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執筆:二級建築士 安藤勉
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昼間は気にならない廊下や階段でも、夜になると「暗くて段差がみえにくい」と感じることがあります。
「もっと明るい照明に交換しよう」と考えがちですが、照明は明るければよいわけではありません。
大切なのは、夜に歩いたときに「床や段差がきちんと見えるか」です。
まずは今の照明で、どこが見えにくいのかを確認してみましょう。
まず夜に廊下と階段を歩いてみる
照明の状態を確認するときは、実際に夜の廊下や階段を歩いてみましょう。
確認したいのは、
- 廊下の床が見えるか
- 階段の段差が分かるか
- 階段の上り口と下り口が暗くないか
- 途中に暗い場所がないか
- 照明の影で見えにくくなっていないか
- スイッチを操作しやすいか
です。
消灯した状態から照明を付けて、実際に歩いてみると普段は気づかない不便が見つかります。
国土交通省も、夜間に暗い場所では段差や床面の変化に気づきにくく、転倒につながる可能性があるとして、適切な足元照明を対策するようにすすめています。
廊下は「全体」より足元が見えるか
廊下の照明を見直すときは、部屋全体の明るさだけを考えないようにしましょう。
例えば、天井は明るくても、床の一部が暗いことがあります。
重要なのは、
「床に何があるか分かる」
「段差があれば気づける」
という状態になっていることです。
そのため、天井照明を交換するだけでなく、必要に応じて足元灯や壁付け照明を追加する方法もあります。
光が強すぎて、逆光になることで、かえって足元が見えにくくならないように注意しましょう。
階段は「段の影」をチェック
階段は、廊下以上に照明の当て方が重要です。上から光を当てれば十分とは限りません。
照明の位置によっては、段の立ち上がりに影ができ、段差が分かりにくくなることがあります。
階段では、
- 一段一段の踏み面が見える
- 上り口と下り口が暗くない
- 途中だけ暗くならない
- 強い影ができていない
ことを確認しましょう。
スイッチは「歩く前に押せるか」
意外と見落としやすいのがスイッチです。
照明器具が明るくても、暗い階段を歩いてからスイッチを探すようでは使いやすいとはいえません。
階段なら、上と下の両方から照明を操作できるようにする方法があります。
いわゆる三路スイッチです。
「暗い中を歩く→スイッチを探す」ではなく、「スイッチを押す→明るくなってから歩く」という順番にする考え方です。
照明リフォームでは、器具だけでなくスイッチの位置まで確認しましょう。
足元灯とセンサーライトはどう使う?
夜間だけ照明を使いたい場所では、足元灯や人感センサー付きの照明も選択肢になります。
例えば、
- 夜に通るだけの廊下
- 階段の上り口や下り口
- 寝室から廊下へ出る場所
などです。
人感センサーならスイッチを探す必要がなく、必要なときだけ点灯できます。
ただし、家族が頻繁に通る場所では、動くたびに点灯することが気になる場合もあるため、「全部センサーにする」のではなく、場所ごとに使い分けることが大切です。
「明るすぎる」ことにも注意
照明リフォームでは、暗さばかりを気にしがちです。
しかし、夜の廊下を必要以上に明るくすると、寝室などとの明るさの差が大きくなり、まぶしく感じることがあります。
特に夜間は、照明器具そのものが目に入る位置や、光が直接目に入る配置にも注意しましょう。
「一番明るい照明を選ぶ」のではなく、「歩くために必要な場所が見える」という基準で考えることが大切です。
照明を変える前に「物」も確認する
廊下や階段が暗く感じる原因は、照明だけとは限りません。
例えば、
- 床に荷物がある
- 家具が通路にはみ出している
- マットがずれている
- 電源コードが横切っている
といった状態なら、照明を交換しても歩きにくさは残ります。
そのため、照明リフォームの前に「夜に歩く場所に物がないか」も確認しましょう。
照明を追加するより、物を片付けるだけで改善できる場合もあります。
こんな状態なら照明を見直すタイミング
次のようなことがあれば、一度照明を確認してみましょう。
- 夜の廊下が以前より暗く感じる
- 階段の段差が見えにくい
- 階段の途中に暗い場所がある
- 照明の影で段差が分かりにくい
- スイッチまで歩かないと照明をつけられない
- 夜は足元を確認しながら歩いている
「50代だから」「60代だから」という年齢だけでリフォームを決める必要はありません。
今の生活で「見えにくい」「歩きにくい」と感じる場所があるかを基準にしましょう。
リフォーム会社には「夜の状態」を伝える
照明リフォームを相談するときは、「廊下を明るくしたい」だけで終わらせないことが大切です。
「夜、階段の段差が見えにくい」
「廊下の足元が暗い」
「階段の上から照らすと影ができる」
など、具体的な状況を伝えましょう。
すると、照明器具だけでなく、照明の位置、スイッチ、足元灯、センサーライトなどを含めて考えやすくなります。
リフォーム会社を選ぶときも、商品を勧めるだけでなく、実際の家の状態を確認してくれる会社かどうかが重要です。
まとめ|「明るくする」より「見えるようにする」
廊下や階段の照明は、単純に明るいものへ交換すればよいわけではありません。
まず夜に実際に歩いて、
- 足元が見えるか
- 段差が分かるか
- 影ができていないか
- スイッチを操作しやすいか
- 必要な場所に光が届いているか
を確認しましょう。天井照明、足元灯、センサーライトなどを必要な場所に組み合わせます。
大切なのは「照明を明るくすること」ではなく、「夜でも歩く場所がきちんと見えること」です。
照明器具だけを交換するのか、スイッチや照明の位置まで見直すのか?お客様の立場で、必要な工事を提案してくれるリフォーム会社を選ぶことが大切です。
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