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執筆:二級建築士 安藤勉
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洗濯物を洗うために洗濯機を回す。
↓
その後、洗濯物を2階へ運んで干す。
↓
乾いたら、また1階へ持ってきて、たたんで収納する。
毎日のことだからこそ、この上下移動を負担に感じる方もいるのではないでしょうか。
特に50代、60代になると、階段を何度も上り下りする家事は、少しずつ負担になっていくことがあります。
そこで考えたいのが、洗濯を1階で完結できる家事動線です。
今回は、「洗う・干す・しまう」をできるだけ1階にまとめるリフォームについて紹介します。
洗濯は「洗う」だけではない
洗濯というと、洗濯機を回すことをイメージしがちです。
しかし実際には、
洗う → 干す → 取り込む → たたむ → しまう
という多くの作業があります。
例えば、洗濯機が1階にあっても、干す場所が2階なら洗濯物を階段で運ばなければなりません。
さらに、乾いた洗濯物を収納する場所が2階なら、また移動が必要です。
そのため、洗濯を楽にするには、洗濯機だけでなく一連の動線を見直すことが大切です。
1階で洗濯を完結させるメリット
洗濯を1階でできるようにすると、毎日の上下移動を減らせます。
例えば、
- 洗濯物を2階へ運ばなくていい
- 乾いた衣類を階段で運ばなくていい
- 洗濯にかかる移動時間を減らせる
- 重い洗濯物を持って階段を上り下りする必要がなくなる
といったメリットがあります。
今は問題なくても、将来的に階段の上り下りが負担になったときにも役立ちます。
「洗う・干す・しまう」を近づける
洗濯動線を考えるときは、設備を一つずつ考えるのではなく、一連の作業をまとめて考えることがポイントです。
例えば、
洗濯機 → 物干し → 収納
をできるだけ近づけます。
洗濯機のすぐ近くに室内干しスペースがあれば、洗濯物を長い距離運ばずに済みます。
さらに、その近くに収納があれば、乾いた洗濯物をしまう作業も楽になります。
1階に室内干しスペースをつくる
洗濯を1階で完結させるなら、干す場所をどうするかが重要です。
例えば、
- 洗面脱衣室
- ランドリールーム
- サンルーム
- 室内物干しスペース
などがあります。
天候に左右されずに干せるため、室内干しが中心の家庭にも向いています。
ただし、室内干しスペースをつくる場合は、換気や湿気対策も考えましょう。
洗濯物から出る水分が室内にこもると、カビや結露の原因になることがあります。
洗面脱衣室を広げる方法もある
大きなランドリールームを新設しなくても、洗面脱衣室を少し広げて物干しスペースをつくる方法があります。
例えば、
洗濯機
↓
室内物干し
↓
洗濯物をたたむスペース
という流れにします。
洗濯機の近くで作業が完結するため、移動距離を短くできます。
ただし、洗面所を広げすぎると、ほかの部屋が狭くなることもあります。
家全体のバランスを見ながら計画しましょう。
1階に収納をつくる
洗濯を1階で完結させるなら、収納場所も重要です。
せっかく1階で洗濯しても、乾いた衣類を2階まで運ぶのであれば、上下移動は残ってしまいます。
そこで、
- ファミリークローゼット
- 洗面所近くの収納
- 寝室近くのクローゼット
- リビング近くの収納
などを検討します。
特に毎日使う衣類を1階にまとめれば、洗濯後の移動を減らせます。
収納を増やす前に「何をしまうか」を考える
収納を増やせば便利になるとは限りません。
例えば、洗濯物を収納するために大きなクローゼットをつくっても、実際には使わない衣類ばかりになってしまうことがあります。
まず、「1階に何を置きたいのか」を整理しましょう。
普段着、タオル、下着など、毎日使うものを1階にまとめるだけでも、かなり動線を短くできます。
洗濯物をたたむ場所も考える
意外と忘れやすいのが、洗濯物をたたむ場所です。
洗濯機の上や床でたたむのではなく、ちょっとしたカウンターを設置すると作業しやすくなります。
例えば、
洗濯機 → 干す → 取り込む → カウンターでたたむ → 収納
という流れをつくります。
すべてを同じ部屋に入れる必要はありません。
できるだけ移動距離が短くなるように配置することがポイントです。
1階で外干しする方法もある
室内干しだけでなく、1階の庭やテラスに干す方法もあります。
洗濯機から外までの距離が近ければ、洗濯物を運ぶ負担を減らせます。
ただし、庭やテラスの位置によっては、道路から洗濯物が見えやすくなる場合があります。
外からの視線や防犯面も考えて、物干し場所を決めましょう。
将来を考えて家事動線を見直す
50代、60代でリフォームするなら、現在だけでなく将来の生活も考えてみましょう。
今は階段を何度も往復できても、10年後、20年後には負担になる可能性があります。
だからこそ、
「今できるか」ではなく「将来も続けられるか」
という視点が大切です。
洗濯を1階で完結できるようにしておけば、将来的に2階をあまり使わなくなった場合にも対応しやすくなります。
すべてを1階に集める必要はない
ただし、洗濯に関するものをすべて1階に集めなければならないわけではありません。
例えば、
- 洗濯機は1階
- 物干しも1階
- タオルや普段着は1階
- 季節物の衣類は2階
という使い分けもできます。
重要なのは、毎日の洗濯で何度も階段を使わなくて済むことです。
家族構成や収納量に合わせて、必要なものだけ1階に移しましょう。
リフォーム前に今の動きを確認する
洗濯動線を変える前に、現在どのように洗濯しているかを書き出してみましょう。
例えば、
- 1階で洗濯する
- 洗濯物を2階へ運ぶ
- 2階で干す
- 取り込む
- 1階へ運ぶ
- リビングでたたむ
- 2階の収納へ戻す
というように整理します。
こうすると、どこで移動が多いのかが見えてきます。
そのうえで、
「どの移動をなくしたいのか」
を決めてからリフォームすると、必要な工事が見えやすくなります。
洗濯動線だけでなく家全体の間取りも確認
洗濯を1階で完結させるために間取りを変更する場合は、洗濯スペースだけを考えてはいけません。
洗面所を広げれば、隣接する収納や廊下が狭くなることがあります。
また、壁を撤去する場合は、住宅の構造に影響する可能性もあります。
そのため、希望する動線が実現できるか、リフォーム会社などに現状の間取りを確認してもらうことが大切です。
まとめ
洗濯を楽にするポイントは、洗濯機だけを使いやすくすることではありません。
洗う→干す→取り込む→たたむ→しまう
という一連の作業を、できるだけ近づけることが大切です。
例えば、
- 1階に洗濯機を置く
- 1階に物干しスペースをつくる
- 1階に収納をまとめる
- 洗濯物をたたむ場所をつくる
- 階段を使う回数を減らす
といった方法があります。
すべてを1階に集める必要はありません。
まずは、現在の洗濯動線を確認して、毎日の中で何度も繰り返している上下移動を減らすことから考えてみましょう。
50代・60代からのリフォームでは、今の家事を楽にするだけでなく、将来も無理なく続けられることが重要です。
洗濯を1階で完結できる住まいにすることは、毎日の小さな負担を減らし、これからの暮らしを楽にするリフォームの一つです。
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