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執筆:二級建築士 安藤勉
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リフォームを依頼するとき、工事内容や金額は確認しても、「もし工事の途中で会社が倒産したらどうなるの?」とまでは考えない方も多いと思います。
しかし実際には、リフォーム会社と契約し、着工金や中間金を支払った後に会社と連絡が取れなくなったり、工事途中で倒産したりすることがあります。
私たちは全国で20年以上、リフォーム会社の調査や、お客様からのご相談をお受けしてきましたが、工事を依頼した会社が倒産した、突然連絡が取れなくなったといったご相談は、今でも年に数件ほどあります。
決して多いトラブルではありませんが、実際に起きてしまうと、とても困ります。
工事が完成しないだけでなく、すでに支払ったお金が戻らないこともあります。
さらに、そのまま工事を放置するわけにもいかないため、別の会社を探して残りの工事を依頼しなければならないこともあります。
この記事では、リフォーム会社が倒産すると何が起こるのか、支払い済みのお金や工事途中の対応、そして契約前にできる備えについて分かりやすく解説します。
リフォーム会社が工事途中で倒産するとどうなる?
特に影響が大きいのが、工事途中での倒産です。
例えば、キッチンや浴室を解体したところで工事が止まったり、外壁塗装のために足場を組んだ状態で職人が来なくなったりすることもあります。
工事会社が倒産すると、工事が途中で止まるだけではありません。
発注していた設備や材料が届かなくなったり、支払い済みのお金が戻らなかったり、工事を引き継いでくれる別の会社を探さなければならなくなったりすることがあります。
さらに注意したいのは、別の会社へ頼めば、単純に「残っている工事代金だけ」で完成できるとは限らないことです。
新しく工事を引き継ぐ会社は、それまでの施工状況を確認したうえで、自社の責任で残りの工事を行います。
場合によっては、それまでの工事を一部やり直したり、材料を再手配したりする必要もあります。
その結果、当初予定していた工事費より、最終的な負担が大きくなることもあります。
これが、工事途中で会社が倒産する怖さです。
支払い済みの前金や着工金は戻る?
「まだ工事をしていない分のお金なら、返してもらえるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、会社が倒産した場合、支払った前金や着工金がそのまま全額戻ってくるとは限りません。
そのため、リフォームでは工事内容や金額だけでなく、支払い条件も大切です。
もちろん、前払いそのものが悪いわけではありません。
キッチンやユニットバスなどの設備や材料を事前に発注するため、着工前に一定額の支払いが必要になる場合もあります。
ただし、契約時や着工前に大きな金額を支払う場合は、「なぜ、この金額を先に支払う必要があるのか」を確認しておきましょう。
工事の進み具合に合わせて支払うことで、万一の場合の損失を小さくできることもあります。
前払いの金額や支払うタイミングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
工事途中で倒産すると、さらに費用がかかることも
工事の進み具合以上に前金や中間金を支払っている状態で会社が倒産すると、支払った金額と実際に完成している工事との間に差が生じることがあります。
さらに、工事を完成させるためには、別の会社を探して残りの工事について改めて見積りをしてもらわなければなりません。
新しい会社は、途中まで行われた工事の状態を確認し、必要に応じて手直しを行ったうえで工事を引き継ぎます。
材料の再手配などが必要になることもあるでしょう。
そのため、
- すでに支払ったお金が戻らない。
- さらに工事を完成させるためのお金が必要になる。
ということが起こり得ます。
場合によっては、当初予定していた残りの工事代金以上の費用が必要になることもあります。
リフォームは数百万円、工事内容によっては1,000万円を超えることもあります。
そのため、工事途中での倒産は、お客様にとって非常に大きな問題になります。
国が支払い済みの工事代金を返してくれるわけではありません
リフォーム会社が倒産して工事が完成しなかったからといって、国が支払い済みの工事代金を代わりに返してくれる一般的な制度があるわけではありません。
基本的には、お客様とリフォーム会社との契約です。
そのため、契約する会社の実績や信用、支払い条件などを確認することが大切です。
ただ、ここで難しい問題があります。
一般のお客様が、リフォーム会社の経営状態を正確に判断するのは簡単ではありません。
長く営業している会社でも、規模の大きな会社でも、将来絶対に倒産しないとは言い切れません。
だから私は、「倒産しない会社を選ぶ」だけでなく、「もし倒産したらどうなるのか」まで確認することも、高額なリフォームでは大切だと思います。
リフォーム瑕疵保険があれば倒産しても大丈夫?
ここは少し分かりにくいため、分けて考えましょう。
リフォームには「リフォーム瑕疵保険」という任意の保険があります。
これは、リフォームした部分に施工上の不具合などが見つかった場合に備える保険です。
リフォーム会社が倒産している場合などには、一定の条件のもとで発注者が保険法人へ直接保険金を請求できる仕組みもあります。
ただし、これは基本的にリフォーム工事の瑕疵に備えるものです。
今回お話ししている、「工事が完成する前に会社が倒産して、工事が途中で止まった」という問題とは分けて考える必要があります。
同じ「保証」でも、工事後の不具合に備えるものなのか、工事途中の倒産に備えるものなのかを確認することが大切です。
リフォーム会社の倒産に備える保証もあります
では、工事途中でリフォーム会社が倒産するリスクに備える方法はないのでしょうか。
実は、工事途中の倒産に備える保証を設けているサービスもあります。
リフォーム会社を選ぶときに、ここまで確認する方は少ないかもしれません。
しかし、高額な工事だからこそ、「その会社が倒産しないか」だけでなく、「万一倒産した場合に工事を完成させる仕組みがあるか」
まで確認しておくと安心です。
私どもの優良工事店ネットワークでも、ご紹介した工事店で工事をご契約いただいたお客様に、万一の場合に備えた第三者保証をご用意しています。
紹介した工事店が工事途中で倒産した場合には、未完了分を返金し、代わりの会社を手配して同じ条件で工事を完成させる仕組みです。
工事会社を選ぶとき、「この会社は倒産しないだろうか」と考えることも大切です。
しかし、会社の将来を完全に予測することはできません。
それなら、「もし工事途中で倒産したら、自分はどう守られるのか」まで確認しておく。
これも、リフォーム会社を選ぶときの一つの考え方です。
優良工事店ネットワークでは、ご紹介した工事店が万一倒産した場合にも備えた第三者保証を設けています。
工事店が倒産した場合にどのように対応するのか、保証の内容はこちらで詳しくご案内しています。
工事が終わった後に会社が倒産した場合は?
工事が無事に完成した後でも、リフォーム会社の倒産が問題になる場合があります。
代表的なのが、工事後の保証です。
例えば、工事から数年後に施工上の不具合が見つかっても、保証した会社そのものがなくなっていれば、その会社独自の保証を受けられなくなることがあります。
リフォーム瑕疵保険など、施工会社が倒産した場合にも一定の条件で発注者が直接保険金を請求できる仕組みはありますが、保証される期間や対象には決まりがあります。
私どもの優良工事店ネットワークでは、工事途中の倒産だけでなく、工事後に施工上の問題が見つかった場合にも、期間を設けず第三者の立場で対応しています。
ここでも大切なのは、「10年保証」「5年保証」という年数だけを見るのではなく、「誰が、何を、どこまで保証してくれるのか」を確認することです。
リフォーム工事の保証について詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
もし工事途中で会社と連絡が取れなくなったら?
工事会社と突然連絡が取れなくなったからといって、すぐに別の会社へ工事を依頼するのは注意が必要です。
元の会社との契約が残っている状態で別会社と契約すると、契約関係が複雑になる可能性があります。
まずは、契約書、見積書、支払いの記録、工事の進み具合が分かる写真などを整理しておきましょう。
倒産や破産が確認された場合には、破産管財人とのやり取りが必要になることもあります。
状況が分からない場合は、住宅専門の相談窓口や弁護士などへ早めに相談することをおすすめします。
まとめ|倒産しない会社を選ぶだけでなく、万一への備えも確認
リフォーム会社の倒産は、頻繁に起こるトラブルではありません。
しかし、私どもにも年に数件は、会社が倒産した、突然連絡が取れなくなったといったご相談があります。
工事途中で起きると、
- 工事が止まる。
- 支払い済みのお金が戻らないことがある。
- さらに別の会社へ工事を頼む費用が必要になることもある。
という大きな問題につながります。
だからこそ、契約前には会社の実績や信用だけでなく、支払い条件や保証内容も確認しておきましょう。
そして、私が特にお伝えしたいのは、「倒産しない会社を見つければ大丈夫」と考えすぎないことです。
会社の将来を完全に予測することはできません。
それなら、「万一その会社がなくなったとき、自分はどのように守られるのか」まで確認して会社やサービスを選ぶ。
これも、高額なリフォームで失敗しないための大切な会社選びだと思います。
会社選びで迷う方へ
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