著名な建築家が設計した建物は、魅力的なデザインはもちろん、文化芸術の交流の場としての役割もあるため、ランドマーク的な存在になっています。現在、大規模再開発プロジェクトである「天神ビッグバン」によって福岡市中央区天神エリアは様変わりしていますが、本記事で紹介する5つの名建築達は、再開発で建つビルと比べても負けるどころか魅力溢れるものばかり。福岡観光の際は、ぜひお立ち寄りください。
アクロス福岡
アクロス福岡は、アルゼンチン、ブエノスアイレス出身の建築家エミリオ・アンバースが設計。建物は、高さ60mで地上14階、地下4階でオフィススペースや福岡シンフォニーホールや国際会議場を備えた複合施設。
1995年に建てられた当初は、賛否両論ありましたが、現在は、福岡市天神のシンボル、ランドマーク的な存在に。南の天神中央公園側は、階段状にデザインされたステップガーデンに様々な植栽が植えられ、現在は緑化が進み、山のように見えます。緑化された部分は遊歩道が整備され、屋上までわずが10分程度で登頂も可能です。
アクロス福岡
福岡県福岡市中央区天神1丁目1番1号
福岡市赤煉瓦文化館
福岡市赤煉瓦文化館は、東京駅を設計した辰野片岡建築事務所(辰野金吾・片岡安)が手掛けています。当初は、1909年(明治42年)に日本生命保険株式会社九州支店として建てられましたが、福岡市が買取り、福岡市歴史資料館として開館。その後解体調査や復元工事の末、1994年(平成6年)に福岡市赤煉瓦文化館としてリニューアルオープンしました。
赤レンガの外壁白い花崗岩の帯、ドーム屋根は、19世紀末の英国で流行したクイーンアン様式の影響を受けています。明治末期の本格的な煉瓦造建築物として、国の重要文化財に指定。那珂川にかかる西中洲橋のたもとにあり、那珂川リバークルーズの利用客からも人気のスポットです。
福岡市赤煉瓦文化館
福岡市中央区天神1丁目15番30号
福岡銀行本店ビル
福岡銀行本店ビルは、愛知県出身の建築家黒川紀章が設計。濃灰色の花崗岩に覆われた外観と、ピロティと呼ばれる軒下の大空間は思わず見上げてしまう不思議な魅力があります。
敷地の1/3の広さの大空間は、公開空地として市民に開放され、イベントスペース、休憩場所として貴重なオープンスペースに。都市の文化を育てるという思想に基づき、地下には音楽ホールが設けられています。
福岡銀行本店ビル
福岡市中央区天神1丁目13番1号
福岡県立美術館
須崎公園内に建つ福岡県立美術館は、愛知県出身の建築家佐藤武夫が設計。1964年(昭和39年)当初は、福岡県文化会館として福岡市民に親しまれてきました。昭和60年(1985年)に図書館を分離し、現在の福岡県立美術館として再スタート。
「ケンビ」の愛称で親しまれ、福岡県にゆかりのある芸術作品が収蔵されています。しかし、福岡県立美術館は建物の老朽化に伴い大濠公園に移転することが決定しました。2029年度中に建築家の隈研吾が設計した福岡県立美術館が開館する予定です。解体される前に、ぜひお立ち寄りください。
福岡県立美術館
福岡県福岡市中央区天神5丁目2番1号
光圓寺
光圓寺は、東京都出身の建築家柿沼守利が設計した寺院。一般的な寺院にみられる建築様式とは違い、外観は杉板を用いた本実加工の打ち放しコンクリートで囲まれている。内側は、外観の荒々しさとは違い、丁寧に仕上げられた打ちっ放しコンクリートの壁面が中庭を囲んでいます。
寺院内は、木漏れ日が差し込み、賑やかな天神エリアの中とは思えない空間が広がっています。
光圓寺
福岡市中央区天神3丁目12番3号
以上が、福岡天神エリアで著名建築家が手掛けた名建築5選でした。グルメ天国と呼ばれる天神エリアで、まち歩きする際は、ぜひ訪れてみてください。