ここでは窓リフォームの施工前と施工後の写真を比較しながら、窓リフォームの費用相場や工事日数、具体例や業者選びのポイントについて詳しく解説します。
この記事の目次
窓リフォームの費用相場と工事日数
「結露がひどいので二重窓(内窓)にしたい」「窓を増やしたい」「窓のサイズを変更したい」など、ご要望によって様々な窓リフォームがありますが、リフォーム内容によって費用相場や工事日数は異なります。
ここでは、窓リフォームのポイントや費用相場について見ていきましょう。
尚、窓サイズ・ガラスの種類によって費用相場は大きく変動しますので、予めご了承ください。
施工別の早見表
施工内容 | 費用相場 | 工事日数 |
---|---|---|
カバー工法 | 8~20万円 | 1日 |
はつり工法(窓サッシ交換) | 25~50万円 | 2~3日 |
ガラスのみ交換する | 3~12万円 | 半日 |
窓を小さくする | 15~40万円 | 3~5日 |
窓を大きくする | 25~50万円 | 3~5日 |
内窓を付ける | 5~12万円 | 半日~1日 |
窓を増設する | 25~50万円 | 3~5日 |
出窓を作る | 30~60万円 | 3~6日 |
網戸を交換(網戸新調) | 1~4万円 | 1日 |
雨戸や窓用シャッターを取り付ける | 8~20万円 | 1~2日 |
庇(ひさし)を取り付ける | 8~20万円 | 1~2日 |
窓全体を交換する
窓全体を交換する方法には、既存サッシの内側に新しくサッシを取り付ける「カバー工法」と、既存サッシ撤去して新しくサッシを取り付ける「はつり工法」があります。
それぞれメリット・デメリットや費用相場の違い、工事の注意点などを把握した上で、工事内容を決定すると良いでしょう。
カバー工法|既存サッシの内側に新規窓サッシを取り付ける
「カバー工法」は、既存サッシの内側に新しくサッシを取り付ける方法です。
既存窓サッシを撤去する必要がないため、外壁や室内側の補修工事が不要なので費用を抑えることが可能です。
一方で、既存窓サッシの内側に取り付けるため、既存窓よりサイズが小さくなってしまうことがデメリットとなります。
大きい窓であればサイズが多少小さくなっても気にならないかもしれませんが、風通しや明るさが暗くなってしまう可能性もあるので、どれぐらいの窓サイズになるのか相談してみると良いでしょう。
はつり工法|既存サッシを撤去して、新規窓サッシを取り付ける
「はつり工法」は、既存サッシを撤去して新しくサッシを取り付ける方法です。
既存の窓サイズと同じサイズで取り替えが可能なので、小さくしたくない場合にはおすすめの方法です。
しかし、既存窓サッシを撤去する必要があるため、外壁や室内壁などの解体・補修が必要なため工事費用が25~50万円程度と高くなり、また工事日数もカバー工法より長くなります。
ガラスのみ交換する
ガラス交換の費用相場は、サイズやガラスの種類などで大きく異なりますが、目安としての費用相場は、3~12万円程度です。
ガラスの種類は、断熱・遮熱効果、防犯、防音などさまざまなタイプがありますので、使用用途や目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
窓のサイズを変える
窓のサイズを変更したいと考える方もいるでしょう。
窓を大きくする場合も小さくする場合も外壁や室内の補修工事が必要なため、費用相場に大きな違いはありませんが、構造などによって大きくすることが難しい場合があるので、まずは業者に相談した方が良いでしょう。
窓を小さくする
「窓からの冷気で寒いから窓を小さくしたい」「プライバシーの面から窓を小さくしたい」などの理由で、窓サイズを小さくしたいと考える方もいるでしょう。
窓を小さくするリフォームの費用相場は、15~40万円程度、工事日数は3~5日程度で完了するのが一般的です。※サッシタイプやガラスの種類などで相場は大きく異なります。
窓を小さくすると、窓からの冷気が少なくなったり、プライバシーが守られる反面で、風通しが悪くなったり、明かりが入らず暗くなったりする可能性もあるので注意が必要です。
窓を大きくする
「日当たりを良くしたい」「風通しを良くしたい」などの理由で窓を大きくしたいと考える方もいるでしょう。
窓を大きくするリフォームの費用相場は、25万~50万円程度、工事日数は3~5日程度で完了するのが一般的です。※サッシのサイズ・タイプやガラスの種類などで相場は大きく異なります。
窓を大きくすると、部屋が明るくなり、風通しも良くなる反面で、寒い時期の冷気が入りやすくなったり、夏場の冷房が効きにくくなったりする可能性もあるので、窓サイズやガラスの種類は慎重に選ぶことをおすすめします。
内窓を付ける
内窓を設置することによって、断熱性や緻密性が高まり、光熱費節約や防音効果などが期待できます。
一方で窓が二重になるため、窓の開け閉めを面倒に感じることもあるかもしれません。
既存の窓のデザインによっては、内窓の設置が難しい場合があります。
内窓の設置に足りるスペースが十分確保できるかについても確認してください。
内窓の設置の相場は一般的に約5~12万円程、工事日数は半日、長くて1日程で終わります。
窓を増設する
間取りの変更などにより、新しく窓を設置(増設)したいと考える方もいるでしょう。
増設する場合、壁に腰窓や掃き出し窓を設置したり、天井に天窓を設置したりできますが、耐力壁など建物の構造によって壁に開口ができないケースもあるので注意が必要です。
窓を増設することで、通気性や日当たりが良くなるというメリットがあります。一方で、外気の影響を受けやすくなるため、サッシ本体やガラスの断熱性などを考慮して設置すると良いでしょう。
窓の増設の費用相場は、15~40万程度、施工は3~5日程度が一般的ですが、サッシ本体の仕様やサイズ、ガラスの種類によって費用相場は大きく異なります。
出窓を作る
キッチンやリビングに出窓を設置したい、取り替えたいなどと考える方もいるでしょう。
出窓は、日が入りやすく、出窓部分にものが置けることが魅力ではありますが、構造上、設置できないケースや、隣接している建物との距離が近くなったりするのでプライバシー面など、設置には注意が必要です。
出窓の設置や取り替えの費用相場は、30~60万円程度、工事日数は3~6日程度が一般的です。
窓まわりのリフォーム
窓サッシのまわりには、雨風を防ぐために雨戸や庇(霧除け)の他、虫などの侵入を防ぐために網戸を設置します。家を建てて10年超えると網戸が破れたり、庇や雨戸の塗装が剥がれ、メンテナンスが必要になります。ここでは、網戸の交換や庇の取付、雨戸をシャッターへリフォームするための注意点をまとめています。
網戸を交換する
網戸は、紫外線や雨風によって劣化してしまいます。経年劣化した網戸は、張り替えが一般的なメンテナンス方法になります。その場合、数千円で張り替え可能です。しかし、年数が経過した網戸本体は、戸車が割れたり、変形したりして開け閉めが困難になってしまうこともあります。その場合、網戸本体の交換(新調)が必要となります。
網戸本体の交換の費用相場は、サイズによりますが1~4万円程度、取り替えだけなので、すぐ完了します。
雨戸や窓用シャッターを取り付ける
雨戸や窓シャッターは、台風や雨風から家を守る役割があります。また、防犯や防音などにも効果があります。現状の窓サッシを扱わず後付けできるタイプがあるので、リフォームの場合はおすすめです。
費用相場は、サイズやタイプ・仕様で大きく異なりますが、目安としては後付けタイプで8~20万程度で、工事日数は、1~2日程度です。
雨戸やシャッターには、単板タイプ・断熱パネルタイプ、ルーバータイプなどあるので、用途や目的によって選ぶと良いでしょう。
新築時は、1階には雨戸や窓シャッターがほとんど付いていますが、2階には付いていないケースがありますので、購入時にはチェックすると良いでしょう。
庇(ひさし)を取り付ける
日よけや雨よけとして、庇を後付け(設置)したいと考える方もいるでしょう。
生活スタイルから、陽射しを遮ったり、雨がかからないように勝手口に設置されるケースも少なくありません。
庇の費用相場は、幅やサイズで大きく異なりますが、目安として8~20万程度、工事日数は1~2日と比較的な短期間で設置可能です。
窓リフォームで失敗しないポイント
窓リフォームは、風通しや陽当たりなど、室内の生活環境に大きな影響を与えます。また、簡単に何度もリフォームできるものではありません。窓リフォームで失敗しないためにも、ここでは事前に確認しておきたいポイントについて詳しくご紹介します。
1.予算や目的で、商品や施工方法を選ぶ
窓サッシの取替えも、既存窓を撤去して取り替えるのか、既存窓の内側に新規で取り付けるのかで予算は大きく異なります。また、ガラスの仕様(断熱・防犯など)によっても金額が大きく異なります。
そのため、現在のご不満な点などに適した商品・ガラスの仕様を選ぶことが重要です。
2.工事後の使い勝手を考慮する
二重窓(内窓)にしたり、ガラスをペアガラスに交換することで、断熱効果や結露対策になることから窓リフォームとしてとても人気があります。
二重窓(内窓)は、開け閉めのたびに2つの窓を開けないといけません。そのため、頻繁に開閉する窓を二重窓にするとストレスに感じてしまう可能性があります。また、ガラス交換する場合も、単板ガラスからペアガラスに交換するとガラスが重くなり、開け閉めに力が必要になるケースもあるので注意が必要です。
普段の使用頻度やリフォーム後の使い勝手を考慮して商品などを選ぶことが重要です。
3.内観・外観を考慮してリフォームする
窓サッシを交換する場合、せっかくなら色を変えたいと考える方もいるかもしれません。しかし、既存窓と違う色を選んでしまうと室内の色のバランスが悪くなってしまいますし、外から見た場合に、他のサッシと一つだけ色が違うとなると違和感がでてしまいます。
全体的に窓サッシを取替えであれば、問題ありませんが、基本的には既存と同色でリフォームする方のがおすすめです。
もちろん、その方の好みもあるので、あまり気にならないようであれば、好きな色のサッシにするのも良いでしょう。
予算別窓リフォームの施工事例
ここでは窓リフォームの施工例をもとに、施工前と後との写真を比較しながら、リフォームのポイントについて詳しく見ていきましょう。
リビングの出窓を解体し、掃き出し窓へリフォームした事例です。窓を大きくしたことで自然光を取り入れ、明るく快適なリビング空間になりました。
これまでリビングから庭へ出ることができませんでしたが、大きな掃き出し窓にすることでリビングから直接庭へ出られるようになりました。ガラスの面積が大きくなった分、熱が逃げやすくなります。窓をリフォームするときは、断熱効果の高いエコガラスを選びましょう。
古くなった掃き出し窓を撤去し、雨戸付の掃き出し窓へリフォームした事例です。窓サッシの欄間部分も木製で古くなっていたため、一緒に解体し、大きな引き違い窓へ改装しました。
昔ながらの和風住宅は、玄関横の広縁には、大きな窓が並んでいます。太陽光を取り入れるためには大きな窓が最適ですが、古い窓サッシは断熱性能が低くいため、エアコンを入れても広縁のスペースは、夏暑く、冬は寒い状況がほとんどです。
断熱効果の高い窓へリフォームすれば、広縁も快適になります。
窓リフォームの費用を抑える方法
窓リフォームを始めるにあたって、出来るだけ費用を抑えたいと考える人も多いはずです。
窓リフォームで費用を抑えるためには以下のポイントを押さえると良いでしょう。
1.目的や用途に合わせた適切な工法や工事方法を選ぶ
例えば、窓サッシを交換する場合、現状の窓を残して「カバー工法」にするのか、既存サッシを撤去して取り付ける「はつり工法」にするのかで費用は大きく異なります。
また、結露対策として、ガラスだけ交換するのか、内窓を設置するのか、内窓のガラスを何にするのかで予算は大きく異なります。
つまり、工事方法・ガラスの種類など、必要最低限の知識を身に付けておけば、適切な費用で適切な工事が可能になります。
2.相見積もりを取る
窓リフォームの費用を抑える方法として、相見積もりがあります。複数社に見積もりを取ることで比較できるので、費用を抑えることができます。しかし、相見積もりのメリットはそれだけではありません。
こちらの要望に対して、工事方法や商品仕様など、様々な提案の中から最善のリフォームを選ぶことができます。そのため、相見積もりをする場合、商品や工事方法を決めて依頼するのではなく、それとは別に提案プランも依頼すると良いでしょう。
3.国や地方自治体の補助金を利用する
窓リフォームの費用を抑える方法として、国や自治体の補助金を利用する方法があります。現在、省エネ性能が高くなるリフォームに対する補助金制度はあります。(※時期によりますので、自治体や業者さんに確認してください。)
省エネに関するリフォームの補助金制度は、近年では毎年のように実施されています。「グリーン住宅ポイント制度」「こどもみらい住宅支援事業」「こどもエコすまい支援事業」など、名前を変えて実施されていますが、これら全ての補助金制度で内窓設置は対象工事に含まれています。窓リフォームをお考えの際は、補助金がないかどうかを自治体や業者さんに確認されることをおすすめします。
窓リフォームの業者選びのポイント
窓リフォームに対応している業者は、全国に多数あり、どの業者に依頼すれば良いか迷ってしまう人も多いはずです。
ここでは窓リフォームの業者を選ぶ際のポイントについて詳しくご紹介します。
1.丁寧に見積もりを説明してくれる業者
窓リフォームの業者を選ぶ際、丁寧に見積もりを説明してくる業者を選ぶと良いでしょう。見積もりは、工事金額だけではなく、工事内容や工事後のメリット・デメリットなどを丁寧に説明してくれる業者は信頼ができる業者と言えます。
また、こちらの要望に対して適切な提案をしてくれているかどうかも重要です。
2.アフターフォローが充実している業者を選ぶ
窓リフォームの場合、あまり不具合が少ないことから保証の有無を重視している方は少ないでしょう。ガラスの交換であれば、不具合の可能性は少ないですが、サッシの取替えや内窓の設置などは、動作が悪くなったり、建付けがわるくなったりすることもあります。また、サッシを取替えた場合は、その箇所から雨漏りする可能性もあります。
そのため、保証の有無、年数、内容については事前に確認しておき、保証が充実している業者を選ぶと安心して工事を依頼できるでしょう。
尚、サッシ工事の保証年数は、1~2年程度が目安です。
3.工事実績が豊富な業者を選ぶ
目的や用途に合わせて提案が必要な窓サッシリフォームには、豊富な知識や経験が必要です。また、様々な補助金が適用されるケースが多い工事内容なので、そういった情報にも詳しい業者を選ぶと費用を抑えたより良いリフォームをすることができるでしょう。
そのため、これまでの工事経験や創業年数、口コミなどの評判などを確認して信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
窓リフォームは、快適な生活には欠かせないリフォームです。失敗すると生活しづらくなってしまうので、慎重に進めていきたいものです。
まずは、リフォームの目的や仕様用途を考慮した上で、複数社に相見積もりを取り、費用だけではなく提案内容などを比較して業者を決めてリフォームすることが重要です。また、補助金などを利用することで、お得にリフォームすることができるのも魅力です。