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玄関を広くできる?狭い玄関を広げる5つの方法と注意点

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執筆:二級建築士 安藤勉
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「玄関が狭く、玄関が窮屈に感じる」
「玄関を広げたいけれど、壁を壊しても大丈夫?」

築年数の経った戸建て住宅では、玄関が狭く、靴の脱ぎ履きや荷物の出し入れが不便に感じることがあります。

玄関は、廊下や隣の部屋の一部を取り込んだり、収納の配置を変える、または増築することで、今より広くできる場合があります。

ただし、玄関の周囲にある壁や柱を自由に撤去できるわけではありません。

また、玄関土間を広げる場合は、床の高さや基礎の状態によって工事方法が変わります。

この記事では、狭い玄関を広くする方法と、工事前に確認したい注意点を解説します。

狭い玄関を広くする方法

玄関を広くするためには、部屋の一部を玄関に取り込む、または増築して玄関スペースを拡張する方法があります。

どちらが適しているかは、間取りや狭く感じる原因によって変わります。

廊下の一部を玄関に取り込む

玄関の奥に廊下が続いている場合は、廊下の一部を玄関に取り込むことで、玄関スペースを広げられる可能性があります。

廊下に余裕があれば、その一部を玄関土間に変更することができます。

ただし、土間を広げる場合は、廊下の床を一部撤去して高さを調整する工事が必要になります。

また、廊下を狭くしてしまうと、各部屋への移動が不便になる可能性があります。

玄関の広さだけでなく、動線が不便にならないか、廊下として必要な通路幅も確保しましょう。

隣の和室や洋室の一部を利用する

玄関の隣に和室や洋室がある場合は、その一部を玄関に取り込む方法があります。

例えば、玄関と和室の間の壁を移動させる方法です。

取り込んだ部分を土間にすれば、家族が並んで靴を履いたり、買い物の荷物を置いたりできるスペースを確保できる可能性があります。

ただし、壁の中に建物を支える柱や筋交いがある場合は、希望どおりに壁を撤去できないことがあります。

また、隣の部屋が狭くなるため、家具の配置や生活動線への影響も確認する必要があります。

玄関収納を小さくしてスペースを確保する

玄関が狭く感じる原因が、大きな靴箱や収納家具にある場合は、収納の見直しで改善できることがあります。

例えば、奥行きの深い靴箱を薄型の収納に変更したり、背の高い収納を小さくしたりする方法です。

壁面を利用した収納に変更すれば、床を広く使える場合もあります。

奥行きの薄いタイプや収納量に合わせて組み合わせられる玄関収納があります。

ただし、収納を小さくすると、靴や傘などをしまう場所が不足する可能性があります。

収納を撤去する前に、必要な収納量を確認しておきましょう。

4. 玄関の外側へ増築する

室内に玄関を広げる余裕がない場合は、建物の外側へ増築して玄関を広げる方法があります。

ただし、外側への増築には、敷地の広さだけでなく、建ぺい率や敷地境界、建物の構造などの確認が必要です。

増築できるかどうかは、建築士などに法規制と建物の状態を確認してもらいましょう。

また、屋根や外壁、基礎を新しく設けるため、室内の間取り変更よりも工事範囲が広くなるため、リフォーム費用も高くなります。

玄関の間取りを変えずに広く使う

玄関の床面積を増やさなくても、壁紙や床材を明るい色に変更したり、照明を改善したりすることで、玄関の圧迫感を和らげる方法もあります。

ただし、明るい内装に変えても、実際の床面積が増えるわけではありません。

玄関で人がすれ違えない、靴を履くスペースが足りないといった問題は、収納や間取りの見直しが必要です。

玄関の土間だけを広げることはできる?

玄関全体を広げるのではなく、靴を履いたまま使う土間部分だけを広くしたい場合もあるでしょう。

土間(どま)とは、玄関ドアの内側にある、靴を履いたまま歩ける床の部分のことです。

廊下や隣の部屋の一部を土間に変更することで、玄関土間を広げられる場合があります。

ただし、床の構造によって工事方法が異なります。

木造住宅では床下の状態を確認する

木造住宅の廊下や居室には、床板の下に木材を組んで床を支える構造があります。

その部分を玄関土間に変更する場合は、既存の床を撤去し、新しい土間を設ける工事が必要になります。

ただし、床下には基礎や配管、床を支える重要な部材があることがあります。

そのため、床を撤去すれば、そのまま土間に変更できるとは限りません。

工事前に床下の構造を確認することが大切です。

土間を広げると段差の位置も変わる

玄関には、靴を脱ぐ土間と、室内へ上がる床との間に段差があります。

この段差の部分を「上框(あがりかまち)」といいます。

玄関土間を広げると、上がり框の位置や長さも変わることがあります。

その際には、靴を脱ぎ履きしやすい高さや、手すりの位置なども考えておきましょう。

段差が高すぎる場合は、土間と上がり框の間に、式台(しきだい)と呼ばれる、踏み台を付けると便利です。

土間の仕上げは水や汚れに配慮する

玄関土間には、雨にぬれた靴や傘、泥の付いた荷物などを持ち込むことがあります。

そのため、室内のフローリングとは異なり、水や汚れに配慮した床材を選ぶ必要があります。

タイルなどを使用する場合も、見た目だけでなく、滑りにくさや掃除のしやすさを確認しましょう。

玄関の壁を壊して広げる場合の注意点

玄関を広げるために壁を撤去する場合は、その壁が建物を支えているかどうかを確認する必要があります。

耐力壁は自由に撤去できない

住宅の壁には、地震や風による力に抵抗する「耐力壁」があります。

玄関と隣の部屋を仕切る壁が耐力壁になっている場合、そのまま撤去すると建物の強度に影響するおそれがあります。

別の場所を補強することで対応できる場合もありますが、建物全体の強度を考慮した検討が必要です。

希望する広さまで壁を撤去できない場合は、耐力壁を残して玄関の使い方を変更する方法も考えられます。

柱を残したまま広げられる場合もある

玄関と隣の部屋の間に柱がある場合、その柱を撤去できるとは限りません。

特に、上階や屋根を支える柱は、安易に取り外せません。

柱を残したまま周囲の壁だけを撤去して、玄関のスペースを広げることが可能です。

壁の中に配線や設備がないか確認する

撤去したい壁の中には、コンセントや照明の配線、インターホンの配線などが通っていることがあります。

また、壁の位置によっては水道や排水管が通っている場合もあります。

壁を撤去する際に、これらの設備を移設する必要があれば、その分だけ工事が増えます。

壁の構造だけでなく、内部にある設備も確認しておきましょう。

玄関を広げるときに後悔しないための4つのポイント

玄関が広くなっても、使い勝手が悪くなってしまうことがあります。

工事後に後悔しないために、次の点を考えておきましょう。

1. 靴を脱ぎ履きする場所を十分に確保する

玄関を広げる際は、単に床面積を増やすだけでなく、靴を脱ぎ履きする場所を確保することが大切です。

例えば、靴箱を大きくすると、玄関を広げても人が立てる場所が狭くなることがあります。

また、家族が同時に靴を履く場合は、横に並べる広さが必要です。

玄関のリフォーム前に、何人で使うことが多いか、どのような動作が不便なのかを整理しましょう。

2. 玄関収納を増やしすぎない

玄関が広くなったからといって、大きな収納を設置すると、使えるスペースが少なくなることがあります。

靴の数や収納したい物を整理し、必要な収納量を決めておくことが大切です。

普段使わない靴や季節用品を別の場所に保管できるなら、玄関収納を小さくする方法もあります。

収納量と歩くスペースのバランスを考えましょう。

3. 隣の部屋や廊下が狭くなりすぎないか確認する

玄関を広げるために廊下や部屋の一部を使う場合は、取り込む側の使いやすさも考える必要があります。

例えば、玄関を広げたことで廊下が狭くなり、家具を運びにくくなることがあります。

また、和室や洋室の一部を取り込むと、今まで置けていた家具が入らなくなる場合もあります。

玄関だけの寸法ではなく、周囲の間取りを含めて確認しましょう。

4. 将来の出入りのしやすさも考える

50代・60代で玄関をリフォームするなら、今後の暮らしも考えておきたいところです。

例えば、靴を履くときに座れる場所を確保したり、必要に応じて手すりを設けたりする方法があります。

また、将来、歩行器や車いすを使う可能性まで考える場合は、玄関の広さだけでなく、玄関ドアの有効開口幅や段差、方向転換のしやすさなども関係します。

広さの基準は使い方によって変わるため、必要な動作を具体的に想定して計画することが大切です。

玄関を広げるリフォームの費用は何で変わる?

玄関を広げる費用は、現在の間取りや工事内容によって大きく変わります。

特に、収納を変更するだけなのか、壁や床を撤去して実際に玄関を広げるのかによって、必要な工事が異なります。

リフォーム方法主に必要となる工事
靴箱を小さくする既存収納の撤去、新しい収納の設置、内装補修
廊下の一部を取り込む間仕切り変更、床の改修、内装工事
隣の部屋を取り込む壁の撤去、必要な構造補強、床・天井の工事
玄関土間を広げる床の解体、土間の新設、上がり框の変更
屋外へ増築する基礎、外壁、屋根、土間、既存建物との接続工事

同じ広さの玄関をつくる場合でも、撤去する壁が耐力壁かどうか、床下にどのような構造があるかによって費用は変わります。

例えば、廊下の一部を土間に変更する場合は、床の高さを調整する工事が必要になることがあります。

また、隣の部屋を取り込む場合は、壁を撤去した部分の天井や床を補修する必要が生じます。

工事費用を比較するときは、玄関を広げるための解体工事だけでなく、床・壁・天井を仕上げるまでの費用が含まれているか確認しましょう。

なお、現地調査を行わずに、玄関拡張工事の費用を一律に判断することはできません。

玄関を広げるときに建築確認申請は必要?

玄関を広げるリフォームでも、工事内容によっては建築確認申請が必要になる場合があります。

ただし、玄関を広げる工事すべてが対象になるわけではありません。

室内の間仕切り変更だけなら、必ずしも必要ではない

例えば、構造上重要でない間仕切り壁を撤去し、廊下の一部を玄関に取り込む工事では、それだけで建築確認が必要になるとは限りません。

ただし、撤去する壁が耐力壁などの場合は、構造安全性の検討が必要です。

また、2025年4月からは、2階建て木造住宅で主要構造部過半(½)を改修する大規模な修繕・模様替えを行う場合、建築確認手続きが必要になっています。

玄関周辺の小規模な間取り変更であれば、大規模な修繕・模様替えに該当するわけではありません。

玄関を外側へ増築する場合は別の確認が必要

玄関を建物の外へ広げる場合は、建ぺい率や容積率などに加え、建築確認申請の要否も調べなければなりません。

増築部分の面積が小さければ、必ず建築確認を省略できるというわけではありません。

お住まいの用途地域や建物の条件によっても判断が変わります。

増築を検討する場合は、リフォーム会社に法規制を確認してもらいましょう。

玄関を広げる前に確認したいこと

玄関を広げるリフォームでは、現在のどこが使いにくいのかを明確にすることが大切です。

例えば、靴を履く場所が狭い場合と、靴箱が大きすぎて邪魔になっている場合では、適した工事が異なります。

工事前に次の点を確認しましょう。

工事前のチェックリスト

✅玄関の横幅・奥行き・土間の広さを測る

✅何が不便なのか具体的に整理する

✅隣の廊下や部屋に取り込める余裕があるか確認する

✅撤去したい壁に柱や耐力壁がないか調べる

✅土間を広げる場合、床下や基礎の状態を確認する

✅必要な靴箱・収納の大きさを決める

✅玄関ドアの開閉や各部屋への移動に支障がないか確認する

✅床・壁・天井の仕上げまで含めた見積もりを確認する

リフォーム会社には、次のような質問をすると工事内容を確認しやすくなります。

「この壁を撤去して玄関を広げることはできますか?」

「玄関土間を広げる場合、床下や基礎に問題はありませんか?」

「廊下を狭くしても、各部屋への移動に支障はありませんか?」

「玄関を広げる以外に、靴箱の変更だけで改善する方法はありませんか?」

希望する広さだけを伝えるのではなく、現在の玄関で困っていることも説明しましょう。

壁を壊せない場合でも、玄関を使いやすくする方法はある

建物の構造上、玄関の壁を撤去できない場合でも、現在の空間を有効に使う方法があります。

玄関ドアを引き戸に変更する

玄関ドアの開閉が邪魔になっている場合は、開き戸を引き戸に変更する方法があります。

引き戸は扉を横に動かして開閉するため、開き戸のように扉が大きく張り出すことを避けられます。

玄関収納を壁面や別の場所に移す

靴箱が玄関の通路をふさいでいる場合は、収納の位置を変更することで改善できることがあります。

例えば、廊下側に収納を設けたり、靴箱を薄型に変更したりする方法です。

また、普段使わない靴を別の場所へ移動することで、玄関に必要な収納量を減らせる場合もあります。

玄関と廊下の仕切りを見直す

玄関と廊下が扉や間仕切りで区切られている場合、その部分を変更することで開放感が生まれることがあります。

ただし、仕切りを撤去すると、玄関から室内が見えやすくなったり、冬場に冷気が入りやすくなったりする可能性があります。

広く見えることだけでなく、断熱やプライバシーへの影響も考えて判断しましょう。

✓ 会社選びで大切なこと

実際にリフォームを進めるときは、どの会社に依頼するかも大切です。

会社選びでまず確認したい4つのポイントをまとめています。

狭い玄関を広げるリフォームのよくある質問

Q1. 玄関を広げるために隣の部屋の壁を壊しても大丈夫ですか?

隣の部屋との間にある壁が、構造上重要でない間仕切り壁であれば、撤去できる場合があります。

ただし、建物を支える耐力壁や柱がある場合は、簡単に取り除けません。

壁の中には電気配線などが通っていることもあるため、工事前の確認が必要です。

構造上撤去できない部分がある場合は、柱や壁を残したまま玄関を広げる方法も検討しましょう。

Q2. 玄関の土間を広げるリフォームは、既存の床を壊さずにできますか?

既存の土間の上にタイルなど仕上げ材を上貼りできる場合は、土間を壊さずにリフォーム可能です。

一度、土間を解体する撤去工事や、処分費が少なくなるため、費用を抑えることが可能です。

Q3. 玄関を広くしたい場合、靴箱を撤去するだけでも効果がありますか?

大きな靴箱が玄関を圧迫している場合は、撤去することで広く使えることがあります。

ただし、靴箱が無くなると、靴や日用品の収納場所が不足します。

薄型収納への変更、コンパクトな靴箱に交換、収納場所の移動など、必要な収納量を残しながら改善する方法も検討しましょう。

まとめ|狭い玄関は、周囲の間取りや収納を見直すことで広げられる

狭い玄関は、廊下や隣の部屋の一部を取り込むことで、実際の床面積を広げられる場合があります。

また、玄関収納を小さくしたり、配置を変更したりすることで、今の広さのまま使いやすくする方法もあります。

ただし、壁を撤去する場合は、耐力壁や柱など、建物の構造に影響しないか確認する必要があります。

玄関土間を広げる場合も、床下や基礎の状態によって工事方法が変わります。

まずは、靴を脱ぎ履きする場所が足りないのか、収納が邪魔なのか、複数人で出入りしにくいのかを整理しましょう。

そのうえで、希望する広さを確保できるか、周囲の部屋や廊下が使いにくくならないかを確認することが大切です。

リフォーム会社に依頼する際は、構造を確認したうえで、間取り変更だけでなく収納の見直しも含めて提案してもらうと、工事方法を比較しやすくなります。

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