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執筆:二級建築士 安藤勉
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新築やリフォームから数年経つと、
「壁紙の継ぎ目に隙間ができている」
「以前はなかった隙間が目立つ」
「このまま放置して大丈夫?」
と不安になる方も多くいます。
クロスの隙間は、必ずしも施工不良とは限りません。
住宅は季節によって温度や湿度が変化するため、木材や下地が少しずつ動きます。
その影響で、クロスの継ぎ目が開くことがあります。
一方で、隙間の大きさや発生した場所によっては、補修が必要なケースもあります。
この記事では、クロスに隙間ができる原因や、放置しても問題ないケース、補修方法について建築士が分かりやすく解説します。
クロスに隙間ができる主な原因
クロスの隙間ができる原因は、大きく分けると以下のようなものがあります。
・住宅の自然な動き
・湿度変化による収縮
・下地の問題
・施工時の処理不足
それぞれ詳しく解説します。
原因① 木造住宅の動きによるもの
木造住宅では、柱や梁などの木材が湿気を吸ったり乾燥したりします。
木材は水分量によって、わずかに伸び縮みします。
そのため、壁の下地も少し動くことがあります。
クロスは柔軟な素材ですが、大きく伸び縮みすることはできません。
その結果、
・クロスの継ぎ目が開く
・角部分に隙間ができる
・壁との境目が目立つ
といった症状が起こります。
特に、
・築数年以内の住宅
・木造住宅
・冬場の乾燥する時期
では発生しやすい傾向があります。
これは住宅の構造上、ある程度避けられない現象です。
原因② 湿度変化によるクロスの収縮
クロスは湿度の影響を受けます。
湿度が高い時期はクロスが水分を含み、少し伸びます。
反対に冬など乾燥する時期は、水分が抜けて縮みます。
この繰り返しによって、クロスの継ぎ目部分に隙間ができることがあります。
特に、
・暖房をよく使う部屋
・日当たりが良い部屋
・エアコンの風が直接当たる場所
では、クロスの収縮が起こりやすくなります。
原因③ 下地の動きや不具合
クロスの下には、石膏ボードなどの下地があります。
この下地に問題がある場合も、隙間の原因になります。
例えば、
・ボード同士の継ぎ目が動いている
・下地材が劣化している
・固定が不足している
などです。
この場合、単純にクロスの隙間を埋めるだけでは、再発する可能性があります。
原因④ クロス施工時の処理不足
施工時の下地処理や貼り付け方法が原因で隙間ができることもあります。
例えば、
・下地処理が十分ではなかった
・クロスの圧着不足
・クロス同士のつなぎ方が適切ではなかった
などです。
特に、施工後すぐに隙間が発生した場合は、施工方法に原因がないか確認が必要です。
クロスの隙間は放置しても大丈夫?
クロスの隙間を見つけると、
「すぐ修理した方がいいのでは?」
と思う方も多いですが、すべての隙間が緊急対応になるわけではありません。
放置しても問題が少ないケース
以下の場合は、経過を見ることもできます。
・数mm程度の小さな隙間
・クロス以外に異常がない
・雨漏りや湿気の問題がない
・築年数による自然な変化
クロスの継ぎ目に少し隙間ができているだけなら、住宅の自然な動きによる場合もあります。
しかし、クロスが浮いていたり、壁から剥がれていたりする場合は、施工不良や下地の問題が原因の可能性があります。
クロスが剥がれる原因や補修方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ クロスがすぐ剥がれた原因は?施工不良の見分け方や補修方法を解説
補修が必要なクロスの隙間とは?
以下のような場合は、専門業者への相談がおすすめです。
隙間が大きく広がっている
クロスの隙間が数mm以上になり、下地が見えている場合は補修を検討しましょう。
放置すると、
・汚れが入り込む
・クロスがさらに傷む
・見た目が悪くなる
可能性があります。
クロスが浮いている
隙間だけではなく、
・クロスが膨らんでいる
・壁から浮いている
・触ると動く
場合は注意が必要です。
接着不良や下地の問題が隠れている可能性があります。
複数箇所で同じ症状がある
1箇所だけではなく、家の複数箇所で隙間が発生している場合は、住宅全体の動きや湿気が関係している可能性があります。
クロスの隙間を補修する方法
クロスの隙間補修には、症状によって方法が異なります。
コーキングで埋める
小さな隙間の場合は、クロス補修用のコーキング材で埋める方法があります。
費用も比較的安く、部分補修としてよく行われます。
ただし、広範囲の場合や原因が下地の場合は、一時的な補修になることがあります。
クロスの部分補修
隙間が大きい場合は、クロスを一部貼り替えることがあります。
同じクロスが残っていれば、目立たないように補修できます。
クロスの張り替え
劣化が進んでいる場合や、隙間が多数ある場合は張り替えが必要になることもあります。
その際は、クロスだけではなく下地の状態も確認することが大切です。
クロスの隙間補修費用の目安
補修内容によって費用は変わります。
目安としては、
・部分補修:数千円~1万円程度
・一部クロス張り替え:1万円~数万円程度
・部屋全体の張り替え:数万円~10万円程度
になります。
ただし、下地補修が必要な場合は追加費用が発生することがあります。
DIYでクロスの隙間を直しても大丈夫?
小さな隙間であれば、市販の補修材を使って直すことも可能です。
ただし、注意点があります。
隙間の原因が下地の動きだった場合、表面だけ補修しても再び隙間ができる可能性があります。
また、補修材の色が合わないと、かえって補修跡が目立つこともあります。
築年数が経過した住宅や、隙間が広がっている場合は、専門業者に確認してもらう方が安心です。
クロスの隙間を見つけたときの確認ポイント
クロスの隙間を見つけたら、以下を確認しましょう。
・いつ頃から発生したか
・隙間は広がっているか
・1箇所だけか複数あるか
・壁のひび割れはないか
・雨漏りや湿気はないか
原因を確認せず、見た目だけ直すと再発する可能性があります。
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まとめ
クロスに隙間ができる原因は、
・住宅の自然な動き
・湿度による収縮
・下地の問題
・施工時の処理不足
などがあります。
小さな隙間であれば、住宅ではよく起こる現象で、すぐに大きな問題になるとは限りません。
しかし、
・隙間が広がっている
・クロスが浮いている
・複数箇所で発生している
場合は、原因を確認することが大切です。
補修を依頼する場合は、クロスだけを見るのではなく、下地や住宅全体の状態まで確認してくれる業者を選びましょう。
リフォームで失敗しないためには、価格だけではなく、施工内容や業者の対応を比較することが重要です。
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