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執筆:二級建築士 安藤勉
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「料理をしていると、以前より疲れるようになった」
50代・60代になると、キッチンでの立ち仕事が負担に感じることがあります。
立つ時間を短くしたり、歩く距離を減らしたりと、負担そのものを見直す必要があります。
この記事では、疲れにくいキッチンにするための見直しポイントを紹介します。
「立つのがつらい」はキッチンを見直すサイン
料理では、食材を取り出す、切る、加熱する、盛り付ける、片付けるなど、さまざまな作業を繰り返します。
そのため、長時間立っていることだけでなく、何度も歩く、かがむ、手を伸ばすといった動作も負担になります。
まずは「料理中のどの動作が一番つらいのか」を考えてみましょう。
例えば、
・調理中に長く立っている
・冷蔵庫まで何度も歩く
・収納から物を出すためにかがむ
・高い場所の物を取る
・食器を運ぶ距離が長い
などです。
疲れの原因が分かれば、必要なリフォームや改善ポイントが見えてきます。
座れる場所をつくるだけでは解決しない
料理中の疲れ対策として、キッチンに椅子を置く方法があります。
作業の合間に座れるため、立ち続ける負担を減らす方法の一つですが、座る場所をつくればすべて解決するわけではありません。
椅子を置くことで通路が狭くなったり、調理中に椅子が邪魔になったりすることもあります。
また、座って作業できる場所と、立って作業した方がよい場所があります。
そのため、「座れるキッチンにする」よりも、「どの作業なら座ってできるか」を考えることが大切です。
疲れにくいキッチンの改善ポイント
① 料理中に座れる場所
長時間の下ごしらえをするには、立ったままでは疲れてしまいます。
少し休憩するために、キッチン周辺に座れるスペースを検討しても良いでしょう。
まずは今のキッチンになどを置き、実際に使いやすいか試してみてはいかがでしょうか?
② よく使う物の収納位置
収納が遠かったり、低すぎたり、高すぎると料理のたびに余計な動作が増えます。
毎日使う鍋や調味料などは、無理なく手が届く位置にあると使いやすいキッチンになります。
「慣れているからこのままでいい」と考えがちですが、今よりも使いやすいキッチンにするにはどうしたらいいか?考えることが重要です。
③ 冷蔵庫から調理台までの動線
料理では冷蔵庫とシンク、コンロを何度も行き来します。
この距離が長いと、少しずつ負担が積み重なります。
キッチンを大きく変える前に、実際にどこを何回往復しているのか確認してみましょう。
④ ワークトップや作業台の高さ
キッチンのワークトップや、作業台が自分の体格に合っていないと、調理中に前かがみになったり、肩に力が入ったりすることがあります。
ワークトップは、床から85cmが標準のサイズですが、ご自身の身長に合った、使いやすい高さがあると思います。
キッチンを交換するなら、ショールームなどで実際の高さを確認しておきましょう。
「標準サイズだから大丈夫」と決めず、自分が普段どの姿勢で作業しているかを見ることが大切です。
大きなリフォームをしなくても改善できる
「疲れにくいキッチンにしたい」と考えると、キッチン全体を交換したくなるかもしれません。
しかし、必ずしも大規模なリフォームが必要とは限りません。
例えば、
・よく使う物の収納場所を変える
・スツールを置く
・作業台まわりを整理する
・食器や家電の位置を変える
・必要な収納だけ追加する
といった方法でも、負担を減らせる場合があります。
まず今のキッチンで「何がつらいのか」を整理してから、必要な工事を考えることが大切です。
リフォーム会社には「設備」より「困っている動作」を伝える
キッチンリフォームを相談するとき、「座れるキッチンにしたい」と伝えるだけではなく、
「夕食を作るとき、30分以上立っているのがつらい」
「冷蔵庫とコンロを何度も往復するのが大変」
など、具体的な困りごとを伝えてみましょう。
すると、椅子を置く以外にも、収納や配置、動線などを含めて提案してもらいやすくなります。
ここはリフォーム会社選びでも重要なポイントです。
希望した設備をそのまま付けるだけでなく、「なぜ困っているのか」まで確認してくれる会社かどうかを見てみましょう。
まとめ|「立たない」より「立ち続けない」
50代・60代のキッチンリフォームでは、「座れるようにする」ことだけを目的にする必要はありません。
大切なのは、
・立ち続ける時間を減らす
・歩く距離を短くする
・収納から物を取り出しやすくする
・自分に合った高さで作業する
というように、料理中の負担を一つずつ減らすことです。
まずは今のキッチンで「どの動作が一番疲れるのか」を確認してみましょう。
そのうえで必要な工事を考えると、過剰なリフォームを避けながら、自分たちの暮らしに合ったキッチンをつくりやすくなります。
リフォーム会社を選ぶときも、設備の提案だけでなく、困っていることを丁寧にヒアリングして、改善の提案をしてくれる方に相談がおすすめします。
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