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執筆:二級建築士 安藤勉
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キッチンの収納が足りないなら、パントリーを後からつくることは可能です。
実は、壁面に棚を設けるだけでも、パントリーとして十分使える場合があります。
大切なのは「何畳のパントリーが必要か」ではなく、何を収納したいのかを先に決めることです。
パントリーは後からつくれる?
パントリーの後付け方法は、大きく3つあります。
・壁面に収納棚を設ける
・既存の収納や空間をパントリーに変える
・壁をつくって小さな収納スペースを新設する
最も工事しやすいのは、壁面収納タイプです。
キッチンの近くに空いている壁があれば、そこに棚を設置して食品や日用品をまとめられます。
一方、独立したパントリーを新しくつくる場合は、壁や建具の工事が必要になることがあります。
そのため、同じ「パントリーをつくる」リフォームでも、工事の規模は大きく異なります。
まずは「小さくても収納を増やしたい」のか、「人が入れる収納スペースが欲しい」のかを整理しましょう。
パントリーに必要な広さは?
パントリーは、法律で決められた最低面積が定められているわけではありません。
収納する物と、使い方によって必要な広さは変わります。
例えば、食品や調味料を中心に収納するだけなら、壁面に浅い棚を設ける方法でも対応できます。
一方、米や飲料、ホットプレートなど大きな物まで収納したいなら、収納スペースが
奥行きが深すぎると、奥に入れた食品が見えにくくなりますので、収納棚の奥行きは30~45cm程度が使いやすいサイズです。
人が中に入るウォークインタイプなら、棚だけでなく通路のスペースも必要です。
そのため、スペースが限られた住宅では、無理にウォークイン型にするより、壁面収納タイプの方が使いやすくなります。
壁付けタイプの広さの目安は0.3~1帖程度、小部屋タイプは1帖以上となります。
ただし、これはすべての住宅に当てはまる基準ではありません。
「何帖必要か」だけでなく、収納する物と動線から広さを決めることが重要です。
パントリーをつくるなら、どこがいい?
パントリーを設置するなら、キッチンの近くが最も最適です。
料理中に調味料や食品を取りに行きやすく、買い物から帰ったときも収納しやすくなります。
ただし、キッチンのすぐ横ならどこでもよいわけではありません。
例えば、パントリーの扉がキッチンの通路をふさいだり、冷蔵庫の扉を開ける邪魔になったりすると、収納を増やしたことで動きにくくなることがあります。
おすすめの候補は次のような場所です。
・キッチンと隣接する壁
・キッチン背面の空いている壁
・キッチンとダイニングの間
・玄関からキッチンまでの動線上
・使っていない収納や物入れ
特に、買い物から帰ってきて食品を収納することを考えるなら、玄関からキッチンまでの動線も重要です。
「料理をするとき」と「買い物から帰ったとき」の2つの動きを確認してみましょう。
パントリーを後付けするときの3つの方法
1.壁面に棚を設置する
最も省スペースで考えやすい方法です。キッチン周辺の壁に可動棚などを設置します。
大がかりな間取り変更をせず、収納量を増やせる可能性があります。
棚の奥行きは30~45cm程度を目安にすると、収納する物を見渡しやすくなります。
「パントリーをつくりたいけれど、部屋を狭くしたくない」という場合に検討しやすい方法です。
2.既存の収納をパントリーにする
使っていない物入れや収納スペースがあるなら、そこを食品庫として使う方法もあります。
新しく壁をつくる必要がないため、空間を有効活用できます。
ただし、棚の奥行きや高さを確認してください。
奥行きが深すぎる収納では、食品が奥に埋もれて使いにくくなることがあります。
3.一部の空間を仕切ってつくる
キッチンに隣接した部屋や廊下などに余裕があれば、壁や建具を設けてパントリーにする方法もあります。
収納量を大きく増やせる一方、壁の新設や内装工事などが必要になる場合があります。
また、既存の間取りによっては、柱や構造上重要な壁が関係することもあります。
そのため、単純に「ここを収納にしたい」と考えるだけでは工事できない場合があります。
「広いパントリー」にすれば便利とは限らない
パントリーは、広ければ広いほど便利になるとは限りません。
収納場所が増えると、物をたくさん入れられる反面、何がどこにあるのか分かりにくくなることがあります。
特に食品を収納する場合は、奥行きを深くしすぎないことがポイントです。
また、パントリーの中に人が入るウォークインタイプでは、収納棚と通路の両方に面積が必要になります。
そのため、限られた住宅では「大きなパントリーをつくる」より、「必要な物だけを取り出しやすく収納する」方が使いやすいことがあります。
これは、パントリーを後付けするときに意外と見落としやすいポイントです。
工事前に確認したい4つのこと
収納する物を決める
まず、現在キッチンにあふれている物を書き出します。
例えば、
・米や飲料
・缶詰やレトルト食品
・調味料
・ホットプレート
・鍋や調理器具
・キッチンペーパー
・日用品
などです。
収納する物が分かれば、必要な棚の奥行きや高さも考えやすくなります。
パントリーまでの動線を確認する
キッチンから近いだけでなく、冷蔵庫や作業台との位置関係も確認します。
扉を開けたときに通路をふさがないかも重要です。
壁の中を確認する
壁に棚を固定する場合は、下地の位置を確認する必要があります。
壁の中には柱や配線などがあるため、設置場所によっては希望どおりに棚を固定できないことがあります。
壁を撤去したり、新しく壁をつくったりする場合は、さらに構造や設備の確認が必要です。
換気や照明も考える
食品を収納する場所なので、湿気やにおいがこもらないかも確認します。
特に人が入るウォークインタイプでは、照明や換気についても計画しておくと使いやすくなります。
リフォーム会社には何を聞けばいい?
パントリーの後付けを相談するときは、「何畳のパントリーができますか?」だけで終わらせないことが大切です。
次のように聞いてみましょう。
「今ある収納スペースをパントリーにできますか?」
「壁面収納だけにした場合、どのくらい収納量を増やせますか?」
「この場所に棚をつけても動線は問題ありませんか?」
「壁の中に柱や配線などの問題はありませんか?」
「ウォークインにする場合、どのくらいの面積が必要ですか?」
できる・できないだけでなく、その理由まで確認しましょう。
現地調査では、図面だけでは分からない壁の内部や既存収納の状態なども確認してもらうことが大切です。
パントリーをつくらなくても解決できる場合がある
収納不足を感じたからといって、必ずパントリーを新設する必要はありません。
例えば、
・カップボードを追加する
・壁面収納を増やす
・既存収納の棚を変更する
・キッチン収納を引き出し式にする
といった方法でも、収納量や使いやすさを改善できる場合があります。
特にキッチン周辺の面積に余裕がない住宅では、パントリーのために通路やダイニングを狭くするより、既存の壁面を活用した方が暮らしやすいことがあります。
大切なのは、「パントリーをつくること」ではありません。
「今、何が収納できなくて困っているのか」を解決することです。
キッチンのパントリーに関するよくある質問
Q1. パントリーは1畳あれば十分ですか?
A.収納する物によって変わります。
食品や調味料中心なら小さな壁面収納でも対応できます。
人が入るウォークインタイプでは、棚と通路の両方にスペースが必要です。
そのため、面積だけでなく収納する物と動線を確認して決めましょう。
Q2. パントリーはキッチンの横につくらないといけませんか?
A. 必ずしもキッチンの真横である必要はありません。
玄関からキッチンまでの動線上など、買い物した物を運びやすい場所も候補になります。
ただし、キッチンから離れすぎると、料理中に物を取りに行く負担が増えるため注意が必要です。
Q3. パントリーの代わりにカップボードでもいいですか?
A. はい。カップボードでも代用可能です。
収納したい物や現在のキッチンの広さによっては、カップボードや壁面収納の方が適している場合があります。
「パントリーをつくる」という方法だけに限定せず、必要な収納量と使いやすさから比較しましょう。
まとめ|パントリーは「広さ」より「使い方」から考える
キッチンにパントリーを後付けすることは可能です。
ただし、必要な広さは家庭によって違います。
まずは、何を収納したいのかを書き出してみましょう。
そのうえで、
・壁面収納で足りるのか
・既存収納を転用できるのか
・小さなパントリーを新設するのか
・ウォークインタイプが本当に必要なのか
を比較します。
パントリーは大きくすれば便利になるとは限りません。
収納する物が見渡せて、キッチンから取り出しやすく、普段の動線を邪魔しないことが重要です。
後付けを考えるなら、まずは現在のキッチンで「収納できずに困っている物」を整理することから始めてみましょう。
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