公開:

更新:

セメント瓦の寿命は何年?劣化症状とメンテナンス時期を建築士が解説

【この記事は約5分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら

「セメント瓦は何年くらい使えるの?」
「古いセメント瓦の屋根は交換した方がいい?」
「塗装すればまだ使えるのか知りたい。」

セメント瓦について、このようなご相談をいただくことがあります。

セメント瓦は、以前多くの住宅で使用されていた屋根材です。

瓦のような重厚感があり、耐久性にも優れた屋根材として普及しました。

しかし、現在では新築住宅で使われることは少なくなり、築年数が経過した住宅で見かけることが多くなっています。

私たちは20年以上、全国のリフォーム会社選びに携わってきました。

その中で感じるのは、セメント瓦は「瓦だから長持ちする」と考えるのではなく、適切な時期にメンテナンスすることが大切だということです。

今回は、セメント瓦の寿命や劣化症状、必要なメンテナンスについて解説します。

セメント瓦の寿命は30〜40年程度が目安

セメント瓦の寿命は、一般的に30〜40年程度が目安です。

ただし、実際の寿命は、

  • 製造時期
  • 塗装状態
  • 施工方法
  • 屋根下地の状態
  • 周辺環境

によって変わります。

セメント瓦は表面に塗装が施されており、その塗膜によって屋根材を保護しています。

そのため、塗装が劣化すると、徐々に屋根材自体の劣化につながります。

セメント瓦と陶器瓦は別物

注意したいのは、セメント瓦と陶器瓦は同じ「瓦」でもメンテナンス方法が違います。

陶器瓦は、粘土を焼いて作られており、表面の釉薬(ゆうやく)によって防水性を保っています。

一方、セメント瓦はセメントを主原料として作られており、表面の塗装によって防水性を維持しています。

つまり、

陶器瓦=基本的に塗装不要

セメント瓦=定期的な塗装が必要

という違いがあります。

「瓦だから塗装はいらない」と考えると、劣化を進めてしまう可能性があります。

セメント瓦で見られる主な劣化症状

色あせや塗膜の劣化

セメント瓦では、年月が経つと表面の塗装が劣化します。

色あせや表面のツヤがなくなってきた場合は、メンテナンスを検討する時期です。

塗膜がなくなると、セメント瓦が雨水を吸収しやすくなります。

コケや藻が発生する

防水性能が低下すると、屋根表面にコケや藻が発生することがあります。

特に日当たりが悪い場所や湿気が多い地域では注意が必要です。

瓦のひび割れや欠け

セメント瓦は経年劣化によって、ひび割れや欠けが発生することがあります。

割れた瓦を放置すると、雨水が入り込む原因になります。

瓦のズレや浮き

強風や経年劣化によって、瓦がズレたり浮いたりすることがあります。

ズレがある場合は、雨漏りにつながる可能性があるため点検が必要です。

セメント瓦は塗装で寿命を延ばせる?

セメント瓦は、状態が良ければ塗装によって寿命を延ばせます。

塗装の目的は、

  • 防水性能の回復
  • 屋根材の保護
  • 美観の改善

です。ただし、

  • 瓦の割れが多い
  • 雨漏りが続いている
  • 下地まで傷んでいる

場合は、塗装だけでは十分な効果が期待できません。

屋根材の状態を確認したうえで、適切な工事を選ぶことが大切です。

セメント瓦のメンテナンス時期の目安

築10〜15年頃

表面の塗装劣化が始まる時期です。

この時期に点検を行い、状態によっては塗装を検討します。

築20〜30年頃

本格的なメンテナンスを考える時期です。

  • 屋根塗装
  • 瓦補修
  • 漆喰補修
  • 棟部分の確認

などを行います。

築30〜40年以上

屋根全体の劣化が進んでいる可能性がありますので、瓦の状態によっては、葺き替えが必要です。

屋根の葺き替えなら、軽量の金属瓦がおすすめです。

セメント瓦で注意したい棟部分の劣化

屋根材だけでなく、棟部分も確認が必要です。

棟部分では、

  • 漆喰の劣化
  • 棟瓦のズレ
  • 固定部分の劣化

などが起こることがあります。屋根の不具合は、瓦そのものだけが原因とは限りません。

点検では、屋根全体を確認してもらうことが大切です。

会社選びの流れを知りたい方へ

リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。

リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。

会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。

古いセメント瓦は交換した方がいい?

築年数が経過したセメント瓦では、「塗装で済むのか」「屋根を交換した方がいいのか」判断に迷うことがあります。

判断するポイントは、

  • 瓦の状態
  • 下地の傷み
  • 雨漏りの有無
  • 今後何年住む予定か

です。

例えば、瓦の状態が良く下地にも問題がなければ、塗装で対応できる場合があります。

一方で、劣化が進んでいる場合は、葺き替えを検討した方が安心です。

屋根工事は見積り内容を比較することが大切

セメント瓦のメンテナンスでは、会社によって提案内容が変わることがあります。

例えば、「塗装で十分」という会社もあれば、「葺き替えが必要」という会社もあります。

判断するためには、

  • なぜその工事が必要なのか
  • 屋根の状態はどうなのか
  • 費用と耐久性のバランス

を確認することが大切です。

見積りの比較方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 見積りの注意点・見方を読む【3分】 

まとめ|セメント瓦は塗装メンテナンスが重要

セメント瓦の寿命は、一般的に30〜40年程度が目安です。

ただし、陶器瓦とは違い、セメント瓦は表面の塗装によって防水性を維持しています。

そのため、

  • 色あせ
  • コケや藻
  • ひび割れ
  • 瓦のズレ

などの症状があれば、早めに点検することが大切です。

また、屋根材だけでなく、棟部分や下地の状態も確認する必要があります。

築年数だけで判断せず、現在の屋根の状態に合ったメンテナンスを選びましょう。

会社選びで迷う方へ

リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

青本・赤本を無料で取り寄せる>

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行

TOP