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執筆:二級建築士 安藤勉
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リビングは暖かいのに、廊下に出ると寒い。寝室や使っていない部屋は、さらに冷えている。
温度差が気になり始めたら、家の断熱を見直すタイミングです。
特に、子どもが独立して夫婦2人の生活になると、余計に部屋の温度差を感じるようになるはずです。
平成3年(1991年)以前 に建てられた家は、断熱性能が低いため、廊下やトイレ、洗面脱衣室が特に温度差が大きくなりがちです。
これから快適に過ごすには「家全体を今まで通り使う」のではなく「よく使う場所を優先して改善する」という視点が大切です。
なぜ家の中で温度差が大きくなるのか
家の中で、温度差が発生する原因のひとつが、断熱性能が低いためです。
築年数の古い家になると、断熱性能が低いため、暖房していない廊下や北側の部屋などで温度差が生じやすくなります。
もう一つの原因は、「部屋によって使い方が違う」ことです。
普段使わない部屋まで暖房する家庭はほとんどありません。その結果、
暖房するリビング
↓
暖房しない廊下
↓
寒いトイレ・洗面所
という温度差が生まれます。
特に、夫婦2人になると、この差が家の中で大きくなりやすいのです。
夫婦2人になったら「使う部屋」を変えてみる
子どもがいた頃は、家族それぞれに部屋が必要でした。
しかし、子どもが独立した後も同じ使い方を続ける必要はありません。
例えば、2階の寝室を使っているなら、「1階の和室を夫婦の寝室にする」という選択肢があります。
また、ほとんど使っていない部屋を物置にするのではなく、夫婦の生活空間としてまとめる方法もあります。
これは単なる「部屋の模様替え」ではありません。
これから長く暮らす家の使い方を、今の家族構成に合わせて変えるという考え方です。
「暖かい部屋をつくる」だけでは足りない
温度差が気になると、まず「リビングを暖かくしたい」と考えがちです。
しかし、リビングだけ暖かくしても、そこから寒い廊下や脱衣所を通って移動するなら、温度差は残ります。
国土交通省も、リビングや寝室だけでなく、廊下や水回りを含めよく使う動線の断熱改修を勧めています。
「一番長くいる部屋」だけを見るのではなく、「そこからどこへ移動するのか」まで考えてみましょう。
例えば、
寝室 → トイレ
リビング → 洗面所
リビング → 浴室
など、毎日使う動線が断熱できているか?チェックしましょう。
この中で寒い場所があれば、そこがリフォームを検討するポイントになります。
窓の断熱、床・壁・天井の断熱、暖房設備など、方法はいくつかあります。
使わない部屋を断熱する必要はある?
夫婦2人になってから、ほとんど使わなくなった部屋までリフォームする必要はありません。
生活のほとんどを1階で過ごせるようになれば、2階の断熱工事は後回しにすることもあるでしょう。
「家全体を全部直す」か「何もしない」かの二択ではありません。
国のリフォーム補助金制度を活用
熱が逃げてしまう原因の約6割が窓などの開口部から起きています。
断熱工事や省エネリフォームをすると、国や地方自治体から補助金がもらえる制度があります。
リフォーム会社には「寒い部屋」ではなく「暮らし方」を伝える
断熱リフォームを相談するときは「部屋が寒い」だけではなく、
「廊下と脱衣所が寒い」
「2階はほとんど使わないのでどうすればいい?」
といった暮らし方まで伝えてみましょう。
「窓だけ」「寝室だけ」と工事箇所だけ決めるのではなく、家の中をどう使うのかを踏まえて相談することが重要です。
まとめ
温度差が大きい原因は、暖房する部屋としない部屋があることも、温度差につながります。
「これからどこを生活の中心にしたいか」
「その部屋からどこへ移動するか」
を考えてみましょう。
リフォーム会社を選ぶときは、断熱工事の種類だけでなく、現在の生活や将来の部屋の使い方まで見据えた提案をしてくれる方を選びましょう。
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