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執筆:二級建築士 安藤勉
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「2階の寝室だけWi-Fiがつながりにくい」
「オンライン会議中にインターネットが途切れる」
「壁にLANコンセントを増やせば改善できる?」
このように、家の中でインターネットがつながりにくい部屋に困っている方もいるでしょう。
LANコンセントは、すでに住んでいる戸建て住宅にも後付けできます。壁を大きく壊さずに設置できる場合もあります。
ただし、LANコンセントを取り付けるだけでは、Wi-Fiの電波が強くなるわけではありません。
この記事では、LANコンセントを増設する方法と、Wi-Fiが届きにくい部屋を改善する方法を解説します。
LANコンセントを後付けする方法
LANコンセントとは、パソコンや通信機器をLANケーブルで接続するための、壁に設ける差し込み口です。
設置するには、インターネット回線につながるルーターなどからLANケーブルを引く必要があります。
1. 壁の中の配管を利用する
住宅によっては、壁の中に電線や通信ケーブルを通すための管が設けられています。
このような管のうち、ケーブルが入っていないものを「空配管」といいます。
空配管が利用できれば、壁を大きく壊さずにLANケーブルを通せる場合があります。
ただし、配管が希望する部屋までつながっているか、LANケーブルを通せる余裕があるかを確認する必要があります。
2. 壁や天井裏にLANケーブルを通す
空配管がない場合でも、壁の中や天井裏、床下を利用して配線できることがあります。
例えば、1階のルーターから2階の寝室までケーブルを延ばす方法です。
ただし、柱や梁、断熱材などが妨げになる場合があります。
また、新しいLANコンセントを取り付ける部分には、壁に穴を開ける必要があります。
壁の中に配線できても、壁をまったく傷つけずに設置できるとは限りません。
3. 壁の表面に配線する
壁の中にケーブルを通せない場合は、壁の表面に配線する方法があります。
LANケーブルを専用の配線カバーに収め、壁や廊下に沿わせて設置します。
配線が見えるものの、壁を大きく壊さずに済むことがメリットです。
ただし、ドアの開閉や通行の邪魔にならない経路を選ぶ必要があります。
LANコンセントを増やせば通信は改善する?
LANコンセントを増やしても、インターネットの通信が改善しないことがあります。
パソコンやテレビなら有線LANで接続する
LANコンセントにパソコンやテレビをケーブルで接続すれば、Wi-Fiの電波状況に左右されず、通信が安定します。
特に、オンライン会議や動画視聴、ゲームなどで通信が不安定な場合に有効です。
ただし、インターネット回線自体が遅い場合は、LAN接続だけで解決するとは限りません。
スマートフォンならWi-Fiのアクセスポイントを増やす
スマートフォンやタブレットを使う場合は、LANコンセントに対応するWi-Fiアクセスポイントを接続する方法があります。
アクセスポイントとは、Wi-Fiの電波を出す機器のことです。
例えば、2階の寝室にLANコンセントを設け、そこにアクセスポイントを接続すれば、2階でもWi-Fiを利用しやすくなります。
Wi-Fiが弱い部屋では、LANコンセントの増設とアクセスポイントの設置を組み合わせる方法が有効です。
Wi-Fiが届きにくい場合は、LAN工事をしない方法もある
LANコンセントを増設する前に、Wi-Fiルーターの設置場所を見直すことも大切です。
1. Wi-Fiルーターの位置を変える
Wi-Fiの電波は、壁や床、家具などによって弱くなることがあります。
特に、ルーターを部屋の隅や金属製の棚の中に置いている場合は、電波が届きにくくなることがあります。
住宅の中心に近い場所などへ移動するだけで、改善する場合もあります。
2. Wi-Fi中継機を設置する
Wi-Fi中継機は、ルーターから届く電波を受け取り、離れた場所へ届ける機器です。
例えば、1階にルーターがあり、2階の寝室で電波が弱い場合は、階段付近などに中継機を設置する方法があります。
ただし、中継機を電波がほとんど届かない場所に置いても、十分な効果が得られない場合があります。
3. メッシュWi-Fiに変更する
メッシュWi-Fiは、複数の対応機器を使って、家の中のWi-Fi利用範囲を広げる仕組みです。
2階建て住宅などで、複数の部屋に電波が届きにくい場合に選択肢になります。
ただし、メッシュWi-Fiでも、機器同士の通信状態が悪いと十分な性能を発揮できません。
対応機器同士をLANケーブルで接続する方法もあります。
LAN増設とWi-Fi改善方法はどれを選ぶ?
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| ルーターの位置変更 | 一部の部屋だけ電波が弱い | 設置場所に制約がある |
| Wi-Fi中継機 | 電波が少し届きにくい | 設置位置によって効果が変わる |
| メッシュWi-Fi | 複数の部屋で電波が弱い | 機器の追加費用がかかる |
| LANコンセント増設 | パソコンなどを安定して接続したい | 配線工事が必要 |
| LAN+アクセスポイント | 離れた部屋でWi-Fiを使いたい | 配線と機器の設置が必要 |
まずはルーターの位置を見直し、それでも改善しない場合に中継機やLAN配線を検討するとよいでしょう。
LANコンセントを後付けするときの注意点
ルーターから配線できるか確認する
LANコンセントは、ルーターなどの通信機器から、新しいLANコンセントまで適切にケーブルを接続する必要があります。
また、複数の部屋に増設する場合は、接続口の数や通信機器の設置場所も確認しましょう。
ケーブルの規格を確認する
LANケーブルには、通信性能の規格があります。
使用する通信機器や回線速度に合ったケーブルを選ぶことが大切です。
例えば、カテゴリー6(Cat6)は、一般家庭での1Gbps通信などに利用できます。
ただし、高性能なケーブルを設置しても、契約回線やルーターの性能を超える速度になるわけではありません。
電源コンセントと混同しない
LANコンセントと、家電に電気を供給する100Vの電源コンセントは別の設備です。
一般的な宅内LANケーブルの配線自体には、通常、電気工事士の資格は必要ありません。
ただし、100Vの電源コンセントを新設・移設する工事には、原則として電気工事士の資格が必要です。
また、既存の電気配線を傷つけないように施工する必要があります。
LANコンセントの後付け費用は何で変わる?
工事費用は、LANコンセントの数だけでなく、配線距離や壁の構造によって変わります。
| 工事内容 | 費用が変わる理由 |
|---|---|
| LANコンセント設置 | 設置する数や製品の仕様 |
| 壁内配線 | 配管の有無、配線経路 |
| 露出配線 | ケーブルの長さ、配線カバー |
| 壁の補修 | 穴開けや内装復旧の範囲 |
| 通信機器の追加 | ハブやアクセスポイントの有無 |
例えば、既存の空配管を利用できる場合は、壁の解体を抑えられる可能性があります。
一方、1階から2階まで新しい配線経路をつくる場合は、天井や壁の一部を開ける必要が生じることがあります。
見積もりでは、配線工事だけでなく、壁の補修や接続確認まで含まれているか確認しましょう。
LANコンセントを後付けする前に確認したいこと
工事前には、次の点を整理しましょう。
- インターネットが遅いのか、Wi-Fiの電波が弱いのか
- どの部屋で、どの機器を使いたいか
- ルーターの位置を変更できないか
- 中継機やメッシュWi-Fiで改善できないか
- LANケーブルを壁の中に通せるか
- 壁を壊さずに配線できる方法があるか
- アクセスポイントや電源の追加が必要か
リフォーム会社や通信工事業者には、特に次の3つを確認しましょう。
「1階から2階まで、壁を大きく壊さずにLANケーブルを通せますか?」
「この部屋のWi-Fiを改善するには、LANコンセントと中継機のどちらが適していますか?」
「配線工事後の通信確認まで対応してもらえますか?」
LANコンセントの後付けでよくある質問
Q1. 2階の部屋にもLANコンセントを後付けできますか?
はい。1階のルーターから2階までLANケーブルを通せれば、設置できます。
既存の空配管や壁・天井裏の空間を利用できる場合は、壁を大きく壊さずに施工できる可能性があります。
Q2. LANコンセントを増設すればWi-Fiの電波も強くなりますか?
LANコンセントを設置するだけでは、Wi-Fiの電波は強くなりません。
増設したLANコンセントにWi-Fiアクセスポイントを接続すれば、その部屋の通信環境の改善が可能です。
Q3. LANコンセントの後付けはDIYでもできますか?
一般的な宅内LANケーブルの配線だけであれば、通常、電気工事士の資格は必要ありません。
ただし、壁の中には電気配線や柱などがあるため、施工には注意が必要です。
特に壁内配線や2階への配線は難しい場合があるため、通信工事に対応できる業者への依頼が安心です。
まとめ|LANコンセントは後付けできるが、Wi-Fi改善が目的なら方法を比較する
LANコンセントは、既存の戸建て住宅にも後付けできます。
壁の中に配線を通せる場合は、壁を大きく壊さずに設置できることもあります。
ただし、Wi-Fiが届きにくい問題は、LANコンセントを増やすだけでは解決しません。
まずはルーターの位置や中継機、メッシュWi-Fiなど、工事をしない方法も検討しましょう。
そのうえで、安定した有線接続が必要な場合や、離れた部屋にアクセスポイントを設けたい場合は、LANコンセントの増設が選択肢になります。
リフォーム会社には、LAN配線だけでなく、現在の通信環境に合った改善方法を提案してもらうことが大切です。
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