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執筆:二級建築士 安藤勉
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新築住宅を建てるとき、
「カーポートは家と一緒に付けた方がいい?」
「家が完成してから外構工事をした方がいい?」
「固定資産税の調査が終わってから付けた方がいいと聞いたけど本当?」
と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
実際、新築住宅では、住宅本体を先に完成させ、その後にカーポートやテラス、物置などの外構工事を行うケースも少なくありません。
また、固定資産税との関係から、
「カーポートは家が完成してから付けた方がいい。」
と聞くこともあります。
ただし、ここで知っておいていただきたいのは、「後から取り付ける」ことと「後から計画する」ことは別ということです。
今回は、新築時のカーポートやテラス、物置をいつ取り付けるのがよいのか、固定資産税や建築確認の注意点も含めて解説します。
カーポートは新築後に取り付けても問題ありません
カーポートは、必ず住宅本体と同時に工事しなければならないものではありません。
住宅を先に完成させて、その後に外構工事を行い、カーポートやテラス、物置などを設置することもあります。
実際に住み始めてから、
「もう少しカーポートを玄関側へ寄せたい。」
「自転車を置くスペースも欲しい。」
「ここに物置があった方が便利そう。」
と気付くこともあります。
そのため、カーポートなどを後付けすること自体が悪いわけではありません。
ただし、取り付けを後にする場合でも、計画まで後回しにするのはおすすめできません。
後付けでも計画は新築時からしておきましょう
私たちがおすすめしたいのは、
工事は後でも、計画は新築時からしておくことです。
特にカーポートで注意したいのが、柱を立てる位置です。
住宅の敷地内の地面には、
・水道管
・排水管
・雨水を流す管
・電気の配線
などが埋まっていることがあります。
将来カーポートの柱を立てたい場所にこうした配管などが通っていると、予定していた場所に柱を立てられなかったり、配管を移動するための余計な工事が必要になったりすることがあります。
そのため、「将来、このあたりに2台用のカーポートを付ける予定です。」と、新築の設計段階で住宅会社へ伝えておくことをおすすめします。
テラスや物置についても同じです。
設置する可能性がある場所をあらかじめ考え、窓やエアコンの室外機、配管などと重ならないようにしておけば、後から工事するときもスムーズです。
固定資産税の調査後なら税金がかからないとは限りません
新築住宅を建てると、市区町村が住宅の固定資産税を決めるために建物を確認することがあります。
これが一般に「家屋調査」と呼ばれているものです。
そのため、「家屋調査が終わってからカーポートを付ければ、固定資産税がかからない。」という話を聞くことがあります。
しかし、家屋調査が終わった後に設置すれば、固定資産税がかからないというわけではありません。
固定資産税の対象になるかどうかは、取り付けた時期だけではなく、どのような造りになっているかによって判断されるからです。
一般的なカーポートは、柱と屋根があるだけで周囲が壁で囲まれていません。
このような一般的なカーポートは、固定資産税の「家屋」の要件を満たさず、課税対象にならないケースが多くあります。
一方で、
・壁で囲われたガレージ
・基礎をつくって固定した物置
・壁やガラスで囲われたサンルーム
などは、固定資産税の対象になる場合があります。
つまり、「いつ付けたか」よりも「どのようなものを付けたか」が重要です。
ただし、固定資産税の判断は構造や自治体によって異なる場合があります。
気になる場合は、設置予定の商品や図面を市区町村の固定資産税を担当する窓口へ見せて、事前に確認しておくと安心です。
カーポートは建築確認が必要になることもあります
もう一つ注意したいのが「建築確認」です。
建築確認とは簡単にいうと、「建築基準法などのルールに合った建物か、工事前に確認してもらう手続き」です。
カーポートは柱と屋根だけなので、「家ではないから関係ないのでは?」と思われるかもしれません。
カーポートも、屋根と柱があり、簡単に移動できない状態で設置されるものは、建築基準法上の「建築物」に該当します。
そのため、設置する地域や規模、既存住宅との関係などによっては、建築確認申請が必要になることがあります。
また、「10㎡以下なら必ず申請しなくていい。」とも限りません。
防火地域や準防火地域なのか、増築にあたるのかなどによって扱いが変わるため、「10㎡以下だから大丈夫」と自己判断しない方が安心です。
そのため、設置前に住宅会社や外構業者、建築士などへ、「このカーポートは建築確認が必要ですか?」と確認しておくことをおすすめします。
建ぺい率にも注意しましょう
カーポートを設置するときは、「建ぺい率」にも注意が必要です。
建ぺい率とは簡単にいうと、「敷地に対して、建物を建てられる面積の割合」です。
例えば、100㎡の土地で建ぺい率が60%なら、基本的には建物が占める面積を60㎡以内にする必要があります。
カーポートも建築基準法上は建築物として扱われるため、建ぺい率に関係することがあります。
ただし、柱と屋根を中心とした開放的なカーポートでは、一定の条件を満たすと建ぺい率の計算が緩和される場合もあります。
ここは一般の方が自分で判断するのは難しいため、新築時に、「将来ここへカーポートを付けても建ぺい率は大丈夫ですか?」と設計者へ確認しておくと安心です。
テラスや物置も同じとは限りません
新築後に取り付けるものは、カーポートだけではありません。
例えば、
・テラス屋根
・サンルーム
・物置
・ガレージ
・自転車用のサイクルポート
などがあります。
注意したいのは、これらがすべてカーポートと同じ扱いになるわけではないことです。
例えば、柱と屋根だけのカーポートと、壁やガラスで囲われたサンルームでは構造が大きく違います。
物置についても、簡単に移動できるものなのか、基礎をつくって地面にしっかり固定するものなのかによって扱いが変わる場合があります。
固定資産税や建築確認については、「カーポートが大丈夫だったから物置も大丈夫だろう。」と考えず、それぞれ確認することをおすすめします。
新築時に確認しておきたいこと
将来カーポートやテラス、物置を取り付ける可能性がある場合は、新築の打ち合わせ段階で次のことを確認しておくと安心です。
・どこに設置する予定なのか
・どのくらいの大きさにするのか
・柱を立てる場所に配管などがないか
・車や自転車から玄関までの動線に問題がないか
・建ぺい率に問題がないか
・建築確認が必要になるか
・固定資産税の対象になる可能性があるか
まだ商品まで決めていなくても、
「将来ここにカーポートを付けたい。」
と伝えておくだけでも違います。
住宅会社や設計者が分かっていれば、将来の外構工事を考えて住宅や配管の位置を計画できるからです。
まとめ
新築住宅では、住宅本体が完成した後にカーポートやテラス、物置などを取り付けるケースもあります。
後付けすること自体に問題はありません。
ただし、
・家屋調査後に付ければ固定資産税がかからないとは限らない
・固定資産税は設置時期だけでなく構造などによって判断される
・カーポートでも建築確認が必要になる場合がある
・建ぺい率にも注意する
・後付けする場合でも柱と配管の位置などを考えておく
といった点には注意が必要です。
私たちがおすすめしたいのは、「取り付けは後でも、計画は新築時からしておく」という考え方です。
住宅が完成してから、
「ここには水道管があるので柱を立てられません。」
「予定していた大きさのカーポートが入りません。」
となってしまっては、せっかくの新築で後悔することになります。
将来カーポートやテラス、物置を設置する可能性があるなら、住宅の設計段階からそのことを伝え、家と外構を一緒に考えておくことが大切です。
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