フローリングとは、床を覆うために木質系の素材(板材)のことです。
複層フローリングと
無垢フローリングの2種類があります。
複層フローリングは基本の材料である合板に薄い天然木を表面に張ったものです。
無垢フローリングは天然木をそのまま使用したものです。
いずれも自然な質感があり、素材や色が豊富です。複層材は、工業製品という面が強く、無垢材は自然のものという位置づけで考えればよいでしょう。
床材(フローリング)の種類と特長
・床材は内装の印象を決める重要な要素です。
そこで、床材を決めるために必要な長所や短所、デザインなどをまとめました。
この記事の目次
複層フローリング(複合)
・ 一般的にフローリングと呼ばれている場合に使われる床材のことです。
基材(木を薄く剥いで作った板を何枚も重ね接着剤で張り合わせた合板)の上に、厚み約0.5~1?程度の薄い単板(自然木の1枚板のことで、主にナラ、カエデ、ブナ、カバなど)を貼って作られたもの、木目が印刷された特殊フィルムを貼り合わせた、化粧シートなど特殊加工のタイプに分けることができます。
これら下地となる基材は、材料の規格により3つに区分されています。
(複合一種)… 合板だけを基材として使ったもの
(複合二種)… 集成材*または、単板積層材*を基材として使ったもの
*木の繊維方向が揃うように裁断・接着して作られた板材
(複合三種)… 一種と二種の組み合わせ、またはそれ以外の材料と組み合わせた板材
一般的には、合板のみを基材とした(複合一種)が最も多く流通しています。
仕上げには、表面をキズや擦れなどから守るために、コーティング剤が塗られています。近年、このコーティング剤の性能が飛躍的に向上し、10年前に比べると耐久性や汚れにくさの性能が優れてきています。リフォームするときに、床材に特にこだわりがなければ、この「複層フローリング」を選べば間違いはないでしょう。
複層フローリングのメリット・デメリット
■メリット
・傷がつきにくい。子供部屋や、ペットの出入りのある部屋に適しています。
・耐水性がある。液体をこぼしてもシミになりにくいため、キッチンやリビングに適しています。
・ノンワックスのフローリングはワックスをかける必要がありません。
・耐熱性があるので、反りや膨張、収縮などの変形があまりありません。
(注)床暖房をする場合は、適したフローリング材を選びましょう。
・衝撃に対する強さや、外部からの音を遮る性質など用途により使い分ける商品が豊富です。
・メンテナンスがしやすい。
・デザインや色の種類が豊富にあります。
・抗菌や抗アレルゲンなどを施したものがあります。
■デメリット
・単板の表面が剥がれた場合の補修が困難です。
・踏んだ感触が硬い。
・仕上げ材の種類によっては見た感じの高級感がないものがあります。年月が経てば安っぽい印象を受けます。
複層フローリングの色選びと種類
・複層フローリングには、表面の単板や塗装によって豊富な種類があります。
(ホワイト系)
・部屋の広さや、明るさを強調するために使われることが多いようです。
色調としては、大理石調・タイル調・木目調などがあります。
(ミディアム系)
・木が持つ自然な風合いを出した色調です。柔らかく落ち着いた空間づくりに向いています。
建具の色も合わせると効果的です。
(ダーク系)
・ダーク色は、いかにもぜいたくで落ち着いた大人の雰囲気を漂わすのに向いています。
相性が良い建具の色は、同系色のダークかホワイトがいいでしょう。
無垢(むく)フローリング(単層)
・無垢フローリングとは、無垢の木材で作られたフローリングのことを言います。「無垢の木材」というコトバの定義は、木を継ぎ足したような加工を施さず、木の断面を見て一つの木材からできているものを指します。天然の木をそのまま1枚の板として利用する木材そのものの素材感があります。使用する木の種類も、「広葉樹」を材料にしたものや、「針葉樹」を材料にしたものなど豊富です。一般的に、空気を多く含んでいるため保温性や断熱性が高いのが特徴です。湿度の高い季節には湿気を程よく吸収し、乾燥しやすい季節では蒸気として排出するという調湿作用もあります。柔らかい材質であれば、弾力性もあり足腰への負担もありません。
ただ、天然材のため湿度変化による影響を受けやすく、膨張や収縮のため反ったり割れてしまうことがあります。最近では、それらの性能を高めるため特殊な処理を施した商品もみられ、床暖房に対応したタイプもでてきました。樹種により特長が大きく変わるためよく調べた方がよいでしょう。
無垢フローリングの種類・特長
無垢材のフローリングとして一般的なのは「広葉樹」です。堅さと重さがあり強度も高く、天然材にしては傷がつきにくいのが特長です。種類としては、オーク、メープル、チーク、ウォールナットなどがあります。木に含まれる空気の割合が低いため、収縮した場合隙間や反りが少ないといわれています。価格は高めですが、高級感のある仕上げを望むならば最適な樹種です。
日本産の「広葉樹」は次の種類があります。
カツラ(桂)… 主に北海道産が主流です。木質は軽く、加工がしやすいのが特長です。
カバ … 耐久性に優れ、堅い材質です。木目ははっきりとは見えませんが、全体的に繊細な美しさがあります。
キリ(桐) … 木質は、軽くて柔らかですが湿気を通しにくく、虫よけや腐朽に対し強い面があります。木目には、白色の光沢があり高級家具などにも使用されています。
クスノキ(楠)… 原産は、日本・中国など。香りに特長があり、樟脳などの防虫剤としても使われています。木目は淡く、色は少し黒味を帯びた赤色です。
クリ … 北半球の温暖な地域に広く生息。堅く腐食に強い性質を持っています。木目は、はっきりとしており、高級木材として扱われています。
クワ(桑) … 日本国内では、「島桑」という高級木材として有名です。木質は堅く、耐久性がありますが、良質なものは希少です。色目は、渋さを帯びた黄色です。
ケヤキ … 耐久性が高く、良質の木材として一般的に広く利用されています。木目はきれいで、中心部の色は淡く赤みがかっています。
トチノキ(栃の木)… 主に東北地方に分布しています。堅くないため加工しやすいのですが、木の乾燥が充分でないと寸法に狂いが生じてきます。耐久性は、高くはありません。色目は、赤味を帯びた乳白色で木目は、はっきりしていません。
ブナ … 重い材質です。水分を吸収しやすいため、腐食や変形に弱い点があります。
色目は淡い赤色で、木目は独特の模様が特長です。国内の広葉樹の利用では、最も多く利用されている材料でもあります。
もうひとつは「針葉樹」を使ったフローリングです。種類としては、パイン、ヒノキ、スギ、アカマツ、カラマツなどがあります。素朴な風合いがあり、軽さと柔らかさがあるのが特徴です。日本では、古くから住宅として使われてきました。ソフトな感触は、足腰の負担を抑えることができます。
無垢フローリングのメリット・デメリット
■メリット
・自然の木目が綺麗です。仕上げ塗装の色を変えることで様々な風合いを楽しめます
・踏んだ感触が柔らかく、足への負担が低い
・自然木特有の香りや暖かさがあります
・傷をつけた場合、補修は削ることで目立たなくできます
・年月を経ることで、味わいや深みが出てきます
■デメリット
・複合フローリングより、価格が高い
・水分に対し、弱い木が多い
・天然材なので、同系の色でもばらつきが大きい
以上、フローリングの種類について説明しました。
それぞれの長所と短所を知ったうえで選ぶようにしましょう。