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執筆:二級建築士 安藤勉
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内装リフォームで複数の会社から見積りを取ったものの、「金額がバラバラで、どれが適正なのか分からない」と悩む方は少なくありません。
私たちは20年以上にわたり、全国のリフォーム会社の調査や、お客様からのご相談をお受けしてきました。
その中でも、「見積りを比較したけれど、何が違うのか分からない」というご相談は非常に多く寄せられます。
「一番安い会社に頼めばいいの?」
「高い会社の方が安心なの?」
このような疑問を持つのは自然なことです。
実は、内装リフォームの見積りは金額だけでは比較できません。
今回は、見積り比較が難しい理由と、確認したいポイントを建築士の視点から分かりやすく解説します。
見積り比較が難しい理由は2つあります
見積りの金額が違う理由はさまざまですが、大きく分けると次の2つです。
- 商品や工事内容が違う
- 会社によって価格が変わる
この2つを確認しないまま金額だけを比較すると、本当に自分に合った会社を選ぶことは難しくなります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
① 商品や工事内容が同じか
まず確認したいのは、見積りの内容が同じ条件になっているかです。
内装リフォームの見積りは、大きく分けると「商品」と「工事内容」で構成されています。
そのため、この2つが同じ条件になっていなければ、金額だけを比較しても正しく判断することはできません。
例えば、商品の違いは比較しやすい部分です。
見積書や商品の仕様書を見ると、
- 壁材の種類(クロス・珪藻土・塗装など)
- クロスのグレード(※量産品・1000番クロスなど)
- 床材の種類(フローリング・クッションフロア・フロアタイルなど)
- 巾木材の仕様(無垢材・既製品・塩ビなど)
などが記載されていることが多く、一つずつ見比べることで違いが分かります。
※量産品・1000番クロスとは、壁紙のグレードです。1000番クロスはデザインや機能性が豊富で、量産品より価格が高くなることがあります。
一方で、工事内容は一般の方には分かりにくい部分です。
例えば、「クロス張り替え」と書かれていても、
- 古いクロスを剥がして新しいクロスを張る工事
- 下地をパテで丁寧に補修・調整してからクロスを張る工事
では、工事内容も費用も大きく変わります。また、
- 壁だけを張り替える工事
- 天井や巾木まで含めて張り替える工事
でも、工事内容や費用は異なります。
さらに、壁や天井の下地にひび割れや凹凸がある場合は、そのままクロスを張ってもきれいに仕上がらないことがあります。
また、クロスの張り替えに合わせて、傷んだ石こうボードの補修や交換が必要になることもあります。
そのため、現場の状況によっては、下地の補修や調整が必要になり、工事内容や費用が変わることもあります。
内装工事は簡単そうに見えますが、実は見えない部分ほど手間がかかります。下地処理や仕上げをどこまで丁寧に行うかによって、見た目や長持ちしやすさにも違いが出ます。
このように、同じような見積書に見えても、実際の工事内容が異なることは珍しくありません。
そのため、まずは「どの商品を使い、どこまで工事を行う見積りなのか」を比較することが大切です。
② 会社によって価格が違う理由
商品や工事内容が同じでも、会社によって見積金額が変わることがあります。
例えば、従業員が何十人もいる大きな会社と、数人で運営している地域密着の会社では、会社を維持するために必要な経費が異なります。
また、どのような仕組みで工事を行う会社なのかによっても価格は変わります。例えば、
- 自社で工事や現場管理を行う「工事会社」
- 営業や窓口を担当し、工事や現場管理は協力会社が担当する「リフォーム営業会社」
では、同じ工事内容でも価格が異なることがあります。
もちろん、大きな会社だから高い、小さな会社だから安いというわけではありません。
会社の規模や運営方法、広告費や店舗運営費などによって必要な経費が異なるため、同じ工事内容でも見積金額に差が出ることがあります。
価格だけで、安い見積りが悪い、高い見積りが良いとは一概には言えません。
大切なのは、「どんな商品を使い、どこまで工事を行う見積りなのか」を理解したうえで比較することです。
会社によってリフォーム費用が変わる理由や、会社選びのポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
見積り比較で迷った時の判断方法
見積書は専門用語も多く、一般の方が内容の違いを判断するのは簡単ではありません。
見積書の内容が分からない時は、比較している会社の担当者へ他社の見積書を見せながら、違いを確認することも一つの方法です。
その際は、比較している会社の中から最も信頼できそうな会社へ、
「この見積りとの違いは何ですか?」
「どこまで工事を行う内容ですか?」
「この金額になる理由を教えてください。」
と聞いてみることをおすすめします。
特に内装リフォームは、
- 「壁だけを張り替えるのか」
- 「天井まで張り替えるのか」
- 「下地の補修や調整まで行うのか」
- 「石こうボードの補修や交換が必要なのか」
によって、工事内容や費用が大きく変わります。
また、壁や天井にひび割れや凹凸がある場合は、どのような方法で補修するのかも確認しておくと安心です。
見積書だけでは分からない内容もありますので、納得できるまで説明を受けたうえで比較することが大切です。
丁寧に説明してくれる会社であれば、内容を理解しやすくなるだけでなく、その会社の考え方や対応姿勢も分かります。
見積書を比較することも大切ですが、その違いを分かりやすく説明してくれる会社かどうかも、会社選びでは大切なポイントです。
リフォームの依頼先で失敗を防ぐためには、会社選びも大切です。
リフォーム会社を選ぶときは、建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】の4つが特に重要だと考えています。
会社選びについて順番に知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
内装リフォームの見積り比較が難しいのは、商品や工事内容、会社によって価格が変わるためです。
比較する時は、まず「どんな商品を使うのか」「どこまで工事を行うのか」が同じ条件になっているか確認しましょう。
特に、下地の補修や調整をどこまで行うかによって、工事費だけでなく、仕上がりや長持ちしやすさにも違いが出ることがあります。
価格だけで判断するのではなく、「なぜこの金額になるのか」を納得できるまで説明してくれる会社を選ぶことが、満足できる内装リフォームにつながります。
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