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執筆:二級建築士 安藤勉
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使っていない押入れを、トイレに変更できる場合があります。
ただし、「押入れスペースがあるからトイレにできる」とは限りません。
便器を置くための広さだけでなく、扉の位置、出入りするスペース、給排水管のルート、換気などを確認する必要があります。
今回は、押入れをトイレに変更するときに必要な広さと、工事前に確認したい条件を解説します。
押入れをトイレに変更できる?
押入れをトイレに変更するリフォームは可能です。
ただし、どの押入れでもできるわけではありません。特に重要なのが、押入れの位置と既存の給排水管との距離です。
トイレには、給水だけでなく、使用した水を流すための排水管が必要です。
排水管は、排水桝に接続するパターンがほとんどですが、既存の排水管に接続するパターンもあります。
1畳あればトイレにできる?
押入れをトイレにするとき、気になるのが必要な広さです。
一般的な住宅のトイレは、1畳程度のスペース(0.5坪)があれば便器を設置できます。
注意したいのが便器の大きさだけでなく、
・便器の前に必要なスペース
・便器と壁の位置
・ドアを開閉するスペース
・手洗いや収納のスペース
・使いやすさ
まで考える必要があります。
押入れのスペースだけでは足りない場合は、隣の部屋などを少し利用できれば、扉の位置を変更して使いやすくできる場合もあります。
そのため、「1畳」という面積だけで判断するのではなく、幅と奥行寸法を確認することが大切です。
押入れの中に便器を設置する手順
押入れをトイレにする場合、まず押入れの中棚や天袋などを撤去します。
その後、床や壁の下地を作り、入口のドアなどを付けてトイレ用に仕上げることになります。
しかし、最も重要なのは、その前後にある設備工事です。
トイレには、
・給水
・排水
・換気
・照明
・コンセント
などが必要です。
温水洗浄便座を使うなら、電源も必要になります。
排水管をどう通すかが最大のポイント
押入れをトイレに変更するとき、特に重要なのが排水です。
便器から流した水を、排水桝まで適切に流せるようにする必要があります。
そのため、押入れの真下に排水管があるか、近くまで排水管を通せるかを確認します。
1階の押入れなら、床下を利用できる場合があります。
一方、2階の押入れをトイレにする場合は、排水管を1階まで下ろす必要があるなど、工事が大きくなることがあります。
また、床下の高さが十分でない場合は、排水管を通すために床を上げる必要が出ることもあります。
床が高くなると、トイレの入口に段差ができたり、廊下との高さが合わなくなったりするため注意が必要です。
近くに既存のトイレがあると有利?
押入れの近くに既存のトイレがある場合、配管計画を立てやすくなることがあります。
たとえば、既存トイレの近くに押入れがあるなら、給水や排水のルートを確認しやすくなります。
ただし、「トイレが隣だから必ず配管できる」とは限りません。
床下の基礎、既存配管の位置などによって、希望するルートを通せない場合があります。
換気も忘れてはいけない
トイレを新しくつくる場合、換気についても考える必要があります。
押入れには、換気設備はありません。
そのため、換気扇を設置し、屋外へ排気できるルートを確保する必要があります。
外壁側に近い押入れなら、比較的計画しやすい場合があります。
一方、家の中央付近にある押入れでは、換気ダクトをどこへ通すかが問題になることがあります。
トイレの場所を決めるときは、排水だけでなく換気まで一緒に確認しましょう。
扉の位置で使いやすさが大きく変わる
押入れをトイレにするとき、意外と重要なのが扉です。
内開きのドアの場合は、トイレの中のスペースが狭くなります。
そのため、廊下側へ開く扉や引き戸なども含めて検討します。
特に高齢になってからも使う予定なら、出入りのしやすさも考えておきたいところです。
押入れの奥行きが深すぎる場合も注意
押入れは、トイレとして使うには奥行きが深いことがあります。
その場合、便器を奥に置きすぎると、入口から便器までの距離が長くなります。
逆に、奥に余ったスペースができるなら、収納として利用できる場合もあります。
ただし、配管スペースや点検のための場所が必要になることもあります。
押入れの奥行きをすべてトイレの有効スペースとして考えるのではなく、設備や収納も含めて計画することが大切です。
トイレにできない押入れもある
次のような押入れは、トイレへの変更が難しくなる可能性があります。
排水管までのルートが確保できない
便器から既存の排水管まで、適切なルートを確保できない場合です。
床下が低い、梁や基礎が邪魔になるなど、住宅の構造によって制約されることがあります。
換気のルートを確保できない
換気扇を設置しても、適切に屋外へ排気できなければなりません。
家の中央付近など、外壁までのルートが取りにくい場所では注意が必要です。
構造上、壁を変更できない
押入れをトイレにするために、入口の位置を変更したり、周囲の壁を撤去したりする場合があります。
その壁が建物を支える構造上重要な壁なら、自由に変更できないことがあります。
押入れをトイレにするときの確認ポイント
リフォーム会社に相談するときは、次の点をまとめて確認しましょう。
1.押入れの正確な寸法
幅、奥行き、高さを測ります。
中棚や天袋を撤去した後に、どれだけの空間を確保できるかも確認します。
2.トイレが使えない期間はあるか
押入れをトイレにリフォームする場合、給水管や排水管の工事が必要になります。
既存のトイレが使えない期間がないか?事前に確認しておきましょう。
3.排水管をどこへ接続するか
押入れから既存の排水管までのルートを確認します。
床下や壁の中にどのような障害物があるかも重要です。
4.床を上げる必要がないか
配管のために床を上げる場合は、廊下との段差がどうなるか確認します。
5.換気をどこへ出すか
換気扇から屋外までの排気ルートを確認します。
6.電源を確保できるか
温水洗浄便座などを使う場合は、必要な電源を確保します。
7.将来も使いやすいか
現在だけでなく、将来の使いやすさも考えます。
手すり設置ができるか?扉の開き方や出入口の幅なども含めて計画しましょう。
リフォーム会社に確認したいポイント
1畳程度の押入れスペースがあれば、便器の設置が可能です。
建築のプロに、給水、排水、換気、電気、扉の位置、床の高さなども確認してもらいましょう。
「この押入れをトイレにリフォームした場合のメリットとデメリットを教えてください」とリフォーム会社に聞いてみましょう。
また、見積りを取るときは、便器の価格だけでなく、押入れの解体、給排水、換気、電気、床・壁の仕上げ、建具などが含まれているか確認しましょう。
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