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執筆:二級建築士 安藤勉
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階段の上り下りが不安になってきた、玄関やトイレに手すりが欲しいなど、暮らしの中で手すりの必要性を感じることはありませんか。
手すりは、階段・廊下・玄関・トイレなど、家のさまざまな場所に後付けできます。
ただし、どの壁にも、そのまま取り付けられるわけではありません。
手すりに体重をかけても外れないように、壁の内部に十分な強度が必要です。取り付けたい位置に補強がない場合でも、工夫すれば設置できることがあります。
この記事では、手すりを後付けできる場所や壁の補強が必要なケース、壁を大きく壊さずに取り付ける方法を解説します。
手すりを後付けできる場所
手すりは、転倒や転落の防止、歩行や立ち座りなどの動作を補助する役割があります。
後付け手すりの設置は、次のような場所が考えられます。
- 階段:上り下りの際に体を支える
- 廊下:歩行中のふらつきを防ぐ
- 玄関:靴を履くときや段差を上がるときに体を支える
- トイレ:便座から立ち上がるときに体を支える
- 洗面脱衣所:立ち座りや着替えの際に体を支える
- 浴室:浴槽への出入りや洗い場での立ち上がりを補助する
一般的な住宅で使われている石膏ボードの壁は、手すりの金具を普通のネジで直接固定するだけでは十分な強度を確保できません。
壁の補強が必要になるケース
住宅の壁は、柱や間柱などの骨組みに石膏ボードを張り、その上に壁紙を貼って仕上げていることがほとんどです。
柱や間柱などを利用して、手すりをしっかり固定できれば、壁の補強は不要になります。
しかしながら、取り付けたい位置に十分な強度のある下地がなければ、補強が必要です。
壁を壊さずに手すりを後付けする方法はある?
壁の内部に下地がない場合でも、必ずしも壁を大きく壊す必要はありません。
壁の表面に補強板を取り付ける
壁の表面に細長い木製の補強板を取り付け、その板に手すりを固定する方法です。
補強板を柱や間柱などにしっかり固定できれば、壁を広く壊さずに施工が可能です。
ただし、木製の補強板は厚みが15mm程度あるため、手すりの棒がその分だけ手前に出てきます。
場所によって手すりの取り付け方法は違う?
階段・廊下
長い手すりを取り付ける場合は、複数の金具を組み合わせて設置します。
金具の設置したい場所に下地が無ければ、補強板を使う方法があります。
トイレ
立ち上がるときの姿勢に合わせて、縦型やL字型などを選びます。
手すりが紙巻器と一体になっているものや、カウンターと一体になっているタイプもあります。
壁が弱い場合は、床に固定するタイプなども検討できます。
浴室
タイル壁に設置する手すりと、ユニットバスに設置する手すりは、固定方法が異なります。
特に、ユニットバスの場合は、壁の素材によっては後付け手すりが付けられない場合があるため、注意しましょう。
玄関
靴の脱ぎ履きや段差の上り下りなど、必要な動作に合わせて位置を決めます。壁への固定が難しい場合は、床に固定する手すりも選択肢になります。
手すりを後付けする前に確認したいこと
工事を依頼する前に、次の点を確認しておきましょう。
- どこで困っているか:階段の上り下り、トイレでの立ち上がりなど、手すりが必要な動作を整理する
- 手すりを使う人:身長や体の状態によって、使いやすい高さや形が異なる
- 壁の状態:図面や現地調査で、柱・間柱などの位置や壁の強度を確認する
- 工事の範囲:壁を壊さずに取り付けられるか、壁紙の補修も必要かを確認する
手すりの高さや位置は、一般的な寸法だけで決めず、実際に使う人の動きを確認しながら決めることが大切です。
また、将来の介護に備えて取り付ける場合も、現在の生活動線や使いやすさを考慮しましょう。
壁に手すりを取り付けられない場合の代替案
壁の補強が難しい場合でも、次のような方法があります。
床に固定する手すりを使う
壁ではなく、床に支柱を固定する手すりがあります。
トイレや玄関などで使われますが、床にも十分な固定強度が必要です。
置き型の手すりを検討する
工事をせずに設置できる置き型の手すりもあります。
ただし、設置場所や使用方法によっては転倒やずれの危険があるため、製品の使用条件を確認する必要があります。
後付け手すりは助成金を活用
手すりの設置、バリアフリー工事をすると国や地方自治体から補助金がもらえる制度があります。
介護保険制度を使った補助金、国の場合は、窓断熱リフォームと一緒に手すりを設置すると助成金がもらえます。
「どんな工事で補助金が出るか?」知りたい方は、優良工事店ネットワークまでご相談ください。
よくある質問
Q. 石膏ボードの壁にも手すりを後付けできますか?
はい、石膏ボードの下地の柱や間柱に手すりを固定できれば取り付け可能です。
石膏ボードだけでは、身体を支えるための強度がありません。
必ず、柱や間柱といった構造材に手すりを固定しましょう。
Q. 階段の手すりは壁を壊さずに後付けできますか?
はい、できる場合があります。
既存の柱や間柱に固定できる場合や、壁の表面に補強板を取り付ける方法なら、壁を大きく壊さずに設置できることがあります。
ただし、必要な強度を確保できない場合は、壁の一部を開けて補強する必要があります。
Q. DIYで後付け手すりを付けても大丈夫ですか?
ホームセンターやインターネットで、材料や工具を取り寄せれば、手すりを設置することができます。
和風の住宅の場合は、柱が見える真壁のため、手すりが設置しやすい環境です。
しかし、柱が見えない大壁の場合は、壁がボードとクロスに覆われ、柱や間柱の位置がわかりにくい状態です。
うまく固定ができない場合は、工務店やリフォーム会社に相談しましょう。
まとめ|手すりの後付けは壁の強度を確認してから
手すりは、階段・廊下・玄関・トイレ・浴室など、さまざまな場所に後付けできます。
ただし、どの壁にもそのまま取り付けられるわけではありません。
壁に十分な下地がない場合でも、補強板や専用部材を使うことで、大がかりな工事をせずに設置できることがあります。
大切なのは、取り付けたい場所に十分な強度があるか、実際に使う人にとって安全な位置かを確認することです。
手すりの取り付けを検討する際は、壁の状態を確認し、必要な工事を適切に判断できる会社に相談しましょう。
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