【この記事は約3分で読めます】
執筆:二級建築士 安藤勉
→詳しいプロフィールはこちら
キッチンで家電を使おうとすると、
「コンセントが足りない」
「延長コードを使っていて邪魔」
「電子レンジや電気ケトルを同時に使いたい」
と困ることがあります。
キッチンのコンセントは、リフォーム後でも増やせます。
ただし、家電の電気容量によっては、コンセントを増やしてもブレーカーが落ちてしまう可能性もあります。
この記事では、後からキッチンまわりにコンセントを追加する前に確認したい内容や方法について解説します。
コンセントを増やしても「同時に使える」とは限らない
コンセントの増設で特に注意したいのは、差し込み口を増やしても、電気を使える量そのものが増えるとは限りません。
例えば、電子レンジやトースターなど、消費電力の大きな家電を同時に使う場合は、回路の容量について確認が必要です。
電気工事会社には、「コンセントを増やすと、電子レンジとトースターを同時に使えますか?」など、実際の使い方を伝えて確認しましょう。
必要であれば、既存回路とは別に新しい回路を設けることもあります。
コンセント増やす2つの方法
キッチンに、後からコンセントを増設する方法は大きく分けて2つあります。
①既存の配線から分岐して増やす
近くに付いているコンセントの配線を利用して、新しいコンセントを増やす方法です。
新しく付けたい場所まで、電気の配線を持ってくることができない場合は、壁の一部を壊して配線する必要があります。
どうしても配線を隠せない場合は、露出配線工事になります。
②分電盤から新しく配線する
分電盤から新しく配線を引き、コンセントを設置する方法です。
消費電力の大きな家電を増やす、ブレーカーが頻繁に落ちてしまう場合はこちらの方法がおすすめです。
キッチンではコンセントの場所も重要
コンセントを増やすときは、数だけでなく設置場所も確認しましょう。
まずは、普段使っている家電と増やす予定の家電を書き出してみましょう。
電子レンジ、炊飯器、トースター、冷蔵庫の他、電気ケトルやコーヒーメーカー、家電調理器など、キッチンには様々な家電があります。
ここで大切なのは、家電の「数」だけではありません。
特に注意したいのが、水や油がかかりやすい場所です。シンクのすぐ近くなど、使用状況によって水がかかる可能性がある場所は避ける必要があります。
また、コンセントの前に家電や収納を置いてしまうと、せっかく増設しても使えません。
そのため、
「作業台のどこで家電を使うか」
「家電を収納する場所はどこか」
「コンセントが家具で隠れないか」
まで考えて位置を決めることが大切です。
キッチンのコンセントは、使う家電と動線をセットで考えましょう。
コンセントの増設は「見た目」も確認する
後付けの場合、配線をどこから通すかによって工事方法が変わります。
壁の中に配線を隠せる場合もあれば、住宅の構造などによって隠ぺい配線が難しい場合もあります。
その場合は、配線を露出させてカバーなどで処理する方法になります。
そのため、依頼するときは、「コンセントを増やしたい」だけではなく、
「配線は壁の中に隠せますか?」
「仕上がりはどうなりますか?」
まで確認しておくと安心です。
特に、キッチンの壁や収納をきれいに仕上げたい場合は、完成後の見た目まで確認しておきましょう。
キッチンのリフォームと一緒なら増設しやすい
キッチンの壁や収納をリフォームする予定があるなら、コンセントの増設も一緒に相談しましょう。
壁や床などを解体するため、配線を壁の中に隠ぺいすることが可能です。
そのタイミングで配線工事をすませておけば、後から追加するより安くできます。
例えば、
・カップボードを新しくする
・キッチンを交換する
・キッチンの壁を変更する
・間取り変更をする
といった工事を予定しているなら、コンセントの場所や数も一緒に見直してみましょう。
マンションは管理規約も確認する
マンションの場合は、戸建てとは違い、壁や電気設備の扱いについて、管理規約で工事方法が決められている場合があります。
そのため、コンセントを増設したいと思ったら、まず管理規約を確認しましょう。
工事内容によっては、管理組合への確認や申請が必要になることもあります。
「自分の部屋の中だから自由に工事できる」とは限らない点に注意してください。
コンセント増設は電気工事士に依頼する
コンセントの増設は、国家資格が必要な電気工事に該当します。
そのため、DIYで配線を変更するのではなく、電気工事士に依頼しましょう。
工事会社に相談するときは、次のことを伝えると話がスムーズです。
・増やしたいコンセントの場所
・使いたい家電
・同時に使いたい家電
・現在困っていること
・延長コードを使っている場所
これらを伝えたうえで、必要な配線や回路を確認してもらいましょう。
「コンセントを増やす」より、使い方を変えた方がいい場合もある
コンセントが足りないからといって、必ず増設工事が必要とは限りません。
例えば、家電を使わない時間は収納しているのに、収納場所とコンセントの位置が合っていないだけかもしれません。
また、カップボードを新しくすることで、家電の配置とコンセントの位置を整理できる場合もあります。
大切なのは、「コンセントが足りない」という問題だけを見るのではなく、「どの家電を、どこで、どのように使いたいのか」まで整理することです。
リフォームでは、今困っていることと、将来使いたい家電も含めて考えておくと、増設した後の使い勝手をイメージしやすくなります。
コンセント増設を依頼するときに確認したいこと
見積りを依頼するときは、次の点を確認しましょう。
①どの回路から電気を取るのか
既存の回路を利用するのか、新しい回路を設けるのかを確認します。
②使いたい家電を伝える
電子レンジなど、消費電力の大きな家電を使う場合は、必ず伝えましょう。
③配線方法を確認する
壁の中に隠せるのか、露出配線になるのかを確認します。
④コンセントの位置を確認する
完成後に家具や家電で隠れない位置になっているか確認しましょう。
⑤見積りで電気工事以外の工事を確認する
コンセント本体の設置、配線工事だけでなく、壁の補修などが必要になる場合があります。
見積りでは「コンセント増設一式」だけを見るのではなく、どこまで工事に含まれているのか確認することが大切です。
リフォーム会社に依頼するときは、価格だけでなく、工事内容や説明まで確認しておきましょう。
まとめ|コンセントは「数」より「使う場所」で考える
キッチンのコンセントは、後から増やせる場合があります。
ただし、既存の配線を利用できるか、新しい回路が必要か、どこに設置するかは住宅によって異なります。
特にキッチンは、複数の調理家電を使う場所です。
そのため、「コンセントを何個増やすか」だけでなく、「どの家電を、どこで、同時に使うのか」まで考えておくことが重要です。
コンセントを増やすこと自体を目的にせず、今のキッチンで何が不便なのかを整理してから工事を検討しましょう。
まずは、現在使っている家電を書き出し、使いたい場所を決めてから、電気工事会社に相談するのがおすすめです。
会社選びで迷う方へ
リフォームで失敗しないための知識は「青本・赤本」にまとめています。

※NHKでも紹介された冊子です
※累計100万部発行