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執筆:二級建築士 安藤勉
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トイレが狭く、便器に座ると動きにくい。
将来のことを考えると、もう少しゆとりがほしい。
このような場合、トイレの壁を動かして、今より広くできることがあります。
ただし、壁を壊せるか?
私たちは20年以上、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談を受けてきました。その経験をもとに、この記事では、狭いトイレを壁の移動で広くする方法を分かりやすく解説します。
トイレ壁を動かして広くできる?
結論からいうと、トイレの間仕切り壁を移動して広くすることは基本的には可能です。
例えば、トイレの隣が廊下や収納、使っていないスペースなら、その部分をトイレ側に取り込む方法があります。
建物を支える役割を持つ部分は簡単に移動できません。
そのため、トイレだけを見て判断するのではなく、周囲の間取りまで確認することが大切です。
狭いトイレを広くする3つの方法
隣のスペースをトイレに取り込む
最も分かりやすいのが、隣接するスペースをトイレに取り込む方法です。
例えば、トイレと廊下の間の壁を移動します。
トイレの横幅や奥行きを広げられるため、便器の前後や横にゆとりをつくれます。
ただし、廊下が狭くなりすぎないかも確認が必要です。
トイレだけ広くなっても、家の中の動線が使いにくくなっては意味がありません。
トイレと収納などの境目を移動する
隣が収納などの場合は、収納を小さくしてトイレを広げる方法もあります。
収納を完全になくす必要はありません。
壁を少し移動して、トイレに必要な分だけスペースを増やす考え方もできます。
「トイレを大きくする」だけでなく、「収納とトイレのバランスを見直す」と考えると、間取りの選択肢が増えます。
壁とドアの位置を変える
トイレが狭く感じる原因は、部屋の広さだけとは限りません。
ドアを開けたときに便器や壁が近かったり、入口の位置によって動きにくかったりすることがあります。
その場合は、壁の移動と一緒にドアの位置や開き方を見直します。
引き戸に変更できれば、ドアを開けるためのスペースをトイレ内に確保する必要がなくなる場合もあります。
壁ならどこでも動かせるわけではない
トイレの壁を動かすリフォームで、最初に確認したいのが壁の種類です。
住宅の壁には、部屋を仕切るための間仕切り壁だけでなく、建物の構造に関係する壁があります。
間仕切り壁であれば、撤去や移動ができる可能性があります。
一方、構造上重要な壁や柱などは、同じように考えることができません。
特にマンションでは、専有部分の壁に見えても、建物の構造や共用部分との関係があるため注意が必要です。
マンションの場合は、工事前に管理規約や管理組合への確認も必要になります。
「この壁は壊せそう」と見た目だけで判断しないことが重要です。
壁を動かすときは配管も確認する
トイレの壁を動かすときは、配管の位置も確認します。
トイレには給水管だけでなく、汚水を流す排水管があります。
壁を移動した結果、配管との位置関係が変わることもあります。
また、手洗い器を新しく設置したり、便器の位置を変更したりする場合は、給排水工事も関係します。
そのため、間取り図だけで「この壁を50cm動かせばいい」と決めるのは危険です。
床下や壁の中にどのような配管が通っているのか、現場で確認する必要があります。
壁を動かす前に確認したい5つのこと
トイレを広くする計画では、次の点を確認しましょう。
1つ目は、動かしたい壁が間仕切り壁なのかどうかです。
2つ目は、隣の部屋や廊下をどこまで使えるかです。
3つ目は、給水管や排水管の位置です。
4つ目は、ドアの位置や開き方です。
5つ目は、手すりなどを取り付ける場所を確保できるかです。
この5つを確認してから、具体的な間取りを考えると失敗しにくくなります。
特に重要なのは、壁を動かす前に現場を確認することです。
図面だけでは、壁の内部や床下の状態まで分からないことがあります。
「広くしたい」だけでなく使い方を伝える
リフォーム会社に相談するときは、「トイレを広くしたい」とだけ伝えるより、困っていることを具体的に伝えましょう。
例えば、
「便器の前が狭くて動きにくい」
「立ち座りするときに壁が近い」
「将来手すりを付けたい」
「ドアを開けるときに邪魔になる」
困っている動作が分かれば、壁を動かす以外の方法も含めて検討できます。
場合によっては、便器の向きや位置、ドアの変更だけで使いやすくできることもあります。
大切なのは、「壁を動かすこと」ではなく「トイレを使いやすくすること」です。
トイレを広くするリフォームは現場確認から
狭いトイレでも、隣のスペースとの境にある壁を移動できれば、今より広くできる可能性があります。
ただし、構造、配管、ドア、隣室とのバランスによって、できることは変わります。
そのため、最初から「壁を○cm動かしたい」と決める必要はありません。
まずは現在のトイレで何が不便なのかを整理しましょう。
そのうえで、壁を動かす方法と、便器やドアの位置を変える方法を比較します。
リフォーム会社に相談するときは、現場を見てもらい、壁の種類や配管の位置まで確認してもらうことが大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、安さだけで決めるのではなく、現場確認や見積りの内容まで確認しましょう。
まとめ
狭いトイレは、壁を移動して広くできる場合があります。
ただし、間仕切り壁なのか、構造に関係する壁なのかで、できる工事は変わります。
さらに、給排水管やドアの位置、隣の部屋とのバランスも確認が必要です。
「とにかく広くする」のではなく、今困っている動作と将来の使いやすさから必要な広さを考えましょう。
そのうえで現場を確認し、壁を動かす方法と他の方法を比較することが、失敗しないトイレリフォームにつながります。
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