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執筆:二級建築士 安藤勉
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外壁塗装の見積りを取ったら、
「当社オリジナルの塗料です」
「一般的な塗料より長持ちします」
と勧められることがあります。
聞いたことのない塗料名だと、
「本当に良い塗料なの?」
「一般的な塗料と何が違うの?」
と不安になりますよね。
結論からいうと、オリジナル塗料だから悪い、とは限りません。
販売会社独自のブランド名を付けて、塗料メーカーに製造を委託しているケースもあります。
一方で、一般的な塗料と比べて性能や価格を判断するための情報が少ない場合もあります。
そのため、名前だけで判断せず、「どこで作られ、どのような性能があり、誰が保証するのか」を確認することが大切です。
オリジナル塗料=粗悪な塗料ではない
まず、ここは誤解しないようにしましょう。
「オリジナル塗料」の中には、OEM製品と呼ばれる塗料があります。
OEM製品は、ラベルに販売会社独自の名前が付いていても、実際には塗料メーカーが製造している場合があるからです。
そのため、「オリジナル塗料だから危険」と一律に考える必要はありません。
重要なのは、その塗料について必要な情報を確認できるかどうかです。
① 製造メーカーはどこ?
最初に確認したいのが、実際に塗料を製造している会社です。
業者に、
「この塗料は、どこのメーカーが製造していますか?」
と聞いてみましょう。
「当社のオリジナルです」だけではなく、製造メーカーまで説明してもらえるか確認します。
製造元が明確であれば、そのメーカーの実績や製品情報などを確認することができます。
反対に、
「企業秘密なので教えられません」
など、製造元について全く説明してもらえない場合は、慎重に判断したほうがよいでしょう。
② 塗料の商品名と仕様書はある?
次に、具体的な商品名を確認しましょう。
「高耐久塗料」
「特殊塗料」
「当社独自の塗料」
といった説明だけでは、性能を比較できません。
商品名のほか、
・塗料の種類
・適用できる外壁材
・下塗り材
・塗装回数
・標準塗布量
・乾燥時間
などが分かる資料があるか確認しましょう。
正式なカタログや仕様書などを見せてもらえると、より安心です。
③ 「何年持つ」の根拠は?
オリジナル塗料を勧められたとき、「30年持ちます」と、耐久性を強調されることがあります。
このときは、「その年数の根拠は何ですか?」と聞いてみましょう。
大切なのは、数字そのものではなく、何を根拠にその年数を示しているのかです。
実際の施工実績なのか、試験結果なのか、メーカーが設定した目安なのか。
根拠を具体的に説明してもらいましょう。
また、「30年持つ」=30年間メンテナンスが不要という意味ではありません。
塗料が長期間の耐久性をうたっていても、外壁材やシーリングなどは別にメンテナンスが必要になることがあります。
④ 一般的な塗料と何が違う?
オリジナル塗料を選ぶなら、一般的な塗料との違いも確認しましょう。
例えば、
「一般的なフッ素塗料より何が優れているのですか?」
「同程度の性能の塗料と比べて、どこが違いますか?」
と聞いてみます。
ここで、「当社だけの特別な塗料です」という説明だけで終わるのではなく、具体的な違いを説明できるかがポイントです。
性能だけでなく、価格についても比較してみましょう。
⑤ 性能を示す資料はある?
「高耐久」
「遮熱性が高い」
「汚れにくい」
などの説明があった場合は、その根拠となる資料があるか確認しましょう。
例えば、
・メーカーの製品資料
・試験結果
・施工仕様書
・性能を示すデータ
などです。
すべての塗料に同じ試験や認証が必要というわけではありません。
ただし、高い性能を説明するのであれば、その根拠を確認できることが重要です。
営業担当者の説明だけで判断しないようにしましょう。
⑥ 保証は「誰が」「何を」保証する?
オリジナル塗料を選ぶときは、保証についても必ず確認しましょう。
例えば、「10年保証が付いています」と言われても、
「誰が保証するのか」
「何が起きたら保証されるのか」
が分からなければ、安心とはいえません。
確認したいのは、
・保証する会社
・保証期間
・保証の対象
・保証の対象外
・不具合が起きたときの連絡先
です。
特に注意したいのが、塗料の性能と施工の保証は別の場合があることです。
「塗料メーカーの保証なのか」「施工会社の保証なのか」を確認しておきましょう。
保証書を発行してもらえるのであれば、内容も契約前に確認しておくと安心です。
⑦ 将来、塗り替えるときに困らない?
意外と忘れやすいのが、将来のメンテナンスです。
外壁塗装は、今回の工事だけで終わるとは限りません。
10年、15年、20年後に、再び塗装が必要になる可能性があります。
そのとき、
「この塗料は今でも購入できますか?」
「将来、同じ塗料がなくなった場合はどうなりますか?」
なども確認しておきましょう。
また、今回使用する塗料や施工内容が分かる資料を保管しておくことも大切です。
将来、別の会社に工事を依頼するときにも役立ちます。
「オリジナルだから高品質」とは限らない
「当社独自の塗料です」
「他社では使えない特別な塗料です」
と言われると、一般的な塗料より優れているように感じるかもしれません。
しかし、オリジナルという名前だけで性能が高いとは判断できません。
大切なのは、
「どこが作っているのか」
「どんな性能なのか」
「その根拠は何か」
「保証はどうなっているのか」
という具体的な情報です。
逆に、こうした情報をきちんと説明してくれる会社であれば、オリジナル塗料というだけで避ける必要はありません。
他社の塗料と比較してみる
オリジナル塗料を勧められて迷ったら、他社にも相談してみましょう。
例えば、「同じくらいの耐久性の塗料で見積りを出してください」と依頼します。
価格だけではなく、
・塗料の種類
・耐久性
・施工内容
・下地処理
・保証内容
まで比較することが大切です。
「オリジナル塗料だから安い・高い」と単純に判断するのではなく、同程度の性能を持つ塗料と比べて納得できるかを確認しましょう。
こんな説明には注意
次のような説明があった場合は、すぐに契約せず、詳しく確認しましょう。
「絶対に30年持ちます」
「この塗料なら一生塗り替え不要です」
「他社の塗料ではこの性能は出せません」
「今日契約すれば特別価格です」
このように、根拠を示さず耐久性だけを強調したり、契約を急がせたりする場合は注意が必要です。
分からないことを質問しても、具体的な資料を見せずに話を進めようとする場合も、慎重に判断しましょう。
ここまでの内容は、塗装会社選びで確認したいことの一部です。
建設業許可・自社施工・見積り・保証の【4つの基準】をあわせて見ると、会社を判断しやすくなります。
リフォーム会社にも、塗装会社にも共通する会社選びの基本を、順番に知りたい方はこちらをご覧ください。
まとめ
外壁塗装で「当社オリジナル塗料」を勧められても、オリジナルというだけで悪い塗料とは限りません。
一方で、一般的な塗料と比較しにくい場合もあるため、契約前に内容を確認することが大切です。
特に確認したいのは、
- 製造メーカーはどこか
- 商品名や仕様書があるか
- 耐久性の根拠は何か
- 一般的な塗料と何が違うか
- 性能を示す資料があるか
- 保証は誰が何をしてくれるか
- 将来のメンテナンスで困らないか
の7つです。
「オリジナルだから安心」「オリジナルだから危険」と決めつけるのではなく、中身を確認してから判断することが大切です。
特に高額な外壁塗装では、塗料の名前だけで決めず、他社の見積りとも比較して、納得できる工事内容なのかを確認しましょう。
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