
リノベーション済みの中古物件は、新築と同じくらい綺麗でオシャレなデザインばかりです。しかも、新築より価格がリーズナブルでメリットが多い半面、住んでみたら「こんなはずではなかった」というトラブルも少なくありません。
今回は、建築士の視点から、リノベーション物件を購入する前に、必ずチェックしたいポイントをお伝えします。
築年数が古い戸建て住宅や、マンションの場合、耐震性や断熱性なども気になるところですが、意外と多いトラブルが次の2つです。
1.電気の容量
電柱から家に入ってくる電線の種類、太さによって電気の容量が決まっています。古い物件は、電線が細いタイプが多く、なかには、30A(アンペア)までしか使えない場合もあります。電子レンジやドライヤー、エアコンを同時に使用するとブレーカーが頻繁に落ちて、停電してしまうこともあります。
電気容量のチェックポイント
一般的に、4人家族の場合、電気の容量は40A~60A必要です。省エネ家電が増えたとはいえ、最近は、家電料理器具や、パソコンなど電気を使う機器が増えています。リノベーション物件を下見した時に、電気の容量をチェックしましょう。
- 分電盤を見て、アンペアブレーカーの容量を確認する
- 電気容量が小さい場合は、どこまでアンペア容量をあげられるか?販売業者へ確認する
2.古い水道配管(水・お湯)
キッチンやお風呂が新品でも、床下や壁の中にある見えない(隠ぺい部)水道配管が交換されていない場合があります。格安のリノベーション物件は、古いまま使用されている可能性が高いため、特に注意してください。
金属製の旧タイプの配管の場合、経年劣化によって、いつどこから漏水が発生しても不思議ではありません。最悪の場合、住み始めて2年~3年で漏水が発生し、自費で高額なリフォーム費用を負担しなければならない可能性もあります。
水道配管のチェックポイント
リノベーション物件を見学時に、水道配管について以下の2点を販売業者を必ず確認しましょう。
- 水道とお湯(給湯)配管はどこまで新しくなっているか?
- 新しくなった水道配管の素材を教えてください
システムキッチンやシステムバス、給湯器のまわりだけ、水道配管が新しくなっているのか?水道メーターから、家の中全部、水道とお湯の配管が新品になっているか?床下や壁の中にある見えない配管が交換されているか?チェックが必要です。
最近新築やリノベーションで使われる水道配管の素材は、耐久年数が長く、架橋ポリエチレン管やポリブデン管、通称「ポリ管」と呼ばれる配管が使われています。この他に、昔からよく使われているVP管より強いHTVP管や、錆に強い高価なステンレス鋼管もありますが、地震や衝撃に強い「ポリ管」がオススメです。
今回は、リノベーション物件の購入前に確認しておきたい電気や水道など、インフラ部分のチェックポイントを紹介しました。事前に確認することで、購入後の失敗を確実に防げます。リノベ物件を見学される際は、頭にいれておいてください。