Aさんはリフォーム業者に気になることや分からないことがあったら、1つ1つリフォーム業者に確認して細かい所まで打ち合わせを行い、リフォームを注文しました。これに対して、Bさんは打ち合わせが面倒で時間もなかったので、見積もり金額だけ確認してリフォーム業者に注文しました。
…結果、Aさんはリフォームが成功し大喜び。対してBさんは思い描いていたリフォームができませんでした。「こんなはずじゃなかったのに…」Bさんは悔やんでも悔やみきれません。
賢明な方はすでにお気づきだと思いますが、Aさんはリフォーム業者と細かい所まで打ち合わせをしてリフォームを行いましたので、自分が思い描いていたリフォームが出来ました。Bさんはリフォーム業者とまともな打ち合わせをせずに、すべてをお任せしたので、想像していたリフォームとまったく違うリフォームになってしまいました。また、リフォームされると思っていた部分が見積もり内容に盛り込まれていなかったため、工事がされなかったといったトラブルも発生してしまいました。
極端な例を挙げてご説明いたしましたが、特殊な事例ではありません。Bさんのような失敗は誰にでも起こり得ることなのです。
Bさんのように時間がないからといって、リフォーム業者にすべてを任せてしまうのは賢明ではありません。少ない時間でも重要な事項は確実に確認して無用なトラブルを避けるようにしましょう。
思わぬ工事範囲と痛い追加工事費?
リフォームの失敗で多いと言われるのが、工事範囲の認識不足で起きてしまうトラブルです。施主が考えていた範囲まで、見積もりに含まれていなかったため施工が行われなかったというようなトラブル。
具体的には次のような例があります。世間一般の常識はリフォームには通じませんので、先入観なくしっかりと確認していきましょう。
●「玄関ドア塗装」とあったので、両面塗装してもらえると思っていたら外側だけであった。内側の塗装を頼むと、見積には含まれてないから別途費用になると言われた。
●「出窓」の完成後、カーテンレールが付いてないのは何故か?と聞くと「カーテンレール取り付けは別途工事です」と言われてしまった。
●押入れを壊した後、中にあるタンスも捨ててもらえると思ったら、処分費用がかかると言われた。仕方ないので追加料金を支払い処分したが、事前にわかっていれば粗大ゴミとして出すことができた…。
●工事の途中で、タイル貼りの面積を少し広げて貰うように頼んだ。その間、費用の話もなくサービスと思っていたら、後日請求書を見ると追加費用が含まれていた。
リフォームにおける理想と現実の違い
「リフォームが完成したのはいいが、イメージしていたものと違う」という失敗も多くあります。原因としては、リフォーム業者と施主のイメージの違いやカタログと現物の違いなどがあります。
説明や図面通りにできてはいても、イメージしていた姿と実物にズレがあると、せっかくのリフォームも後々まで不満が残ってしまいます。まだ出来上がっていない段階で、契約をするリフォーム特有の失敗と言えるでしょう。例えば、「キッチンを広くしたい」と伝えても、業者側と依頼主が思う「広さ」は同じではないかもしれません。
事例)…
●家具を取り付けたが、取手が派手で全体と合わない。他の品と交換を求めたが打ち合わせでの品番通りなので、交換するには追加費用が掛かると言われ、あきらめた。
●壁のクロスを貼り替えた際、小さなサンプルで選んだが、部屋全体になると柄が派手に見え落ち着かなくなった。
●外壁塗装の際、見本では薄い色を選んだが、家全体を塗り終えると白くなってしまい、汚れが目立つのではないかと気になる。
●キッチンをリフォームしたら、図面だと違和感は無かったが、できてみると狭苦しく使いにくいキッチンになってしまった。
リフォームを成功させるために
〇工事範囲を明確にする
リフォーム業者とあなたが認識している工事範囲にズレがあると大きな問題になります。。大事なことは、見積りの説明の際工事をする場所を実際に見ながら確認します。施工業者にできる部分とできない部分をよく聞き工事範囲を明確にしましょう。また、打ち合わせた内容は図面に記入しておくとあとあとの確認に役立ちます。口頭での約束は、時間が経つほど「言った、言わない」のトラブルに発展します。追加工事や変更箇所も含め図面や書面に残しておきましょう。工事中の変更際、現場の職人さんとの口約束で進めてしましがちですが、現場管理者に伝わっていないと思わぬ追加費用が発生しますので、現場監督に確認して施工費用の増減を確認しましょう。
〇追加工事と費用の不安をなくす
リフォームの契約後、追加の工事が発生することはよくあります。単に打ち合わせの不足で追加が必要になってしまうのはいただけません。しかし、どうしても仕方ない例があります。それは、壁を解体したら内部が腐っていたので工事範囲が広がってしまったという例です。事前に調査を行っていても、開けてみないとわからない部分があります。大切なのは工事店に様々なケースでの追加費用を想定してもらうことです。
また、追加工事を頼んだ時点では費用の話が無かったのでサービス工事と思っていたら、最後に追加費用を請求されたなどの事例もありますので注意が必要です。
〇イメージのズレをなくす
施主が工事店にイメージを伝えるときは、事例写真、カタログ、リフォーム雑誌を見てもらい、具体的に伝えましょう。
「この部屋は明るいイメージでお願いします。」
といったアバウトな要望を伝えるよりも
「この部屋は、この施工事例写真のように仕上げてください。」
と伝えた方が間違いありません。
また、間取り変更などのリフォームの場合、完成後のイメージがわからないことがあります。工事店によっては立体図や3Dパースの提案をしてくれますので、イメージのズレがないか確認しましょう。
キッチン、システムバス、トイレ、洗面台などの水回り商品は、メーカーのショールームで実際に住宅設備機器に触れながら商品の仕様を決めます。ショールームで注意する点は、
ショールームの印象と実際に自宅に設置された印象の違いです。
ショールームは一般的な住宅よりも天井が高く照明も明るいので広く感じます。そのままのイメージで天井の低い自宅にキッチンを設置すると大きく感じます。人によっては圧迫感があるかもしれません。
また、しっかりと使い勝手をを確かめていないと今よりも悪くなってしまいます。リフォーム業者、ショールームのアドバイザーとしっかりと打合せしながら決めるとよいでしょう。
外壁や内装の壁の色が想像と違ったという不満も多くあります。色を決めるときには、カタログやサンプルを参考にしますが、色はその面積により見え方が大きく変化します。太陽光に当てたり、実際の外壁を見て選択することをおすすめします。
まとめ
依頼者とリフォーム業者とのズレで起きる問題と対策を説明してきました。次の3点を作成・確認しましょう。
?「追加工事を想定した見積り書作成」
・事前の調査だけでは、住まいの状態を全てにわたり把握しにくいものです。開けてみないとわからない状態は、追加工事を想定した見積を依頼しましょう。また、他に電気・ガス・水道管工事といった、リフォーム業者が担当しない箇所の金額は見積りに入っているかどうか、確認しましょう。実際に追加工事が発生したときは、その都度追加変更の見積を依頼し、確認しながらリフォームをすすめましょう。
?不明な点はその都度確認
実際に工事が始まった後からも見積の中で、不明な点はたくさん出てきます。
わからないことはその都度質問をして明快な説明を受けましょう。
?口頭の約束ではなく記録を残す
リフォームが完成するまで打ち合わせや質問を繰り返すことになっていきますが、打合せの記録を残しておくとよいでしょう。「言った、言わない」のトラブルに発展する前に口約束のみで終わらせることはなるべく避け、細かい内容でも証拠として書面への記載を行いましょう。
肝心なのは「信頼できるリフォーム会社」を見つけ出すことです。建築知識が豊富なリフォーム会社でお困りの際は優良工事店ネットワークまでお問い合わせください。→0120-146-064