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執筆:二級建築士 安藤勉
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重い鍋や大きな食器を出すたびに、腰をかがめたり、腕を上げたりするのがつらい。
そんなときは、収納量を増やす前に「重い物をどこに置いているか」を見直してみましょう。
基本は、よく使う重い物ほど、無理なく手が届き、持ち上げる動作が少ない場所へ。
キッチンリフォームでも、収納の大きさだけでなく「どう取り出すか」まで考えることが大切です。
重い鍋や食器は「高すぎない・低すぎない場所」へ
重い鍋や食器を収納するとき、避けたいのが極端に高い場所と低い場所です。
高い棚から重い鍋を下ろすと、腕や肩に負担がかかります。一方、床に近い収納では、取り出すたびに深くかがむ必要があります。
そのため、よく使う重い物は、立った状態で無理なく出し入れできる高さを優先しましょう。
目安としては、腰から目線くらいまでの「手が届きやすい範囲」です。
鍋・食器は「使う場所の近く」にしまう
高さだけでなく、収納する場所も重要です。
例えば、
・鍋やフライパン→コンロ周辺
・ボウルやザル→シンク周辺
・普段使いの食器→配膳しやすい場所
というように、使う場所の近くに収納します。
よく使う物を遠くに置くと、取り出すたびに持って歩くことになります。
収納を「空いている場所に入れる」のではなく、「どこで使う物か」で決めると、毎日の動作を減らせます。
重い鍋は「コンロ下」が候補
毎日のように使う鍋やフライパンなら、コンロ下の収納が候補になります。
調理するときにすぐ取り出せるため、キッチン内を行き来する必要も減らせます。
特に引き出しタイプなら、奥の物まで見渡しやすく、かがんで手を伸ばす動作も減らしやすくなります。
ただし、鍋を詰め込みすぎると引き出し自体が重くなります。
「たくさん入ること」より、「一つずつ無理なく取り出せること」を優先しましょう。
大皿や重い食器は「胸より上」に置かない
大きな皿や土鍋などを吊戸棚の上段に収納するのは避けた方が安心です。
高い位置から重い物を下ろすのは大変ですし、地震が発生したときは落下する危険もあります。
高い収納には、ラップや軽い保存容器など、比較的軽い物を入れる方法があります。
反対に、毎日使う食器は、無理なく手が届く位置にまとめておくと取り出しやすくなります。
収納のプロによる情報でも、日常的に使う食器は手の届きやすい高さにまとめる考え方が紹介されています。
「引き出しなら腰がラク」とは限らない
キッチンリフォームでは、開き戸から引き出し収納への変更も選択肢になります。
奥の物を取り出しやすくなるため、使い方によっては便利です。
ただし、引き出しの高さや深さによっては、かがんで中をのぞき込む必要があります。
また、重い物を大量に入れると、引き出しを開けること自体が負担になる場合があります。
そのため、「引き出しにする」ことを目的にするのではなく、「鍋を取り出すとき、どんな動作をしているか」まで確認しましょう。
まずは今の収納を一つだけ変えてみる
いきなりキッチンをリフォームする必要はありません。
まずは、毎日使う重い鍋や大皿を一つ選んでみましょう。
そして、
「かがまず取れるか」
「腕を高く上げなくても取れるか」
「取り出してから調理場所まで遠くないか」
を確認します。
使いにくければ、別の場所へ移して数日使ってみます。
これだけでも、自分にとって「ラクな収納位置」が分かってきます。
その感覚をリフォーム会社に伝えれば、収納計画を考えるときにも役立ちます。
リフォームでは「収納量」より「取り出し方」を見る
キッチンをリフォームするときは、収納スペースの大きさだけを比較しないことが大切です。
確認したいのは、
・重い物を高く持ち上げないか
・深くかがまなくてよいか
・奥まで手を伸ばさなくてよいか
・使う場所まで運びやすいか
・何が入っているか分かりやすいか
という点です。
カタログだけでは、使いやすさはわからないため、ショールームでは、実際に引き出しを開けたり、鍋を持ったりして確認しましょう。
リフォーム会社には「腰がつらい」と具体的に伝える
リフォーム会社には、「収納を増やしたい」だけでなく、
「鍋を出すときに腰をかがめるのがつらい」
「大皿を高い棚から下ろすのが不安」
など、困っている動作を伝えましょう。
そうすれば、収納の高さや配置、引き出しの使い方まで含めて考えてもらいやすくなります。
ここで大切なのは、希望した収納をそのまま設置するだけではなく、普段の使い方まで確認してくれるかどうかです。
まとめ|重い物ほど「取り出す動作」から考える
重い鍋や食器は、単純に「上」か「下」のどちらがよいと決めるのではありません。
大切なのは、
・高く持ち上げない
・深くかがまない
・無理に手を伸ばさない
・使う場所の近くに置く
という4つです。
特に毎日使う重い物は、立った状態で無理なく取り出せる位置を探してみましょう。
キッチンリフォームでも、「収納を増やす」ことを先に考えるのではなく、「鍋や食器をどう取り出しているか」を見直すことから始めると、自分に合った収納が見つかりやすくなります。
まずは今のキッチンから、重い鍋や大皿を一つ選んで、収納場所を見直してみてください。
そしてリフォームをするなら、設備の種類だけでなく、毎日の動作まで考えて提案してくれる会社を選ぶことが大切です。
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