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執筆:二級建築士 安藤勉
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突然、外壁塗装の業者が訪ねてきて、
「近所で工事をしています」
「一緒に工事すれば安くできます」
「足場をそのまま使えるので、お得です」
などと言われたら、気になりますよね。
近所で工事をしているなら、本当に安くできるようにも思えます。
実際に、同じ地域で続けて工事をすることで、職人や材料の移動などを効率化できる場合はあります。
ただし、「近所で工事しているから安い」という説明だけで契約するのはおすすめできません。
大切なのは、なぜ安くなるのか、どのくらい安くなるのかを確認することです。
「近所で工事している=怪しい」ではない
まず、近所で工事をしていること自体が問題なのではありません。
本当に近隣で施工していて、移動や材料の運搬などを効率化できるため、費用を抑えられるケースは考えられます。
一方で、
「近所だから特別に安くできます」
という説明だけでは、どれだけお得なのか分かりません。
そこで、次の5つを確認してみましょう。
① 本当に近所で工事している?
まず確認したいのは、本当に近所で工事をしているのかです。
「近くのお宅で工事しています」
と言われても、それだけで信用する必要はありません。
「工事している場所はどの辺りですか?」と確認してみましょう。
大切なのは、「近所で工事中」という言葉だけを、業者の信頼性や値引きの根拠にしないことです。
訪問してきた業者の名刺を忘れずに受け取っておきましょう。
② 何の費用が安くなるの?
「近所なので安くできます」と言われたら、
「具体的に何の費用が安くなるのですか?」
と聞いてみましょう。
例えば、
- 職人の移動費
- 材料の運搬費
- 現場管理にかかる費用
- 足場に関する費用
などが考えられます。
ここで、
「近所だから特別価格です」
という説明だけではなく、通常はいくらで、今回はいくらになるのかまで確認することが大切です。
値引きの理由が具体的に説明されるかどうかも、判断材料になります。
③ 「足場をそのまま使える」は本当?
よくあるのが、
「隣で工事しているので、足場をそのまま使えて安くできます」
という説明です。
しかし、足場は住宅ごとに必要な高さや形状、設置場所などが異なります。
隣の家に設置している足場を、そのまま別の家の外壁塗装に使えるとは限りません。
また、足場を移動したり組み直す場合は、費用が発生します。
そのため、
「足場代はいくらですか?」
「どのような足場を設置する予定ですか?」
と確認しましょう。
「足場代が安い」という説明だけでなく、見積書に具体的な金額が記載されているかも確認しておくと安心です。
④ 値引き前の価格は適正?
例えば、
「通常150万円ですが、近所なので100万円にします」
と言われたら、50万円も安くなるため、とてもお得に感じます。
しかし、ここで確認したいのが、値引き前の150万円が本当に適正な価格なのかということです。
外壁塗装の費用は、
- 外壁の面積
- 使用する塗料
- 下地の状態
- 補修の有無
- 足場
- 付帯部の塗装
などによって変わります。
そのため、
「50万円値引きされた」=「50万円得をした」
とは限りません。
重要なのは、最終的な金額と工事内容が妥当なのかです。
⑤ 他社の見積りと比較する
「近所なので安くできます」と言われても、その場で契約する必要はありません。
同じような工事内容で、他社からも見積りを取ってみましょう。
比較するときは、総額だけでなく、
- 使用する塗料
- 塗装する範囲
- 塗装回数
- 下地処理
- ひび割れなどの補修
- シーリング工事
- 足場
- 保証
なども確認します。
例えば、A社が100万円、B社が120万円だったとしても、A社が補修工事を省いているなら、単純にA社のほうが安いとはいえません。
「いくら安いか」ではなく、「何をして、いくらなのか」を比較することが大切です。
「今だけ安い」と急かされたら注意
特に注意したいのが、
「今日契約してくれれば、この価格です」
「近所の工事が終わるまでです」
「今決めないと、この値段ではできません」
などと言われるケースです。
本当に工事のタイミングによる値引きだったとしても、外壁塗装は高額になることがあります。
その場ですぐに決めず、
「見積書を置いていってください」
「家族と相談します」
「他社にも見積りを依頼します」
と伝え、一度検討しましょう。
国民生活センターでも、訪問販売によるリフォーム工事について、契約を急かされて不要な工事をしてしまったという相談が寄せられています。
突然訪問してきた業者から勧誘を受けても、その場で契約せず、複数の事業者から見積りを取って比較することが勧められています。
「近所だから安い」を上手に判断するには?
近所で実際に工事をしている会社から、
「近所なので少し安くできます」
と提案された場合、最初から断る必要はありません。
次のように聞いてみましょう。
「通常価格と、今回の価格の違いを見積書に記載してもらえますか?」
さらに、
「どの費用が安くなったのですか?」
と確認します。
値引きの理由と金額が明確で、工事内容にも納得できるのであれば、検討してよいでしょう。
反対に、値引きの根拠があいまいだったり、契約を急かされたりする場合は、一度立ち止まることをおすすめします。
ここまでの内容は、塗装会社選びで確認したいことの一部です。
建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】をあわせて見ると、会社を判断しやすくなります。
リフォーム会社にも、塗装会社にも共通する会社選びの基本を、順番に知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
「近所で工事しているので安くできます」という営業が、すべて怪しいわけではありませんが、「近所だから安い」という言葉だけで、お得だと判断するのは避けましょう。
確認したいのは、
- 本当に近所で工事しているのか
- 何の費用が安くなるのか
- 足場を安くできる理由は何か
- 値引き前の価格は適正なのか
- 他社と比べても納得できる価格なのか
の5つです。
特に「今日契約すれば安くなる」と急かされた場合は、その場で決めないことが大切です。
外壁塗装は、値引き額だけで選ぶものではありません。
「必要な工事が適切に含まれているか」
「価格の根拠が明確か」
「他社と比較して納得できるか」
を確認してから、工事を依頼する会社を決めましょう。
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