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執筆:二級建築士 安藤勉
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50代になると、
「まだ問題なく生活できるけれど、以前より少し動作が大変になった」
と感じることがあります。
例えば、
- 床の物を取るためにしゃがむ
- お風呂の段差をまたぐ
- 洗濯物を持って2階へ上る
といった何気ない動作です。
今は不自由を感じていなくても、こうした動作は毎日繰り返しています。
住まいの見直しというと、大規模なリフォームや設備交換を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、50代・60代から大切なのは、
「できるかどうか」ではなく、「ラクにできるかどうか」
という視点です。
今回は、住まいの中にある「しゃがむ・またぐ・上る」に注目しながら、将来も暮らしやすい家づくりについて考えてみましょう。
住みにくさは「不便な動作」から始まる
住まいに不便を感じる原因は、老朽化だけではありません。
日常生活の中で、
- 何度もしゃがむ
- 毎日段差をまたぐ
- 階段を何度も上り下りする
といった動作が積み重なることで、暮らしにくさを感じることがあります。
特に50代以降は、膝や腰への負担が少しずつ気になり始める時期です。
そのため、住まいを見直す際は設備の古さだけでなく、「どんな動作を繰り返しているか」に目を向けることも大切です。
「しゃがむ」が多い場所を探してみる
しゃがむ動作は、腰や膝への負担につながることがあります。
例えば、
- 床に置いた飲料水を取る
- 洗剤を下段の収納から出す
- 奥にしまった物を探す
- 掃除道具を取り出す
といった場面です。
こうした動作が毎日続くと、少しずつ負担になっていきます。
そこで、
- よく使う物は腰の高さへ収納する
- 引き出し収納を活用する
- 床置き収納を減らす
といった工夫をしてみましょう。
収納の位置を変えるだけでも、動作の負担を減らせることがあります。
「またぐ」が多い場所を見直す
家の中には、意外と多くの「またぐ場所」があります。
例えば、
- 浴室の出入り口
- 勝手口
- 掃き出し窓
- 和室の敷居
などです。
若い頃は気にならなくても、将来的につまずく原因になることがあります。
重要なのは、
「段差があるか」
ではなく、
「毎日どこをまたいでいるか」
を確認することです。
毎日使う場所ほど改善効果が大きくなります。
「上る」が多い暮らしになっていないか
50代・60代からは階段の利用回数も見直したいポイントです。
例えば、
- 洗濯物を持って2階へ行く
- 掃除機を持って上る
- 日用品を取りに上る
- 寝室へ移動する
といった動作です。
一度では問題なくても、何年も続けば負担は少しずつ大きくなります。
そのため、
- 日用品を使う階に収納する
- 洗濯動線を短くする
- 普段着を1階へまとめる
などの工夫が役立ちます。
まずは「なぜ2階へ行っているのか」を確認してみましょう。
よく使う場所ほど動作を減らしたい
住まいの中でも、毎日使う場所は優先して見直したいポイントです。
例えば、
- キッチン
- 洗面所
- 浴室
- トイレ
- 収納
などです。
毎日使う場所で動作が減れば、その効果を実感しやすくなります。
逆に、ほとんど使わない場所の改善は生活への影響が少ないこともあります。
まずは日常生活の中心となる場所から見直してみましょう。
収納量より取り出しやすさを重視する
収納を増やしたいという相談は多くあります。
しかし50代以降は、「どれだけ収納できるか」よりも、「ラクに取り出せるか」が重要になることがあります。
例えば、
- 高すぎる棚
- 低すぎる収納
- 奥行きが深い収納
は使いにくさにつながります。将来を考えるなら、
- 立ったまま使える
- 片手で取り出せる
- 無理な姿勢にならない
収納を意識してみましょう。
「できる」より「ラクにできる」を基準にする
50代の多くの方は、
まだ階段も上れますし、しゃがむこともできます。
そのため、「今は困っていない」と思うかもしれません。
しかし住まいづくりでは、「できる」ではなく、「ラクにできる」を基準に考えることが大切です。
今の少しの負担を減らしておくことで、10年後、20年後の暮らしやすさは大きく変わります。
こんな場所は優先して見直したい
住まいを見直すなら、特に次の場所を確認してみましょう。
- 浴室の出入り口
- 階段
- 洗濯動線
- よく使う収納
- 玄関
- キッチン周辺
毎日の動作が集中する場所だからこそ、小さな改善でも大きな効果が期待できます。
まずは動作を書き出してみよう
大掛かりなリフォームを考える前に、
「自分が毎日どんな動作をしているのか」
を書き出してみるのもおすすめです。
すると、
- 何度もしゃがんでいる
- 毎日同じ段差をまたいでいる
- 何回も階段を上り下りしている
ことに気付く場合があります。
住まいの不便は、意外とこうした日常動作の中に隠れています。
まとめ
50代からの住まいづくりでは、設備や築年数だけでなく、毎日の動作にも目を向けることが大切です。
特に、
- しゃがむ
- またぐ
- 上る
という動作は、毎日無意識のうちに繰り返しています。
今は問題なくても、将来は負担になる可能性があります。
そのため、
- しゃがむ回数を減らす
- またぐ場所を見直す
- 階段を使う回数を減らす
- よく使う収納を使いやすくする
といった工夫を取り入れてみましょう。
大切なのは、「まだできる」ではなく「ラクにできる」という視点です。
日常動作を少しずつ減らしていくことが、将来も住みやすい家づくりにつながります。
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