今回は、屋根に使われる人気の建材「ガルバニウム鋼板」の劣化症状と必要なメンテナンス方法をご紹介します。
この記事の目次
ガルバリウム鋼板の劣化症状
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム、亜鉛、シリコンの合金メッキ鋼板です。表面は製造時に塗装されます。屋根や外壁にも使われ、サビに強く耐久性が高いため、現在最も人気の屋根材です。ガルバリウム鋼鈑は、長持ちする屋根材と言われていますが、周辺環境によって以下のような劣化症状が見られます。
色褪せや変色
紫外線や雨風の影響で、塗膜の色が薄くなったり、変色したりします。これは塗膜の劣化の初期段階です。
チョーキング
塗膜の表面が紫外線などにより分解され、白い粉状のものが付着する現象です。手で触ると粉が付くのが特徴で、塗膜の防水機能が低下しているサインです。
サビ
塗膜の剥がれや傷などから発生し、鋼板そのものが酸化してできます。放置すると腐食が進行し、穴が開くこともあります。
コケやカビの発生
塗膜の劣化により撥水性が低下すると、雨水などが留まりやすくなり、コケやカビが発生することがあります。これらは美観を損ねるだけでなく、塗膜の劣化をさらに進行させる原因にもなります。
塗膜の剥がれやひび割れ
紫外線や温度変化、経年劣化などにより、塗膜が剥がれたり、ひび割れが生じたりすることがあります。これにより、鋼板が直接雨水や空気に触れやすくなり、サビの発生につながります。
変形やへこみ
強風による飛来物や積雪、人的な要因で、屋根材が変形したり、へこんだりすることがあります。これにより、雨水の流れが悪くなったり、塗膜が剥がれたりする可能性があります。
ガルバリウム鋼板に必要なメンテナンス
ガルバリウム鋼板の屋根を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。主なメンテナンスとしては以下のものがあります。
定期的な清掃
年に数回、ホースなどで屋根の表面に付着した、埃や砂などの汚れを洗い流します。特に、塩害地域や交通量の多い地域では、こまめな清掃が重要です。
定期的な点検
5~10年を目安に、専門業者による定期的な点検を受けましょう。特にガルバリウム鋼板の屋根は、自分では確認しにくい、棟板金の浮き、コーキング材の劣化、サビの発生などを早期に発見できます。
再塗装
ガルバリウム鋼板の表面にチョーキング現象が見られたり、塗膜の劣化が進行している場合は、再塗装を検討します。一般的に、10~15年が再塗装の目安とされていますが、環境によって時期は異なります。再塗装により、防水性や防錆性を回復させ、屋根材の寿命を延ばすことができます。
カバー工法・葺き替え工事
ガルバリウム鋼板屋根の劣化が著しい場合や、下地材の傷みがひどい場合は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねるカバー工法や、古い屋根材を撤去して新しい屋根材に葺き替えるリフォームが必要です。一般的に、築20年以上経過している場合は、これらの工事も視野に入れる必要があります。
以上が、ガルバリウム鋼板の劣化症状と必要なメンテナンスです。
立地環境や屋根材の状態によってメンテナンスの時期は異なります。特に、海岸地域など塩害の影響を受けやすい地域では、より早めのメンテナンスが必要です。
適切なメンテナンスを行うことで、ガルバリウム鋼板の屋根は30~40年程度の耐用年数を期待できます。メンテナンスを怠ると、早期に劣化が進み、結果的に高額な修理費用がかかることになるため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
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