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執筆:二級建築士 安藤勉
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マンションのリフォームを考え始めると、
「キッチンを移動したい」
「フローリングに張り替えたい」
「壁を取り払って広いLDKにしたい」
と希望が膨らむ方も多いでしょう。
しかし、マンションは戸建てとは違い、管理規約によって工事内容が制限されることがあります。
「契約したあとに工事できないことが分かった」
「希望していた床材が使えなかった」
というトラブルも少なくありません。
実際、20年以上リフォーム会社選びの相談を受けてきた中でも、管理規約を確認しないままプランを進めてしまい、設計をやり直したケースを数多く見てきました。
だからこそ、マンションでは見積りを依頼する前に、管理規約を確認することが大切です。
この記事では、マンションリフォーム前に確認しておきたい管理規約のポイントをわかりやすく解説します。
管理規約で必ず確認したい7つのポイント
マンションの管理規約には、リフォーム工事に関するルールが細かく定められていることがあります。
マンションによって内容は異なりますが、特に次の7つは必ず確認しておきましょう。
① リフォームできる範囲
マンションでは、自由に工事できるのは「専有部分」が基本です。一方で、
- 窓
- サッシ
- バルコニー
- 玄関ドア
- 共用配管
などは共用部分にあたり、勝手に交換や工事ができないケースがあります。
例えば、窓を断熱性能の高いものに交換したいと思っても、管理組合の承認が必要なことがあります。
「自分の部屋だから自由に工事できる」と思い込まないよう注意しましょう。
② フローリングの防音性能
マンションで最も多いトラブルの一つが床の防音性能です。管理規約には、
- LL-45
- L-45
- ΔLL等級
など、防音性能の基準が指定されていることがあります。
基準を満たさない床材は使用できません。
デザインだけでフローリングを選ぶと、後から変更が必要になることもあります。
床材を選ぶ前に、管理規約で必要な遮音性能を確認しましょう。
③ 工事できる曜日・時間
マンションでは近隣住民への配慮から、
- 工事できる曜日
- 作業時間
- 搬入時間
などが決められていることがあります。例えば、
- 平日のみ
- 午前9時〜午後5時
- 土日祝日は工事禁止
といったルールも珍しくありません。
工期にも影響するため、事前に確認しておくことが大切です。
④ 工事前の申請手続き
多くのマンションでは、工事前に管理組合へ申請が必要です。例えば、
- 工事申請書
- 工事内容の図面
- 工程表
- 工事業者の情報
- 工事保険の加入証明
などの提出を求められることがあります。
申請から承認まで数週間かかるマンションもあるため、早めに準備しておきましょう。
⑤ 水まわりの移動制限
キッチンや浴室、トイレなどの位置を変更したい場合は注意が必要です。マンションでは、
- 排水管の勾配
- 配管スペース
- 共用部分との関係
などの理由から、大きく移動できないケースがあります。
「対面キッチンにしたい」
「浴室の位置を変えたい」
という希望があっても、構造上できないことがあります。
プランを考える前に、管理規約と建物の構造を確認してもらいましょう。
⑥ 使用できる設備や工法
マンションによっては、
- エアコンの設置方法
- 給湯器の種類
- 換気設備
- 給排水設備
などについて指定がある場合があります。
特に給湯器は排気方法が決められていることもあるため、交換時には注意が必要です。
設備選びは管理規約を確認したうえで進めましょう。
⑦ 養生や共用部分の使用ルール
工事中は、
- エレベーター
- 廊下
- エントランス
など共用部分を使用します。そのため、
- 養生方法
- 資材の搬入時間
- 駐車場所
- 廃材の搬出方法
などについて細かなルールが定められているマンションもあります。
これらを守らないと、近隣トラブルや工事の中断につながることもあります。
信頼できるリフォーム会社であれば、管理規約を確認したうえで工事計画を立て、管理組合との手続きまでサポートしてくれることが多いでしょう。
管理規約を確認しないと起こりやすいトラブル
管理規約を確認せずにリフォームを進めると、工事が始まってから思わぬトラブルになることがあります。
実際によくあるケースを紹介します。
希望していたリフォームができなかった
例えば、
- フローリングにしたかったが遮音等級が合わなかった
- キッチンを移動したかったが配管の関係でできなかった
- 玄関ドアを交換したかったが共用部分だった
- 窓を二重サッシに変更できないと思っていた
など、契約後に希望の工事ができないことが判明するケースがあります。
プランを作る前に管理規約を確認していれば、防げるトラブルです。
工事開始が遅れてしまった
マンションによっては、管理組合の承認を受けるまで工事を始められません。
申請書類に不備があったり、理事会の開催日を待ったりすると、着工まで数週間から1か月以上かかることもあります。
引っ越しや入居日が決まっている場合は、大きな影響が出ることもあるため注意が必要です。
近隣住民とのトラブルになった
管理規約には、工事中のマナーについても細かく定められていることがあります。
例えば、
- 工事時間を守らなかった
- 共用廊下に資材を置いた
- エレベーターの養生が不十分だった
- 騒音に関する説明が不足していた
などが原因で近隣トラブルになるケースもあります。
信頼できるリフォーム会社であれば、工事前の近隣あいさつや養生、管理組合との調整まで適切に対応してくれます。
管理規約はリフォーム会社にも必ず見てもらおう
管理規約は、自分だけで確認する必要はありません。
見積りを依頼する際には、管理規約をリフォーム会社にも渡しましょう。
経験豊富な会社であれば、
- 工事できる内容
- 申請が必要な工事
- 使用できる床材や設備
- 工事スケジュール
などを管理規約に合わせて提案してくれます。また、管理組合への提出書類の作成をサポートしてくれる会社も多くあります。
反対に、管理規約を確認せずに見積りを作成する会社は注意が必要です。
契約後に「この工事はできませんでした」と言われると、プラン変更や追加費用が発生する可能性があります。
マンションリフォームでは、現地調査だけでなく、管理規約まで確認してくれる会社を選ぶことが、後悔しないポイントです。
リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。
会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
マンションのリフォームでは、管理規約の確認は欠かせません。
戸建てとは違い、自分の部屋であっても自由に工事できるとは限らず、床材や設備、工事時間などにルールが設けられていることがあります。
管理規約を確認せずに進めると、契約後に希望の工事ができなくなったり、追加費用が発生したりする可能性もあります。
今回のポイントをまとめると、次のとおりです。
- マンションは管理規約によってリフォーム内容が制限されることがある
- 専有部分と共用部分の違いを確認する
- フローリングの遮音等級は必ず確認する
- 工事時間や申請手続きも管理規約で決まっている場合がある
- 管理規約はリフォーム会社にも必ず見てもらう
20年以上にわたりリフォーム会社選びの相談を受けてきた中でも、「契約後に希望していたリフォームができないことが分かった」という相談は、マンションで特に多く見られます。
その多くは、管理規約を確認する前にプランや見積りを進めてしまったことが原因です。
一方、経験豊富なリフォーム会社は、現地調査だけでなく管理規約も確認し、
- この工事はできる
- この工事は管理組合の承認が必要
- この設備なら規約に適合する
- この床材なら遮音基準を満たしている
といった内容を事前に整理して提案してくれます。
マンションリフォームでは、デザインや価格だけで会社を選ぶのではなく、管理規約を理解し、管理組合との手続きまでサポートしてくれる会社かどうかも重要な判断基準です。
管理規約をしっかり確認してから計画を進めることで、「工事できない」「追加費用がかかった」といったトラブルを防ぎ、安心してリフォームを進めることができます。
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