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執筆:二級建築士 安藤勉
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子どもが独立して夫婦2人になると、以前のダイニングが少し大きく感じることがあります。
「朝はコーヒーとパンだけだから、もっと小さくてもいいのでは?」
「毎食、大きなダイニングテーブルを使う必要があるのかな?」
そう感じる方もいるでしょう。
結論からいうと、夫婦2人の食事スペースは、必ずしも大きなダイニングテーブルである必要はありません。
ただし、「2人だから小さくする」と決めるのも早い考え方です。
大切なのは、朝食、夕食、来客、趣味など、今の暮らしでダイニングをどのように使っているかです。
この記事では、夫婦2人の食事スペースを小さくするときの考え方と、リフォームでできる工夫を紹介します。
夫婦2人ならダイニングを小さくしてもいい?
夫婦2人になったからといって、必ずダイニングを小さくする必要はありません。
大切なのは、「今の家族人数」だけではなく「実際の使い方」です。
たとえば、普段は夫婦2人でも、
・子どもや孫がよく来る
・友人を招くことが多い
・食事をしながら長く話す
・ダイニングで仕事や趣味もする
という家庭なら、ある程度の大きさが必要です。
一方で、
・朝食は簡単に済ませる
・夕食も短時間で終わる
・食事は夫婦それぞれのペースでとる
・ダイニングをほとんど使っていない
のであれば、今よりコンパクトな食事スペースでも十分かもしれません。
「夫婦2人だから小さくする」のではなく、「使っていない広さを見直す」と考えるのがおすすめです。
朝ごはんは「小さな場所」でも十分なことがある
朝食は、夕食とは過ごし方が違います。
朝は時間が限られているため、パンやコーヒー、簡単な料理だけという家庭もあります。
この場合、大きなテーブルを広げて使う必要がないこともあります。
たとえば、
・2人用の小さなテーブル
・カウンター
・壁際のテーブル
・キッチンに近い小さな食事コーナー
などでも対応できます。
ただし、これは「朝食は必ず小さな場所でよい」という意味ではありません。
朝食をゆっくり食べるのが好きな方もいます。
新聞を読んだり、テレビを見たり、夫婦で話したりするなら、ある程度の広さがあったほうが快適です。
食事の量ではなく、「朝にどのくらいの時間をそこで過ごすか」も考えてみましょう。
食事スペースは「食べるだけ」とは限らない
ダイニングを小さくするときに注意したいのが、食事以外の使い方です。
ダイニングテーブルは、
・新聞や本を読む
・パソコンを使う
・書類を整理する
・家計簿を書く
・趣味をする
・来客と話す
といった用途にも使われています。
そのため、「夫婦2人だから2人用テーブルで十分」と考えると、後から狭く感じることがあります。
今のダイニングで、食事以外に何をしているかを一度確認してみましょう。
「小さな食事スペース」はどんな形がある?
食事スペースをコンパクトにする方法はいくつかあります。
2人用のテーブルにする
最も分かりやすい方法です。
大きな4人掛けテーブルから、2人用のテーブルに変更します。
空いたスペースは、通路を広くしたり、収納を増やしたり、別の居場所にしたりできます。
家具を変えるだけなので、リフォームをしなくても試せる方法です。
壁付けのテーブルにする
壁際にテーブルを寄せることで、中央のスペースを広く使えます。
使わない側を通路にできるため、部屋の形によっては効率的です。
ただし、壁側に固定する場合は、座る位置や椅子を引くスペースまで考えておく必要があります。
カウンターを食事スペースにする
キッチンカウンターなどを食事に使う方法もあります。
料理を運ぶ距離が短くなるため、配膳や片付けを楽にできる場合があります。
ただし、カウンターの高さが通常のダイニングテーブルより高い場合があります。
長時間座ることを考えるなら、椅子との高さが合っているか確認しましょう。
造作の小さなテーブルをつくる
リフォームの際に、壁際などに造作カウンターを設ける方法もあります。
家具を置くよりも、部屋の形に合わせやすいのがメリットです。
一方で、造り付けにすると簡単には移動できません。
将来、使い方を変える可能性があるなら、固定する前に十分検討しましょう。
朝食と夕食で場所を変えてもいい
「食事は必ずダイニングでするもの」と決める必要もありません。
たとえば朝はキッチンに近いカウンターで簡単に済ませ、夕食はダイニングでゆっくり食べる方法もあります。
逆に、朝食はダイニングで食べて、昼間はそのテーブルを趣味や作業に使うこともできます。
重要なのは、家の中に用途ごとの部屋をたくさんつくることではありません。
一つの場所を、時間帯や目的に応じて使い分けることです。
小さくするなら「空いた場所」の使い道まで考える
ダイニングを小さくすると、当然ながらスペースが余ります。
ここで重要なのが、「空いた場所をどう使うか」です。
ただ何も置かない空間にする方法もあります。
通路を広くしたり、掃除しやすくしたりするだけでも、暮らしやすさにつながります。
ほかにも、
・小さな収納を設ける
・読書スペースにする
・趣味の机を置く
・観葉植物を置く
・少し座れる場所をつくる
などの使い方があります。
せっかくリフォームするなら、「テーブルを小さくする」だけで終わらせず、空いた場所で何をしたいのかまで考えましょう。
大きなダイニングテーブルが便利な家庭もある
一方で、大きなテーブルにはメリットもあります。
食事だけでなく、作業や趣味にも使えるからです。
また、子どもや孫が帰ってきたときにも使いやすくなります。
夫婦2人だけの現在を基準にして、テーブルを小さくしすぎる必要はありません。
特に家族が集まる機会が多い家庭では、普段はコンパクトに使いながら、必要なときだけ広げられる伸長式テーブルなども選択肢になります。
「普段は2人、たまに大人数」という暮らしなら、最初から大人数用のスペースを常に確保するより、必要なときだけ広げられる仕組みを考える方法もあります。
ダイニングを小さくするときの注意点
食事スペースをコンパクトにする場合、広さだけで判断しないことが大切です。
椅子を引くスペースを確保する
テーブルそのものが小さくても、椅子を引くためのスペースが必要です。
壁や家具との距離が近すぎると、座ったり立ったりしにくくなります。
実際に椅子を置いて、座る・立つ・後ろを人が通るという動作を確認しましょう。
配膳と片付けの動線を見る
食事スペースは、キッチンとの関係も重要です。
キッチンからテーブルまで何度も料理を運ぶなら、距離が長いほど負担になります。
逆に、キッチンに近すぎると調理中の動線と重なる場合があります。
「テーブルが置けるか」だけでなく、料理を運ぶところまで確認しましょう。
将来の使い方を決めすぎない
50代・60代からのリフォームでは、今の生活だけで間取りを固定しすぎないことも重要です。
- 仕事を辞める。
- 趣味が変わる。
- 家族が泊まりに来る。
- 家で過ごす時間が増える。
こうした変化によって、食事スペースの使い方も変わる可能性があります。
そのため、簡単に家具を動かせる余地を残しておくと安心です。
「ダイニングをなくす」まで考える必要はない
夫婦2人になったとき、ダイニングそのものをなくしてしまうリフォームを考える方もいるかもしれません。
しかし、そこまで大きく変える必要があるとは限りません。
まずはテーブルを小さくする。
配置を変える。
キッチンカウンターを活用する。
折りたたみ式や伸長式のテーブルを使う。
こうした小さな変更から試すことができます。
生活してみて、それでも使いにくければ、間取り変更を考えればよいのです。
リフォームは、一度工事すると元に戻すのが簡単ではありません。
だからこそ、「まず家具で試す」という考え方は大切です。
リフォーム会社には「食事の仕方」まで伝える
リフォームを相談するときは、「ダイニングを小さくしたい」とだけ伝えるのではなく、普段の食事の様子を伝えましょう。
たとえば、
「朝はパンとコーヒーだけです」
「夕食は夫婦でゆっくり食べます」
「孫が来たときは一緒に食事をします」
「食事の後もテーブルで本を読みます」
「キッチンから料理を運ぶ距離を短くしたい」
といった情報です。
これらが分かれば、リフォーム会社もテーブルの大きさだけでなく、配置や収納、キッチンとの関係まで含めて提案できます。
良い提案は、希望された家具や設備をそのまま小さくすることではありません。
「なぜ小さくしたいのか」を聞いて、別の方法も含めて考えてくれることです。
夫婦2人の食事スペースは「人数」だけで決めない
夫婦2人になったからといって、必ずしも小さなダイニングで十分とは限りません。
逆に、大きなダイニングテーブルを置き続ける必要があるとも限りません。
判断するときは、「何人で住んでいるか」だけではなく、
「何をしているか」
「どのくらいの時間使っているか」
「誰が来るか」
まで考えてみましょう。
特に朝食は、夕食とは使い方が違うことがあります。
朝は短時間、夕食はゆっくり。
そんな家庭なら、一つの大きなテーブルだけに頼らない食事スペースも考えられます。
また、食事スペースを小さくしたことで生まれた場所を、収納や趣味、休憩などに活用できれば、家全体の使い勝手も変わります。
「ダイニングを小さくすること」が目的ではありません。
夫婦2人になった今の暮らしに合わせて、家の中のスペースを使い直すことが目的です。
リフォームを考えるときは、工事内容を先に決めるのではなく、まず「今の家で何が使いにくいのか」を整理してみましょう。
そして、その話をきちんと聞いたうえで、家具の変更から間取り変更まで複数の方法を提案してくれるリフォーム会社を選ぶことが大切です。
まとめ
夫婦2人の食事スペースは、必ずしも大きなダイニングである必要はありません。
ただし、「2人だから小さくする」と単純に考えるのもおすすめできません。
ポイントは次の5つです。
・夫婦2人でもダイニングを小さくする必要があるとは限らない
・朝食と夕食で食事のスタイルが違うことを考える
・食事以外にテーブルをどう使っているか確認する
・小さくした後の空間をどう使うかまで考える
・まず家具配置を変えてから間取り変更を検討する
50代・60代からのリフォームでは、「何人用の部屋にするか」だけでなく、「これからどんなふうに暮らしたいか」を考えることが大切です。
今まで4人家族で使っていたダイニングを、夫婦2人の暮らしに合わせて少しコンパクトにする。
その結果できたスペースを、趣味や収納、休憩場所に変える。
こうした小さな見直しでも、家の使い方は大きく変わります。
リフォーム会社に相談するときも、最初から「ダイニングを小さくする」と決めるのではなく、自分たちの食事や家での過ごし方を伝えてみましょう。
そのうえで、必要な工事と、家具の変更だけで済む部分を一緒に整理してくれる会社を選ぶことが、リフォームで失敗しないためのポイントです。
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