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押入れをクローゼットに変えた方がいい?残した方が便利なケースも

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執筆:二級建築士 安藤勉
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和室の押入れを見て、

「クローゼットに変えた方が使いやすそう」

と思ったことはありませんか?

確かに、洋服をハンガーに掛けて収納するなら、クローゼットの方が向いています。

一方で、布団や季節用品、大きな荷物を収納するなら、押入れの奥行きが役立つこともあります。

つまり、「押入れは古いからクローゼットにする」と決める必要はありません。

何を収納するのか。
その部屋をこれからどう使うのか。

この2つによって、適した収納は変わります。

特に50代・60代からのリフォームでは、今だけでなく、10年後の暮らしも含めて判断したいところです。

この記事では、押入れとクローゼットの違いから、リフォームするメリット・デメリット、押入れを残した方が便利なケースまで詳しく紹介します。

押入れとクローゼット、どっちがいい?

まず、それぞれの特徴を比較してみましょう。

比較項目押入れクローゼット
布団の収納◎△
季節用品◎○
衣類を掛ける△◎
大きな荷物◎○
奥行きのある物◎△
収納方法の自由度○◎
洋室との相性△◎
衣類の出し入れ△◎

押入れは、奥行きと収納量の大きさが特徴です。

布団や季節家電、スーツケースなど、かさばる物を収納するのに向いています。

クローゼットは、衣類を掛けて収納しやすいことが特徴です。

洋室にも合わせやすく、収納する物を整理しやすくなります。

そのため、「どちらが優れているか」ではなく、「何を収納したいか」で判断するのが基本です。

押入れをクローゼットにするメリット

押入れをクローゼットにリフォームすると、収納方法を大きく変えられます。

洋服をハンガーに掛けやすくなる

押入れは、衣類を掛ける収納には向いていません。

そのままでは、洋服をハンガーに掛ける場所が不足します。

クローゼットに変更してハンガーパイプを設置すれば、シャツやジャケット、コートなどを掛けて収納できます。

畳んだ洋服を積み重ねる量も減らせます。

奥に物を詰め込む収納から変えられる

押入れは奥行きがあるため、奥まで物を入れがちです。

すると、

「何を入れたか分からない」
「奥の物を取り出せない」

という状態になりやすくなります。

クローゼットへ変更すれば、衣類を並べて収納できます。

収納している物も確認しやすくなります。

かがんで物を取り出す場面を減らせる

押入れの下段は、床に近い位置にあります。

重い物を入れていると、取り出すときに腰を深く曲げることになります。

クローゼットなら、収納する高さを調整できます。

よく使う洋服やバッグなどを、手の届きやすい位置にまとめることも可能です。

これから先の暮らしを考えるなら、収納量だけでなく、出し入れする動作にも目を向けたいところです。

洋室に合わせやすい

和室を洋室にリフォームする場合、押入れだけが和室らしく残ることがあります。

床をフローリングに変更し、壁紙を張り替えるなら、収納部分も一緒に変更すると部屋全体をまとめやすくなります。

ただし、和室を残すのであれば、押入れをそのまま使う方法もあります。

押入れをクローゼットにするデメリット

クローゼットに変更すれば、すべての家庭で便利になるわけではありません。

布団を収納しにくくなることがある

押入れは、布団を収納することを前提にした大きさになっています。

クローゼットへ変更すると、ハンガーパイプや棚が入ることで、布団を入れられるスペースが減る場合があります。

来客用の布団や季節布団を使う家庭では注意が必要です。

大きな物の収納場所が減ることがある

押入れの広い奥行きは、大きな荷物を収納するときに役立ちます。

例えば、

  • スーツケース
  • 扇風機
  • 暖房器具
  • 座布団
  • 大型の収納ケース

などです。

クローゼットに変更する前に、現在押入れに入っている物をすべて確認しましょう。

工事費用がかかる

押入れをクローゼットに変更するには、扉を交換するだけで済むとは限りません。

工事内容によっては、

  • 中段の撤去
  • 天袋の撤去
  • 内部の造作
  • ハンガーパイプの設置
  • 棚の設置
  • 壁や床の補修
  • クローゼット扉への交換

などが必要になります。

どこまで工事するかによって、費用も変わります。

押入れを残した方が便利なケース

クローゼットへの変更を急がなくてもよい家庭もあります。

布団を使っている

現在も布団で寝ているなら、押入れは貴重な収納場所です。

ベッドに変更する予定がないなら、押入れを残すメリットは大きくなります。

季節用品が多い

扇風機や暖房器具、ひな人形、クリスマス用品など、季節によって出し入れする物が多い家庭にも押入れは向いています。

普段使わない物をまとめて収納できるからです。

大きな荷物がある

スーツケースや布団乾燥機、折りたたみ式の家具など、大きな物を収納している場合も同様です。

押入れをクローゼットに変更すると、これまで入っていた物が収まらなくなる可能性があります。

押入れをきちんと使えている

押入れの奥まで物を詰め込まず、収納ケースなどを使って整理できているなら、無理に変更する必要はありません。

「押入れだから使いにくい」とは限らないからです。

現在の収納に不満がなければ、そのまま使うことも十分な選択肢です。

押入れが使いにくい原因は「収納方法」かもしれない

押入れをクローゼットにする前に、現在の使い方を見直してみましょう。

例えば、

  • 奥に物を詰め込んでいる
  • 何が入っているか分からない
  • 重い物を上段に置いている
  • 収納ケースのサイズが合っていない
  • 使っていない物が大量に入っている

このような状態なら、押入れそのものを変更しなくても改善できます。

不要な物を処分し、収納ケースの位置を変えるだけで、使いやすくなることもあります。

押入れの中段は撤去した方がいい?

押入れを残す場合でも、中段だけ撤去する方法があります。

中段があると、布団や収納ケースを上下に分けられます。

一方で、高さのある物は収納しにくくなります。

中段を撤去すると、

  • 掃除機
  • スーツケース
  • 季節家電
  • 大型収納ケース

などを入れやすくなります。

ただし、布団を上下に分けて収納したい家庭では、中段を残した方が便利です。

中段撤去は、「なくした方がいい」ではなく、「何を入れたいか」で判断しましょう。

押入れにハンガーパイプを付ける方法もある

「洋服を掛けたいけれど、押入れを全部作り替えるほどではない」

という場合は、ハンガーパイプを追加する方法があります。

押入れの一部を衣類収納として使い、残りの部分には布団や季節用品を入れる方法です。

これなら、押入れの奥行きを残しながら、衣類を掛けて収納できます。

大規模なリフォームをする前に、部分的な変更で解決できないか検討してみてもよいでしょう。

押入れをクローゼットにする費用は工事内容で変わる

押入れからクローゼットへのリフォーム費用は、工事内容によって変わります。

例えば、

  • 扉だけを交換する場合
  • 中段や天袋を撤去する場合
  • 内部に棚やハンガーパイプを設置する場合
  • さらに、壁や床まで補修する場合

それぞれ必要な工事が異なります。

そのため、価格だけを比較するのではなく、「何をどこまで変更する見積もりなのか」を確認することが重要です。

見積もりを依頼するときは、「押入れをクローゼットに変更したい」だけでなく、

「洋服を掛けたい」
「布団は残したい」
「スーツケースも収納したい」

など、希望する収納方法を伝えましょう。

収納の目的が分かれば、必要な工事も判断しやすくなります。

クローゼットの扉も使い方に合わせて選ぶ

クローゼットに変更するなら、扉の種類も確認しておきましょう。

開き戸

扉を大きく開けられるため、収納内部を確認しやすいタイプです。

ただし、扉の前に家具を置くと開閉しにくくなります。

引き戸

横にスライドして開けるため、扉の前に必要なスペースを抑えられます。

寝室など、家具の配置が限られる場所にも向いています。

折れ戸

クローゼットでよく使われるタイプです。

扉を開けると、収納全体を確認しやすいのが特徴です。

ただし、開閉時に扉が前へ出るため、周囲のスペースを確認する必要があります。

収納する物によって奥行きも変わる

クローゼットにすれば、すべての収納が浅くてよいわけではありません。

衣類をハンガーに掛けるなら、それに適した奥行きが必要です。

一方で、収納する物によっては深さを持たせた方が便利です。

例えば、

  • 布団
  • スーツケース
  • 季節家電
  • 大きな収納ケース

などです。

押入れをクローゼットに変更するときは、

「収納スペースを広くする」

だけでなく、

「何を入れる場所にするのか」

まで決めておきましょう。

夫婦2人になったら収納を減らす方法もある

子どもが独立した後は、家の収納を見直すタイミングでもあります。

以前は家族全員分の衣類や布団が必要だったとしても、夫婦2人になれば必要な量が変わります。

そのため、「収納を増やす」のではなく、「持ち物を減らす」ことで解決する場合もあります。

押入れをクローゼットに変更する前に、

「今後も使う物」
「使う予定がない物」

を分けてみましょう。

収納スペースを作り直すより、物を整理する方が負担の少ないケースもあります。

和室を洋室にするなら押入れも一緒に考える

和室を洋室へリフォームする場合は、押入れも同時に検討すると効率的です。

床をフローリングにし、壁紙を変更するなら、収納の扉や内部も一緒に変更できます。

一方で、「和室は残したいけれど、押入れだけ使いやすくしたい」という場合は、押入れだけを部分的に変更する方法もあります。

・部屋全体をリフォームするのか
・収納だけを変更するのか

予算と今後の使い方によって選択肢は変わります。

50代・60代なら10年後の収納まで考える

50代・60代で収納をリフォームするなら、現在の持ち物だけで決めない方がよいでしょう。

例えば10年後、

  • 洋服は今より減っているか。
  • 布団を使う機会はあるか。
  • 子どもや孫が泊まりに来るか。
  • 季節用品は残しているか。
  • 大きな荷物を持ち続けるか。

こうした変化によって、必要な収納も変わります。

今は衣類が多くても、将来的に整理する予定なら、収納を大きく作りすぎる必要はありません。

反対に、来客用の布団などを残す予定なら、押入れを維持する意味があります。

押入れをクローゼットにする前に確認したい7項目

リフォームを決める前に、次の項目を整理してみましょう。

1.押入れには何が入っている?

衣類、布団、季節用品などを書き出します。

2.一番よく使う物は何?

毎日使う物なら、取り出しやすさを優先します。

3.奥行きを活用できている?

奥に何年も使っていない物が入っていないか確認します。

4.布団はどこに収納する?

クローゼットに変更するなら、布団の収納場所も決めておきます。

5.大きな荷物はどうする?

スーツケースや季節家電などの置き場所を確保します。

6.和室は今後も使う?

和室を残すなら、押入れも活用する方法があります。

7.10年後も同じ収納が必要?

これから物が減る可能性も含めて判断します。

「押入れを残す」と「クローゼットにする」の判断基準

迷ったときは、次のように整理すると判断しやすくなります。

家庭の状況向いている選択
衣類を掛けて収納したいクローゼット
和室を洋室に変更するクローゼットを検討
布団を多く収納している押入れ
季節用品が多い押入れ
大きな荷物が多い押入れ
押入れの奥が使えていないクローゼットを検討
収納する物が減っている現状を整理してから判断
和室を残す予定押入れを残す方法も有力

この表を見ながら、現在の収納と照らし合わせてみてください。

✓ 会社選びで大切なこと

実際にリフォームを進めるときは、どの会社に依頼するかも大切です。 会社選びでまず確認したい4つのポイントをまとめています。

まとめ

押入れは、必ずクローゼットに変更した方がよいわけではありません。

衣類を中心に収納するなら、クローゼットが向いています。

一方、布団や季節用品、大きな荷物を収納するなら、押入れの奥行きが役立ちます。

また、押入れそのものを変更しなくても、

  • 中段を撤去する。
  • ハンガーパイプを取り付ける。
  • 収納ケースを見直す。

などの方法で、使い勝手を改善できる場合があります。

リフォームを決める前に、

「何を収納するのか」
「今の押入れの何が不便なのか」
「10年後も同じ収納が必要なのか」

を整理してみましょう。

収納をクローゼットに変えること自体が目的ではありません。

これからの暮らしに合った収納にすることが、リフォームで後悔しないためのポイントです。

FAQ

Q. 押入れとクローゼットはどちらが便利ですか?

収納する物によって異なります。

衣類を掛けて収納したいならクローゼット。

布団や季節用品、大きな荷物が多いなら押入れが向いています。

Q. 押入れをクローゼットにリフォームするメリットは?

衣類をハンガーに掛けやすくなり、収納した物も確認しやすくなります。

和室を洋室に変更する場合は、部屋全体の雰囲気をそろえやすくなるメリットもあります。

Q. 押入れをクローゼットにすると布団は収納できますか?

収納方法によります。

クローゼットの内部を布団収納に対応させることもできますが、ハンガーパイプや棚を設置すると、押入れより収納できる量が減る場合があります。

布団を多く使う家庭では、押入れを残す方法も検討しましょう。

Q. 押入れの中段は撤去した方がいいですか?

収納する物によって判断します。

掃除機やスーツケースなど高さのある物を収納したいなら、撤去すると空間を広く使えます。

布団や収納ケースを上下に分けたい場合は、残した方が便利です。

Q. 押入れにハンガーパイプを付けるだけでも使えますか?

可能です。

押入れの一部を衣類収納にして、残りを布団や季節用品に使う方法があります。

すべてをクローゼットに変更する必要がない家庭には、こうした部分的な変更も選択肢になります。

Q. 押入れをクローゼットにする費用はいくらですか?

工事内容によって異なります。

扉の交換だけで済む場合と、中段の撤去、内部造作、棚やハンガーパイプの設置、壁や床の補修まで行う場合では必要な費用が変わります。

見積もりでは、工事内容を確認しましょう。

Q. 和室を洋室にするなら押入れもクローゼットにした方がいいですか?

必ず変更する必要はありません。

ただし、床や壁、建具などを洋室仕様にするなら、押入れもクローゼットへ変更すると部屋全体の統一感を出しやすくなります。

布団や季節用品を多く収納している場合は、押入れを残す方法もあります。

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