【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
隣の家との境界に、古いブロック塀がありませんか?
「地震で倒れないか心配」
「かなり古いけれど、誰が管理するの?」
「撤去するなら費用は折半?」
このような疑問を持つ人は少なくありません。
隣家との境界にあるブロック塀は、誰が所有しているのかによって、基本的な管理や費用負担の考え方が変わります。
しかし、境界にあるからといって、必ず隣家との共有物とは限りません。
この記事では、古いブロック塀の所有者を確認する方法や、撤去・補強費用を誰が負担するのか、隣家と話し合うときのポイントを解説します。
境界にあるブロック塀は誰のもの?
まず確認したいのが、ブロック塀の所有者です。
ブロック塀が境界付近にあるからといって、必ずしも隣家との共有物ではありません。
例えば、
・自分の敷地内に設置されている
・隣家の敷地内に設置されている
・境界線上に設置されている
など、さまざまなケースがあります。
さらに、昔の工事で設置された塀の場合、現在の所有者が経緯を把握していないこともあります。
まずは「誰が所有している塀なのか」を確認することが重要です。
境界線上にあるから共有とは限らない
「境界線の上にあるから、費用も半分ずつ」
と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
境界線上に設置されているからといって、必ず共有物になるとは限らないためです。
過去の土地の利用状況や、塀を設置した経緯なども関係します。
そのため、古いブロック塀を撤去・補強する前に、所有関係を確認しましょう。
まず確認したい3つのこと
隣家との境界にある塀なら、次の3点を確認します。
① 境界線はどこなのか
まず、土地の境界を確認します。
境界標が設置されている場合は、その位置を確認しましょう。
ただし、塀の位置だけを見て「ここが境界」と判断するのは危険です。
古い塀が境界線からずれているケースもあります。
② 塀は誰が設置したのか
次に確認したいのが、ブロック塀を設置した経緯です。
「以前の所有者が設置した」
「隣家が設置した」
「昔からあるので分からない」
など、状況はさまざまです。
古い住宅では、現在の所有者が設置時の事情を知らないこともあります。
③ 所有関係を確認できる資料はあるか
土地の境界や所有関係について疑問がある場合は、土地の資料などを確認します。
ただし、登記情報だけでブロック塀の所有者が明確に分かるとは限りません。
判断が難しい場合は、土地家屋調査士などの専門家に相談する方法もあります。
自分の敷地内にある塀なら?
ブロック塀が自分の所有物であれば、基本的には自分で管理することになります。
老朽化して危険な状態なら、
・補修する
・補強する
・撤去する
・新しいフェンスなどに交換する
といった対応を検討します。
もちろん、具体的な費用負担や責任は個別の事情によって異なります。
隣家の所有物なら?
隣家が所有するブロック塀であれば、基本的には所有者側で管理することになります。
ただし、自分の敷地との境界にある場合は、
「危険なので何とかしてほしい」
と一方的に要求するのではなく、まず現在の状態を一緒に確認することが大切です。
特に、
・大きく傾いている
・ひび割れが広がっている
・基礎に異常がある
・地震で倒れる可能性が心配
など、具体的な問題を伝えると話し合いやすくなります。
共有の塀なら費用は折半?
共有のブロック塀の場合、
「撤去費用は必ず50%ずつ」
と決まっているわけではありません。
撤去や補修の必要性、これまでの利用状況、当事者間の合意などによって変わります。
そのため、共有だから自動的に半分負担と考えるのではなく、隣家と話し合って決めることが重要です。
工事をする場合は、誰がいくら負担するのかを事前に明確にしておきましょう。
危険なブロック塀は放置しない
古いブロック塀で特に注意したいのが、地震による倒壊です。
例えば、
・塀が傾いている
・大きなひび割れがある
・ブロックが欠けている
・基礎に異常がある
・鉄筋が露出している
・ぐらついている
などの症状がある場合は注意が必要です。
道路や通路に面している場合、倒壊すると通行人や車などに被害を与える可能性もあります。
危険を感じる場合は、無理に自分で確認したり動かしたりせず、専門家に相談しましょう。
撤去と補強、どちらを選ぶ?
古いブロック塀だからといって、必ず撤去しなければならないとは限りません。
状態によっては補修や補強で対応できる場合もあります。
一方で、劣化が進んでいる場合は、部分的な補修より撤去して作り直したほうが安全なこともあります。
例えば、
補強を検討するケース
・一部に軽微な劣化がある
・構造上の問題が少ない
・補強によって改善できる
撤去・作り替えを検討するケース
・大きく傾いている
・著しい劣化がある
・基礎にも問題がある
・安全性を確保するのが難しい
などです。
最終的には、現地を確認してもらい、どの方法が適切か判断することが大切です。
フェンスへの交換も選択肢
ブロック塀を撤去した後、アルミフェンスなどに交換する方法もあります。
ブロックを低くして、その上にフェンスを設置する方法もあります。
フェンスに変更することで、目隠しや防犯など、必要な機能を残しながら外構を軽量化できる場合があります。
ただし、フェンスにもさまざまな種類があり、設置方法によって必要な基礎なども異なります。
「ブロック塀をなくせば安全」と単純に考えず、設置条件を確認しましょう。
隣家にはどう相談すればいい?
境界のブロック塀は、費用だけでなく人間関係の問題にもなりやすい部分です。
そのため、
「危険だから撤去してください」
と一方的に伝えるより、
「古いブロック塀なので、一度状態を確認しませんか?」
と相談するほうが話し合いやすいでしょう。
専門業者に現地を確認してもらい、
「この部分が劣化しています」
「補強するならこの方法があります」
「撤去してフェンスにする方法もあります」
など、具体的な選択肢を示してもらうのも一つの方法です。
工事前に費用負担を決めておく
隣家と一緒に工事する場合は、契約前に費用負担を明確にしておきましょう。
例えば、
・工事費をどの割合で負担するのか
・どちらが工事会社と契約するのか
・撤去後に何を設置するのか
・境界をどうするのか
などです。
口頭だけでなく、見積書などに内容を残しておくと、後から「言った・言わない」のトラブルを防ぎやすくなります。
自治体の補助制度も確認する
危険なブロック塀の撤去や改修について、自治体が補助制度を設けている場合があります。
ただし、対象となる塀や道路、工事内容、補助額などは自治体によって異なります。
「補助金があるから工事をしよう」と考えるのではなく、まず自治体の制度を確認しましょう。
補助制度を利用する場合、工事前の申請が必要になるケースもあるため注意が必要です。
ここまでの内容は、会社選びで確認したいことの一部です。
建設業許可・自社施工・見積り・保証の
【4つの基準】をあわせて見ると、会社を判断しやすくなります。
会社選びで大切なことを順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
隣家との境界にある古いブロック塀は、まず誰が所有しているのかを確認することが大切です。
境界線上にあるからといって、必ず共有物とは限りません。
所有関係や設置した経緯を確認したうえで、
・補修する
・補強する
・撤去する
・フェンスなどに作り替える
といった方法を検討しましょう。
共有の塀であっても、撤去費用が必ず半分ずつになるとは限りません。
工事をする場合は、隣家と費用負担や工事内容について事前に話し合っておくことが重要です。
また、古いブロック塀が傾いている、ひび割れている、ぐらついているなどの場合は、地震による倒壊にも注意が必要です。
「危険かもしれない」と感じたら放置せず、専門家に状態を確認してもらいましょう。
会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行