋根・防水・基礎・配管などは、見た目よりも建物の寿命に大きく関わります。
これらを適切にメンテナンスすることで、築40年、50年と安心して住み続けられる可能性が高まります。
② これからの暮らしやすさも一緒に考える
築35年では、単に古い設備を交換するだけではなく、将来の暮らしを見据えたリフォームも検討したい時期です。例えば、
- 段差を解消する
- 手すりを設置する
- 内窓を設置して断熱性能を高める
- ヒートショック対策として浴室を改善する
- 掃除しやすい設備へ交換する
といったリフォームは、毎日の暮らしをより快適で安全なものにしてくれます。
③ お客様の立場で提案してくれる会社を選ぶ
築35年になると、「建て替えた方がよいのでは?」と迷う方も少なくありません。
しかし、建物の状態によっては、リフォームで十分長く住み続けられるケースもあります。
信頼できる会社は、
- リフォームが適している理由
- 建て替えを検討した方がよいケース
- 今すぐ必要な工事
- 数年後でもよい工事
を整理して説明してくれます。
「築35年だから建て替えましょう」「全面リフォームしかありません」と一つの選択肢だけを勧めるのではなく、それぞれのメリット・デメリットを説明し、住まいに合った提案をしてくれる会社を選ぶことが、後悔しない住まいづくりにつながります。
まとめ
築35年は、住まいの「これから」を考える大切な節目です。
建物や設備の老朽化が進む時期ですが、築35年という理由だけで建て替えや全面リフォームが必要になるわけではありません。
まずは建物全体を点検し、本当に必要な工事を優先することが、住まいを長持ちさせるポイントです。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 築35年は建物全体の状態を総合的に確認するタイミング
- 外壁・屋根・防水・基礎・配管など建物を守る部分を優先する
- 床下や屋根裏など見えない部分も点検しておく
- 住宅設備は設置時期や故障状況を確認し、修理と交換を判断する
- 建て替えではなく、リフォームで長く住めるケースも多い
20年以上にわたりリフォーム会社選びの相談を受けてきた中でも、築35年前後になると「建て替えた方がいいと言われた」「全面リフォームを勧められた」という相談が増えてきます。
しかし、実際には建物の構造がしっかりしていれば、必要なメンテナンスを行うことで、築40年、50年と住み続けられる住宅も少なくありません。
反対に、築年数だけで判断して大規模な工事を契約すると、本来必要ではない工事まで含まれてしまうこともあります。
大切なのは、「築35年だから」ではなく、「今の住まいに何が必要なのか」を正しく判断することです。
信頼できる会社は、現地調査を丁寧に行い、
- 今すぐ必要な工事
- 数年以内に計画したい工事
- まだ様子を見てもよい工事
- リフォームと建て替え、それぞれのメリット・デメリット
まで分かりやすく説明してくれます。
築35年は、これからの暮らし方を見据えて住まいを整える大切なタイミングです。
価格だけで会社を選ぶのではなく、調査の丁寧さや提案内容、長期的なメンテナンス計画まで考えてくれる会社を選ぶことが、後悔しないリフォームにつながります。
リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。
会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
会社選びで迷う方へ
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