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執筆:二級建築士 安藤勉
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「家具を置きたい場所にコンセントがない」
「延長コードを使わず、使いやすい位置にコンセントを増やしたい」
「壁を壊さずにコンセントを追加できる?」
古い住宅は、コンセントが少なく、使いにくい位置に設置されています。
コンセントは、後から増設が可能で、壁を大きく壊さずに追加できる場合もあります。
この記事では、コンセントを後付けする方法と、壁を壊さずに増設できる条件、工事前の注意点を解説します。
壁を壊さずにコンセントを増やす方法
壁の中に電線を通す「壁内配線」
壁の内部に電線を通せる空間があれば、壁を大きく壊さずにコンセントを増やすことができます。
この方法は、壁内配線と呼ばれ、配線が室内から見えず、すっきり仕上がります。
壁の中に筋交いや、断熱材が入っていると、希望する経路に配線を通すことが困難になります。
壁の表面に配線する「露出配線」
壁の内部に電線を通せない場合は、壁の表面に配線する「露出配線」という方法があります。
電線を専用の配線カバーなどで保護し、壁に沿わせて新しいコンセントまで延ばします。
壁を大きく壊さずに施工できることがメリットです。
ただし、配線カバーが室内に見えるため、壁の見た目は変わります。
また、配線を通す位置によっては、壁に小さな穴を開ける必要があります。
コンセントを増設するときに注意したい4つのこと
1. 電気回路の容量を超えないようにする
コンセントを増やしても、同じ回路につながっていれば、使える電気の量には限りがあります。
例えば、電子レンジや電気ケトルなど、消費電力の大きい製品を同時に使うと、ブレーカーが落ちることがあります。
また、コンセントの定格を超えて使用すると、発熱や火災につながるおそれがあります。
そのため、増設する数だけでなく、どのような電気製品を使うかを確認する必要があります。
2. 専用回路が必要な場合がある
消費電力の大きい電気製品では、分電盤から専用の電気回路が必要になります。
例えば、次のような設備です。
- エアコン
- IHクッキングヒーター
- 電気温水器
- 浴室暖房乾燥機
- EV(電気自動車)充電設備
また、分電盤に空きがなければ、分電盤の交換や回路の増設が必要になることもあります。
3. 水がかかる場所では設置位置に注意する
キッチンや洗面所などでは、水がかかりにくい位置にコンセントを設置する必要があります。
水が入り込むと、漏電や感電につながる危険があるためです。
また、屋外では防雨性能のあるコンセントや、アースや漏電保護についても確認しましょう。
4. 家具で隠れない位置に設置する
コンセントを増やすときは、家具で隠れない位置がおすすめです。
例えば、食器棚やベッドの裏に設置すると、差し込みにくくなったり、電源プラグに無理な力がかかったりすることがあります。
また、コンセントにほこりがたまると、火災につながる危険があります。
掃除や抜き差しがしやすい位置を選びましょう。
コンセントを増やすなら、どこがおすすめ?
コンセントの増設場所は、普段使う電気製品に合わせて考えましょう。
| 場所 | 増設する目的の例 |
|---|---|
| リビング | テレビ、掃除機、スマートフォンの充電 |
| キッチン | 電子レンジ、炊飯器、電気ケトル |
| 寝室 | ベッド横の照明、スマートフォンの充電 |
| 洗面所 | ドライヤー、電動歯ブラシ |
| 玄関 | 掃除機、電動自転車の充電器など |
例えば、ベッドの近くにコンセントを設ける場合は、ベッドの高さや枕元からの距離も考えて位置を決めます。
キッチンでは、使う家電の消費電力を確認し、必要に応じて専用回路を検討しましょう。
コンセントの増設工事は資格が必要?
コンセントを増設する工事は、電気工事士の国家資格が必要です。
接続不良によるショートや漏電から、火災や感電につながる恐れがあるためです。
配線の接続やコンセントの新設をDIYで行うことは避けましょう。
万が一火災が起きた際、無資格工事が原因と判定されると、火災保険の補償が受けられなくなります。
コンセントを増設するときは、必ず電気工事士の資格者に工事をしてもらいましょう。
コンセント増設の費用は何で変わる?
費用は、コンセントの数だけでなく、配線方法や分電盤からの距離によって変わります。
| 工事内容 | 費用が変わる理由 |
|---|---|
| 既存配線から分岐 | 分岐できる場所、配線距離 |
| 壁の表面への配線 | 配線カバーの長さ、施工範囲 |
| 壁の内部への配線 | 壁の構造、配線の難しさ |
| 専用回路の新設 | 分電盤からの距離、電線の仕様 |
| 分電盤の変更 | 空き回路の有無、既存設備の状態 |
| 壁の補修 | 開口する範囲、壁紙の張り替え |
例えば、近くのコンセントから分岐できる場合と、分電盤から新しい専用回路を引く場合では、工事内容が大きく異なります。
見積もりでは、コンセント本体だけでなく、配線工事や壁の補修、必要な分電盤工事まで含まれているか確認しましょう。
コンセントを増設する前に確認したいこと
工事前には、次の点を整理しましょう。
- どこにコンセントを増やしたいか
- どのような電気製品を使うか
- 既存の配線から分岐できるか
- 専用回路が必要か
- 壁の中に配線できるか
- 露出配線でも問題ないか
- 壁の補修や分電盤工事が必要か
リフォーム会社には、特に次の3つを確認しましょう。
「今の壁を壊さずにコンセントを増やせますか?」
「この家電を使う場合、既存回路から分岐しても安全ですか?」
「配線が室内から見えない方法と、配線カバーを使う方法では、工事内容がどう違いますか?」
後付けコンセント工事でよくある質問
Q1. 壁紙を剥がさずにコンセントを増やせますか?
露出配線なら、壁紙を大きく剥がさずに増設できる場合があります。
また、壁の内部に電線を通せる場合も、大がかりな解体を避けられます。
ただし、新しいコンセントを取り付けるための小さな開口や、配線用の穴は必要です。
Q2. 既存のコンセントから分岐して増設できますか?
既存の配線や回路に余裕があり、安全に接続できる場合は可能です。
ただし、コンセントの数を増やしても回路全体で使える電力は増えません。
使用する電気製品によっては、専用回路が必要です。
Q3. 増設するコンセントの形状は変わる?
壁の中コンセントを埋め込むスペースがあれば、周辺のコンセント形状に合わせることが可能です。
埋め込むスペースがない場合は、露出型のコンセントになります。
まとめ|コンセントは壁を大きく壊さず増やせる場合がある
コンセントは、既存住宅にも後から増設できます。
また、壁の表面に配線する方法や、壁の内部に電線を通す方法によって、壁を大きく壊さずに設置できる場合があります。
ただし、既存の配線から分岐できるか、電気回路の容量に余裕があるかを確認する必要があります。
特に、消費電力の大きい家電では専用回路が必要になります。
まずは、どこで何の電気製品を使いたいかを整理し、適切な配線方法を確認してもらいましょう。
リフォーム会社には、壁の補修範囲だけでなく、電気回路の安全性まで確認してもらうことが大切です。
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