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玄関に手洗いを後付けできる?必要な配管とスペース

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執筆:二級建築士 安藤勉
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「帰宅したら、すぐに手を洗いたい」
「玄関に小さな手洗い場をつくれないだろうか?」
「近くに水道がないけれど、後付けできる?」

玄関に手洗い場があれば、帰宅後すぐに手を洗えます。外遊びから帰ってきた子どもや、お孫さんが、室内に入る前に手を洗えるようにしたいと考える方もいるでしょう。

玄関に手洗い場を後付けするには、手洗い器のスペースと、給水管と排水管をつなぐことができれば設置可能です。

狭い玄関の場合、手洗器を取り付けることで靴の脱ぎ履きや通行の邪魔にならないか確認する必要があります。

この記事では、玄関に手洗いを後付けするために必要な配管工事、設置スペース、設置費用が変わるポイントを解説します。

玄関に手洗いを後付けするための3つの条件

玄関に手洗い場をつくるには、主に3つの条件を確認する必要があります。

1. 給水管を玄関まで引き込める

手洗器を使うには、水を供給する給水管が必要です。

玄関の近くに洗面所やトイレ、キッチンなどがある場合は、既存の給水管から分岐して引き込みやすくなります。

一方、玄関が水まわりから離れている場合は、床下や壁の内部、外部を通して配管を延ばす必要があります。

給水管を延ばせる場合でも、既存配管の状態や水圧などによって工事方法が変わります。

2. 排水管を適切な位置まで接続できる

玄関に手洗いを後付けする際、特に問題になりやすいのが排水管です。

手洗器で使用した水は、排水管を通して住宅の排水桝へ流す必要があります。

排水は、水が流れやすいように配管に適切な勾配を設けます。

そのため、配管を接続する位置や床下の高さによっては、十分な勾配を確保できない場合があります。

給水管を玄関まで延ばせても、排水管を適切に接続できなければ、手洗器は設置できません。

工事前には、排水管の接続先と配管経路を確認する必要があります。

3. 手洗器と人が立つスペースを確保できる

玄関に手洗い場を設けるには、手洗器本体の大きさだけでなく、使用する人が立つスペースも必要です。

例えば、手洗器を取り付けた結果、玄関の通路が狭くなったり、靴箱の扉が開かなくなったりする場合があります。

また、玄関ドアの近くに設置すると、ドアの開閉時にぶつかる可能性もあります。

設置前には、手洗器の幅・奥行きに加え、手を洗うときの立ち位置や周囲の動線を確認しましょう。

狭い玄関にも手洗い場を設置できる?

玄関が狭くても、小型の手洗器を利用すれば設置できる場合があります。

ただし、手洗器が小さければ、必ず使いやすくなるわけではありません。

奥行きの浅い手洗器を選ぶ

玄関の通路幅が限られている場合は、壁から大きく張り出さない手洗器が選択肢になります。

例えば、LIXILの「ノーブル手洗器」には、幅360mm・奥行180mmのタイプがあります。

「どこでも手洗」は、玄関や廊下への設置も想定しており、奥行300mmまたは312mmのカウンターが用意されています。

ただし、これらは製品の寸法であり、実際の設置に必要な空間全体を示すものではありません。

水栓や配管、使用する人の立ち位置を含めて確認する必要があります。

小さすぎる手洗器は水が飛び散りやすいことも

手洗器の奥行きを小さくすると、手を洗う際に水が周囲へ飛び散る場合があります。

特に、水栓の位置や水の出る角度が手洗器に合っていないと、床や壁がぬれやすくなります。

玄関には、木製の収納家具や壁紙など、水に弱い材料が使われていることもあります。

そのため、手洗器の大きさだけでなく、水栓との組み合わせや水はねのしにくさも確認しましょう。

靴箱や玄関ドアとの位置関係を考える

手洗器を靴箱の隣に設置する場合は、収納扉を開けたときにぶつからないか確認しましょう。

また、玄関ドアの近くでは、ドアの開閉範囲と重ならない位置を選ぶ必要があります。

特に、玄関が狭い住宅では、手洗いのために人が立つと、ほかの家族が通れなくなることもあります。

実際に手を洗う姿勢を想定して、使いやすい場所を決めることが大切です。

玄関に手洗いを設けるなら、土間と廊下のどちらがよい?

玄関手洗いは、靴を履いたまま使う土間側にも、靴を脱いだ後の廊下側にも設けられます。

ただし、それぞれに使い勝手の違いがあります。

玄関土間に設置する場合

玄関土間に手洗器を設けると、帰宅後、靴を脱ぐ前に手を洗えます。

外遊びから帰ったお孫さんが、室内に上がる前に手を洗うといった使い方にも向いています。

ただし、土間は靴や傘、荷物などで混雑しやすい場所です。

手洗器を設置すると、靴の脱ぎ履きや荷物の出し入れがしにくくなる可能性があります。

また、玄関土間の下にはコンクリートや基礎がある場合があり、配管を通すために床の一部を解体する工事が必要になることもあります。

玄関ホールや廊下に設置する場合

靴を脱いだ後の玄関ホールや廊下に手洗器を設ける方法もあります。

この場合、靴の脱ぎ履きをする土間を狭くせずに済む可能性があります。

また、手洗器を壁沿いに設置できれば、玄関から室内へ移動する途中に手を洗えるようになります。

ただし、廊下の幅が狭い場合は、手洗器が通行の妨げになることがあります。

また、床がフローリングの場合は、水はねによる傷みを防ぐための対策も必要です。

土間と廊下のどちらが適しているかは、配管の通しやすさと、家族の動線を合わせて判断しましょう。

玄関に手洗いを後付けするときの注意点

手洗器を設置できる条件がそろっていても、工事後の使いやすさや維持管理まで考える必要があります。

壁や床が水で傷まないようにする

玄関には、水に弱い床材や壁紙が使われていることがあります。

手洗器から水が飛び散ると、床の変色や傷み、壁紙のはがれなどにつながるおそれがあります。

特にフローリングの継ぎ目に水が入り込むと、傷みの原因になることがあります。

手洗器の周囲には、水を拭き取りやすい仕上げ材を使ったり、水はねを抑えられる形状の手洗器を選んだりする方法があります。

手洗器を取り付ける壁の強度を確認する

壁に固定するタイプの手洗器では、壁の下地の強度を確認する必要があります。

一般的な住宅の壁に使われる石こうボードだけでは、手洗器本体の重さや使用時にかかる力を十分に支えられない場合があります。

そのため、柱や補強材などに確実に固定する必要があります。

希望する場所に下地がない場合は、壁の一部を開いて補強材を入れる工事が必要になることがあります。

温水を使う場合は給湯設備も必要になる

玄関手洗いを水だけで使う場合は、基本的に給水管があれば対応できます。

ただし、冬場も温かいお湯を使いたい場合は、給湯管の引き込みや小型電気温水器の設置などを検討する必要があります。

給湯管を引く場合は、既存の給湯設備からの距離や配管経路が関係します。

小型電気温水器を設置する場合は、本体の設置スペースや電源、製品に応じた電気工事なども必要です。

手洗器を設置した後から温水に変更しようとすると、追加工事が必要になることがあるため、工事前に決めておくとよいでしょう。

玄関手洗いの後付け費用は何で変わる?

玄関に手洗い場を後付けする費用は、手洗器本体の価格だけでは決まりません。

特に、既存の給水管・排水管までの距離と、配管を通すために必要な工事が費用に影響します。

工事内容費用が変わる主な理由
手洗器・水栓の設置製品の種類、大きさ、機能
給水管の新設既存配管からの距離、配管経路
排水管の新設接続位置、勾配、床下の構造
床・壁の解体と復旧配管のために開く範囲、仕上げ材
壁の下地補強手洗器の固定方法、既存下地の状態
給湯設備の追加給湯管の延長、電気温水器の有無

例えば、玄関のすぐ隣にトイレがある場合は、配管を短い距離で接続できる可能性があります。

一方、玄関から水まわり設備まで距離があり、床を解体して配管する必要がある場合は、工事範囲が広くなります。

また、玄関土間のコンクリートを壊す必要がある場合は、配管工事後の土間の復旧も考慮する必要があります。

見積もりでは、手洗器本体と取り付け費用だけでなく、給排水管の新設や床・壁の補修まで含まれているか確認しましょう。

玄関に手洗いをつくる前に確認したいこと

玄関手洗いは、設置する場所によって使いやすさや工事内容が大きく変わります。

リフォーム会社に相談する前に、次の点を確認しておきましょう。

  1. 玄関土間と廊下のどちらに設置したいか
  2. 手洗器を置ける幅と奥行きがあるか
  3. 近くに洗面所やトイレなどの水まわり設備があるか
  4. 給水管と排水管をどこから引けるか
  5. 排水管の勾配を確保できるか
  6. 床や壁の解体が必要になるか
  7. 手洗器の周囲に水はね対策が必要か
  8. 水だけでよいか、お湯も使いたいか

給排水管の位置や床下の構造など、自分では判断しにくい部分については、現地調査で確認してもらう必要があります。

特に、リフォーム会社には次のような質問をしてみましょう。

「この場所に手洗器を設置する場合、給水管と排水管はどこから引きますか?」
「床や壁を壊す必要はありますか?」
「水はねで玄関の床や壁が傷まないようにするには、どのような工事が必要ですか?」
「配管工事と内装補修を含めた見積もりになっていますか?」

設置できるかどうかだけでなく、配管工事の方法と仕上がりまで確認することが大切です。

✓ 会社選びで大切なこと

実際にリフォームを進めるときは、どの会社に依頼するかも大切です。

会社選びでまず確認したい4つのポイントをまとめています。

玄関に手洗いを設置できない場合の代替案

配管の問題やスペース不足によって、希望する場所に手洗器を設置できない場合もあります。

その場合は、玄関から近い場所で手を洗えるようにする方法も検討しましょう。

玄関近くの廊下に手洗い場をつくる

玄関土間に設置できない場合でも、廊下側なら配管を通せる可能性があります。

例えば、廊下の裏側に洗面所がある場合は、壁を挟んだ位置に手洗器を取り付ける方法が考えられます。

玄関から少し歩く必要はありますが、帰宅後すぐに手を洗える動線を確保できます。

ただし、廊下の通路幅や壁の強度などは確認が必要です。

既存の洗面所への動線を改善する

玄関に手洗い場を設ける目的が、帰宅後すぐに手を洗うことなら、既存の洗面所を使いやすくする方法もあります。

例えば、玄関から洗面所までの通路に置いている家具を移動したり、出入り口の建具を変更したりすることで、移動しやすくなる場合があります。

また、洗面所が玄関の近くにある場合は、扉の位置や開き方を見直す方法も考えられます。

新しい配管工事を行わずに目的を達成できる可能性があります。

玄関近くの収納を見直して設置場所を確保する

玄関に手洗器を置くスペースがない場合は、靴箱や収納家具の配置を見直すことで設置場所を確保できる可能性があります。

例えば、大きな靴箱を小型のものに変更したり、収納の一部を撤去したりする方法です。

ただし、収納を減らすと靴や日用品の置き場所が不足する可能性があります。

手洗器を設置した後も玄関が使いやすいか、収納量とのバランスを考えて判断しましょう。

玄関に手洗いを後付けするリフォームのよくある質問

Q1. 玄関に水道がなくても手洗い場を後付けできますか?

はい。玄関に水道がなくても、既存の給水管と排水管から配管を延ばせれば、手洗い器を設置できます。

例えば、玄関の近くに洗面所やトイレがある場合は、その付近の配管を利用する方法が考えられます。

ただし、給水管を引き込めても、排水管の勾配や接続先に問題があると設置できないことがあります。

Q2. 玄関に手洗いを後付けする場合、床を壊さずに工事できますか?

手洗い器の水道配管と排水管を壁の中で接続できるように工事すれば、床を壊さずにリフォーム可能です。

玄関土間の下を通して排水管を新設する場合は、コンクリートや床材を撤去する工事が必要になることがあります。

床を壊さずに設置できるかは、現地の配管経路を確認してから判断する必要があります。

Q3. 玄関に小さな手洗い器を設置するには、どのくらいのスペースが必要ですか?

必要なスペースは、手洗器の大きさや形状によって異なります。

例えば、奥行き180mm程度のコンパクトな手洗器もありますが、手洗器本体が収まれば設置できるというわけではありません。

手を洗う人が立つ場所や、玄関ドア・靴箱の開閉スペースも必要です。

また、手洗器が小さすぎると、水が周囲に飛び散りやすくなる場合があります。

玄関の通路幅と使い方を確認し、無理なく手を洗える大きさを選びましょう。

まとめ|玄関手洗いの後付けは、排水管と設置スペースの確認が重要

玄関には、後から手洗い場を設けることができます。

ただし、手洗器を設置するスペースがあるだけでは工事できません。

給水管を引き込めることに加え、排水管を適切な勾配で接続できることが重要です。

玄関の近くに洗面所やトイレなどがある場合は、既存の配管を利用できる可能性があります。

一方、水まわり設備から離れている場合は、床や壁を解体して配管を延ばす工事が必要になることがあります。

また、狭い玄関では、手洗器を取り付けることで通行や靴の脱ぎ履きが不便にならないか確認することも大切です。

まずは、どこに手洗い場を設置したいのかを決め、給排水管をどこから引けるか調べてもらいましょう。

リフォーム会社に依頼する際は、配管工事だけでなく、床や壁の補修、水はね対策まで説明してもらうことが重要です。

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